海外メディアが報じる日本

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「東京」にまつわる洋楽10曲。

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東京は、今のところ世界最大の都市の1つという地位を保てている。

また日本では音楽文化は非常に盛んであり、アメリカに次ぐ音楽市場を有している。
欧米のロックアーティストに取って、日本、東京という存在はビジネス面において大きい。

そんな背景で、ビジネス的な意味合いもあり、東京にまつわる、あるいは東京をタイトルに冠した曲を作るアーティストは少なくない。

今回は「東京」にまつわる洋楽の曲10曲を紹介したい。


Tokyo Rose/ Riot
日本のハードロックファンの中ではビッグな存在であるRiotで最もポップでキャッチーでありながら、彼ららしい哀愁も感じさせる名曲。実際に日本人についてなのかどうかは不明だが、黒髪に口紅の女性についての歌。
「人々はみな彼女をTokyoと呼び、男たちはRoseと呼んでいた」


Rainy Night in Tokyo/ Michael Franks
日本で滞在中の出来事を曲にしたというドラマティックなバラード。
神社で出会った着物の君はとても素敵で、いっしょに日本酒を飲んだね、部屋から一緒に台風を眺めたね、朝5時くらいに猫が来たけど、まだ音楽を聴きながら愛し合ってたね、という内容。
ちなみにマイケル・フランクスはなかなかの日本好きで、日枝神社で結婚式も挙げたらしい。


Woman from Tokyo/ Deep Purple
名曲。
キャッチーなロックチューン。
「俺の彼女は東京出身。」
あまり深い意味は無さそうだが、日本で早く火が付いたバンドだったので、感謝の意も込めて、という感じで作られた曲だと思う。


My Private Tokyo/ Vicious Pink
迷曲。
イギリスのシンセポップバンドの、何故か日本の企業名がやたら出てくる曲。
「サンヨーにはノーと言えない」から始まり、ミツビシ、ヒタチ、トーシバ、スズキ、と企業名を挙げまくる。
「トーシバの着物を着てる」らしい。
80年代、日本企業がイケイケだったのであからさまに受けを狙いに行ったと思われる。今は昔の話です。


Tokyo Road/ Bon Jovi
「サクラ、サクラ・・・」から始まる初期の曲。
この曲を出した時、Bon Joviのことを最も高く評価していたのが日本のファンだったので、それに対する感謝の気持ち。歌詞にはあまり深い意味はない。2001年には同タイトルのベストアルバムを出した。


Kamata Hollywood City/ Gun City
奥さんの親友との関係性を憂い、蒲田で酔っ払って迷った、やっぱり奥さんの親友に電話してみようか、いやどうせ無駄さ、という曲。
「Kamata City Shining・・・」
本当に蒲田でしたか?


Tokyo Girl/ Ace of Base
Ace of Base1998年の曲。
東京の女の子のミステリアスな雰囲気に惹かれる、という内容。
「彼女のyesはnoで、noはmaybe」。
「彼女の言語は学ぶのが難しい」。やっぱそうなのか。


Tokyo/ Private Line
このバンドはすごく良かったんだけど、まだ活動してるんだろうか。この曲もとてもカッコ良い。東京の街を訪れて、というよりは映画にインスパイアされた「眠らない街」のイメージで作られたらしい。


Life in Tokyo/ Japan
洋楽ファンならご存知の通り、Japanはイギリスのバンド名。
バンド名の由来に特に意味はなく、「なんとなく思いついた」そう。
「東京での生活は楽じゃない」という内容だが、多分ころも「Tokyo」の響きがサウンドにフィットした、というくらいの意味だと思われる。


Narita Express/ Russ Gabriel
アメリカンテクノの大物による曲。
「Return to Home」というepに収録されているので、東京からの帰りに成田エキスプレスに乗ったんでしょう。多分。
今だったら「Keisei Skyliner」になってた可能性も十分にあった。推測。



日本受けを狙って、という目的はあるにせよ、作品名にTokyoとかJapanを入れてもらえるのは、やはりちょっと嬉しい。人口縮小していきますが日本のことも忘れないでください、と願いつつ味わいたい。

The Who、2019年中に新作発表。

そのむかし、The Whoは「日本で最も過少評価されてる洋楽ロックバンド」だった。今はちゃんと大物バンドとして扱われつつあるけど、やはり過少評価っぷりは凄いと思う。


言わずもがな、The Whoはスーパービッグなバンドだ。
欧米ではイギリスの3大バンドと言うとビートルズストーンズThe Whoのことを指す。
ツェッペリンでもクイーンでもディープパープルでもないのだ。
でもクイーン はみんな知ってても、The Whoの音楽を聴いたことがある日本人は、多分1%もいないんじゃないかと思う。
それは音楽の内容じゃなく、本当にシンプルに知名度の問題だと思う。昔のレコード会社やコンサートプロモーターがThe Whoをなぜかスルーしてしまっていたことが元凶らしい。


そのThe Whoの新作が間も無く完成し、今年2019年中に発売されることとなった。
2006年の「Endless Wire」以来13年ぶりとなる。北米の大規模ツアーも発表された。

日本ツアーで見込める収入の少なさから、The Whoが初めて日本でライブを行ったのはデビューから約40年経った2004年のこと。それまでは1度も日本に来たことはなかった。
その後は2008年に単独公演が行われ、ロジャーのソロ来日も2012年に実現した。
それでようやく、ほんの少しThe Whoの認知度は広がってきたような気がする。


今ピート・タウンセンドは73才、ロジャーは74才。もうおじいちゃんです。
多分これがThe Whoに取って最後のツアーとなると思う。


60年代とか70年代とか(80年代も、か)のクラシックロック世代のアーティストについては、ロックファンだったら観られる内に絶対に観ておいた方がいい。もうじいさんだし、とか四の五の言わずに観た方がいい。
観ないで後悔した、となってしまってはもう遅い。
すでに僕はいくつか後悔している。
デビッド・ボウイとか。

多分、来年になるのだろうけど、The Whoは日本に寄って行ってくれると思う。
それは見逃さない方がいい。

音楽史に残る駄ジャケ11枚を厳選した。

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ジャケ買いという言葉があるように、音楽CDにおいてジャケットアートは大きな意味を持つ。

音楽のイメージを表現、あるいは強調することが出来れば理想なのだが、世の中には予想のはるか斜め上を行く駄ジャケが数多存在する。

今回はその駄ジャケ群の中でも選りすぐりの作品を紹介したい。ジャンル、時代、国籍を超えてチョイスした金字塔ばかり。ランキング化するつもりだったが甲乙つけがたく、順不同とした。






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Heavymetal Chainsaw/ Metalucifer(2001)
躍動感が良いですね。




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By Request/ Ken Snyder(1976)
アップの存在感が印象的な作品。






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Too Hot to Stop/ Bar-Kays(1976)
一応、70年代ファンクの名作。
オイルを塗ったものの、みんな細身です。






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Christmas at the Organ/ Christopher Bowes(2012)
クリスマスなのになぜこんなに物憂げなんでしょうか・・・





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The Battle has Started/ Warrior(2004)
「I Want a Walmart Girl」はヒット曲。



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Country Church/ Country Church(1970)
男性3人がみな同じ服装で合わせてるのがポイント。




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Dance Before The Police Come/ Shut up and Dance(1990)
「黙って踊れ」がアーティスト名、「サツが来る前に踊れ」がアルバム名です。




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Misanthrope's Aurora/ Beelzeb(2012)
極悪な中に人間味が感じられ好印象。




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God's Power/ Mike Crain(1971)
神の力でコンクリートをぶち壊す。




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La voz Tropical/ Gabriel Romero(1985)
横の女性はなぜスイカを食べてるのでしょうか・・・




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Superman/ Alla Pugacheva(1986)
シンガーは前の女性。後ろは一体・・・





以上11枚。
個人的にチョイスした、音楽史に燦然と輝くベストオブベスト。
惜しくも漏れた崇高な作品もどこかで紹介出来ればと思う。

結論:ポーズも大事だが、結局被写体次第。

勇気を出して15年ぶりくらいにダンボ鑑賞。

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ダンボ公開は1941年だから、なんと78年前の映画だ。日本もアメリカもヨーロッパも絶賛戦争中でした。


この映画は個人的にはお母さんと檻越しに会うシーンが悲しすぎてちょっと観るのを避けてきたんだけど(火垂の墓理論)、3月に実写版が公開されるようなので、一応予習で観てみた。15年ぶりくらい。


やっぱり泣いてしまった。シクシクと。映画史上一番泣けるシーンだと思う。お母さんが歌う「Baby Mine」に至っては途中から早送りしてやりました。これを出征先で見せられたアメリカ兵も泣いたらしい。そりゃそうだと思う。


ファンタジーランドでいつも流れてるあの陽気な曲は「Casey Junior」、ダンボの曲だったんだ。忘れてた。
実写版はティム・バートンが監督なのでちょっと一癖ありそうだ。バックでホラーチックに「Baby Mine」が流れてたのが気になる。アニメ版は64分しかないけど、ちょっと引き延ばすんだろうか。
本格的に泣くのが分かってるので、映画館で観るかどうかは正直悩みどころだ。行くなら平日のレイトショーで行こうと思います。


そういえば、シンデレラ城の裏にあった赤ちゃんグッズの店「ベビーマイン」はいつ名前が変わってたんだろうか。売ってる物はあまり変わらないような気がする。多分僕みたいな奴が「店名を見るだけで悲しくなるから変えてくれ」と正式にクレームを入れたのだと思う。


「コンチネンタルハイアットハウス」が伝説的ロックの聖地である10の理由。

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アビーロードスタジオ、ウッドストックなど、ロックの聖地は数あれど、1963年にオープンしたこのサンセット大通りのホテルほど数々の逸話を生み出した場所はない。
そしてそのことは、実はほとんど知られていない。日本語の紹介ページもほとんど見つけられなかった。
そこで個人的に行ってみたいロックの聖地ナンバー1であるこの場所にまつわる逸話10を挙げる。



・レッドツェッペリンがフロアを貸し切りハーレーで通路を暴走したのはこのホテル。
70年代中盤から後半、ツェッペリンはこのホテルの数フロアを良くバンド用とスタッフ用に貸し切り、ジョン・ボーナムはハーレーで女の子を追いかけ回した。一方ロバート・プラントはベランダから「俺は神だ」と繰り返し叫んでいた。


ベランダにぶら下がって遊んでいたジム・モリソンが転落して足を骨折した。
ここを住みかにしていたジム・モリソンは窓の無い部屋に移動させられた。


ジョン・ボーナムが部屋をメチャクチャに破壊し、窓からテレビを放り投げた。
ツェッペリンはホテルの部屋をチェーンソーで破壊した」という都市伝説と思われがちなエピソードもこのホテルの話。
その場で現金で弁償できる自分がいかに金持ちかをアピールする為だった、らしい。


1974年、レミーはこのホテルのバルコニーで「Motorhead」を作曲した。
その曲名がのちのバンド名となる。


2003年11月14日、Slipknotのヴォーカル、コリイ・テイラーが8階バルコニーから飛び降り自殺を図ろうとしたが、止められた。


Kissのポール・スタンレーとジーン・シモンズはこのホテルの部屋で「Rock n'roll All Night」を書いた。


キース・リチャーズThe Whoキース・ムーンも窓からテレビを放り投げた(1015号室)
こんな再現VTRが残っていた。
この人たちはテレビに何の恨みがあるのか・・・



リトルリチャードは80年代〜90年代にかけてこのホテルに住んでいた(319号室)。


アクセルローズがバルコニーでバーベキューをしてたら消防車がやって来て、それに向かってステーキを投げつけた。


・「あの頃ペニーレインと」「スパイナルタップ」のロケ地。



このホテルをロックの聖地として扱うメディアはかなり少ない。しかしこのホテルこそが、良い意味でも悪い意味でも「ロックスター」のイメージを産み出した場所なのだ。
ハリウッドに観光に行った際は、こんな所も見ておくといいのではないかと思う。

味わい深い洋楽の邦題トップ10。

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今でも、洋楽や洋画には邦題が付けられることが多い。それは英語が分からない日本人が多い為、作品のイメージを補足する意味で付けられている。
時として、「内容と違うじゃん」と議論を呼ぶことも少なくないが、また一方で作品を象徴する一語であったり、ダジャレ的なおもしろ邦題で注目を集めたり、と秀逸な邦題も存在する。
個人的に気に入っている洋楽の邦題トップ10を挙げてみたい。


10.「吹けよ風、呼べよ嵐」(One of These Days/ Pink Floyd
ピンクフロイドはじめプログレ勢は秀逸な邦題が多い。日本人は深い意味を一言で言い表すのが得意なんだと思う。ただしこれは歌詞とはあまり関係なく、サウンドの雰囲気を表している。なぜかアブドーラ・ザ・ブッチャーの入場曲に採用された。


9.「もう納豆はいらない」(No Not Now/ Frank Zappa
Notを納豆に言い換えたダジャレ系タイトル。ザッパ師匠には他にもおもしろ邦題がたくさんあるが、Google様のブログ評価が著しく下がりそうな物ばかりなのでここでは自粛。よろしければお調べください。


8.「炎〜あなたがここにいてほしい〜」(Wish You Were Here/ Pink Floyd
邦題は「炎」。ジャケットに炎があるからそのままタイトルにしたと思われる。直訳ながら、「あなたがここにいてほしい」というのも日本語的にインパクトがあり秀逸。


7.「虹を翔る覇者」(Rising/ Rainbow)
リッチー・ブラックモアコージー・パウエル
ロニー・ジェイムズ・ディオ三頭政治時代のRainbowの名盤。中2病的なファンタジー感が良い。


6.「素直になれなくて」(Hard to Say I'm Sorry/ Chicago)
原題がHard To Say I'm Sorryなので、意味的には直訳に近いっちゃ近いが、「悪かったってちょっと言いづらくて」を綺麗な感じに意訳したのが偉い。


5.「明日への暴走」(Born to Run/Bruce Springsteen
未来に向かって振り返らないで走る、というニュアンスをピタっと収めた上手い意訳。「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりはしない」みたいな直訳もインパクトはあるけど、ニュアンスを一言二言で表した邦題にはさらに感心する。


4.「白夜のトラジェディ」(Tragedy/ Hanoi Rocks
フィンランド出身のバンドだから付けただけなのだろうが、マイケル・モンローのイメージとも重なりとても独特な印象を持たせる。これが「真夜中の」だと、何の印象も残らない。


3.「酒場で格闘ドンジャラホイ」(Wooden Pints/ Korpiklaani
確かに酒に関する歌だし、PVでもメンバーが青空の下酔っ払って取っくみあったりしてるので、そんなにズレてないのだと思う。多分。他にも「痛快!呑んだくれオヤジ」「ビールの王将」など秀逸な邦題多数。


2.「原子心母」(Atom Heart Mother/Pink Floyd
「原子空母」だと勘違いする人がいるが、目の錯覚です。原始心母だ。Atom=原子、Heart=心、Mother=母と、直訳の造語になっている。担当者は、当時必要に駆られて邦題を無理やり付けただけらしい。直訳なので、もちろんタイトルトラックの歌詞には合っている。タイトルなんてインパクト勝ちだと思うので、アルバムが売れるにあたり大きな役割を果たしたこの邦題は、その時点で誰が何と言おうと優秀。


1.「狂気」(Dark Side of The Moon/ Pink Floyd
「月の暗闇(裏側)」は「人の心の内側」の象徴であり、それが狂気である、という意味。このアルバムの核となる曲「Brain Damage」でそのことが歌われている。ピンクフロイドのミステリー感(実際には別に何のミステリーも無いが)とこのタイトル、ジャケットの意味深感が重なり、日本でも死ぬほど売れた。


結論:ピンクフロイドの邦題は結構良く考えられている。


批判されることもあり、今はあまりチャレンジングな邦題を付けることが難しくなっている。しかし作品の核心を一言で言い表したり、バンドのユーモラスさを強調するような邦題はウェルカムである。自分ならこんな邦題付けるな・・と妄想するのも意外と暇つぶしになる。




酒場で格闘ドンジャラホイ

Soilwork/ 現実〜VERKLIGHETEN(2019)

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Soilworkは今作で、音のメジャー化に完全に成功したと言っていいのではないだろうか。
当初デスメタルバンドだったが、ここにあるのはTrivium辺りを彷彿とさせるモダンヘヴィネスサウンド。ミッドテンポやアリーナサウンド、クリーンヴォーカルが増えた。要するに、「歌ってる」。

攻撃性は微塵も失われておらず、ブラストで攻める「Bleeder Despoiler」や「When The Universe Spoke」は圧倒的。特に後者はバンド史上最高の曲の1つではないか。ミッドテンポの「Full Moon Shoals」やアリーナスタイルの「The Nurturing Glance」「Stalfalgel」はラジオ狙いなのかもしれないが、どれも良い曲。
8曲目「The Wolves Are Back in Time」、9曲目「Witan」、10曲目「The Ageless Whisper」のメロディアスな曲の畳み掛けも凄まじい。ザクザクとしたリフとキャッチーなサビの構成が痛快。

アルバム全体の充実ぶりがとても良い。
今年始まったばかりにして、個人的には2019年ベストアルバム候補と思われます。