海外メディアが報じる日本

海外メディアが日本の出来事をどう報じているか?解説付きで日々お届けします

ファイザー創業講談

たくさんのヨーロッパ人が移民としてアメリカに渡った時代、チャールズ・ファイザーは船の中にいた。「俺はアメリカで鉱山を掘ってひとやま当ててみせるよ」 「いやいや、銀行を作った方が儲かるよ。これからは金融の時代だ」それを聞いていた彼は思った。 …

ポカホンタス講談

1607年。 ヴァージニアの自然豊かな野山にイギリス人がやってきた。 銃を手にし、容赦なく攻撃を始めた。 先住民は激しく抵抗し、戦いは何日も続いた。勝ったのは先住民。 「おい、この野蛮な白人どもを皆殺しにしてやろうぜ。」 血気盛んな先住民は口々にそ…

チャップリン講談

チャップリンはサイレント映画にこだわりを持っていた。 ある日、映画会社の重役がチャップリンに言う。 「チャップリンさん、今は音声で人を楽しませる時代です。もう9割の映画はトーキーなんですよ。あなたも、そろそろトーキーを作ってください。」チャ…

ヴァン・ヘイレン講談

「ピアノの練習いやだなあ。兄さん、なんで父さんは俺たちにピアノなんか習わせるんだろう?」兄のアレックスは答えた。 「父さん売れないクラリネット奏者だろ?先週はラジオの演奏会に行って、今週はサーカスで生演奏の仕事やって、でもあんまりいい給料貰…

クラーク博士講談

「札幌農学校の諸君、私はアメリカに戻ります。この学校で君たちとともに過ごしたこと、私はしっかりとそれを胸に刻み、前に進みます。君たちもどうかそうあってほしい。仲間を大切に。何かを成し遂げようと思う気持ちを忘れないこと。」 そう言うと、生徒一…

グッドイヤー創業講談

工場には債権者が詰めかけていた。 「お前は嘘つきだ。出来もしない発明にどれだけ金を費やしたと思っているんだ。」「待ってください。これはこの世の中を変えるくらいの大きな発明なんです。どうかもう少しだけ、猶予をください。」「駄目だ。この工場は差…

ヨネックス創業講談

父親は下駄の職人。 木材を仕入れて加工し、下駄にして売る。幼い彼は、売った下駄の代金の回収を命じられていた。 「うちには今払える金なんてないよ。帰った帰った。」 貧しい新潟の田舎で、どの家を回っても下駄の代金は払ってもらえない。 そうする内に…

ガンズ ・アンド・ローゼズ講談

1986年ころ、ガンズ・アンド・ローゼズはハリウッドのロックファン界隈で話題になる。 TroubadourやRoxyなどのクラブでライブをやれば、必ず満員だった。1987年にゲフィンレコードと契約、デビューアルバムを出した。 のちに傑作と評されるようになるこのア…

小泉八雲講談

彼はいつも自分のルーツを探していた。父親はアイルランド人、母親はアラブ系のギリシャ人。 しかし両親は彼が4才の時に離婚し、彼は親戚に育てられた。両親の記憶はほとんど無い。「僕は自分のルーツが分からない。どこにいてもしっくり来ない。僕の居場所…

サン・テグジュペリ講談

裕福な家で育ったサン=テグジュペリー。 大きな屋敷は彼にとって退屈な場所でもあった。 「ここでずっと暮らすなんてつまらないな…。僕はワクワクすることがやりたいんだ。」彼は家族の反対を押し切って、当時最も危険な職業と言われたパイロットを目指した…

Roland創業講談

戦後の混乱期、郁太郎は結核で入院していた。 辛い闘病生活で彼を助けたのは、手先の器用さ。「おい郁太郎くん、ちょっと見てくれよ。この時計、壊れちゃったみたいなんだ。」「お安い御用です。明日までになおしておきます。」頼まれた時計の修理やラジオの…

ギネスビール創業講談

彼は生まれた時から大きな教会にいた。 家系は代々その教会の中で仕事をしていた。 食事作り、掃除、壊れた箇所の補修、経理まで。 牧師に仕え、教会に纏わるあらゆることをやるのが彼の仕事だった。そんな中でも彼が最も得意としていたのが文章を書く仕事。…

グリコ創業講談

江崎の実家は地元では有名な薬屋だった。 長男だった彼は幼い頃から薬屋を手伝っていたが、店の経営は火の車だった。 生活は苦しく、学校に行くのもままならない日々。江崎は学ぶことが好きで、近所に住む寺子屋の先生のもとに行っては、色んなことを教えて…

ジミヘン講談

彼は陸軍に入ったが、軍隊から追放された。 ロクな男じゃなかったのだ。でも楽器はうまかった。 色んなバンドから声がかかった。 その頃、R&Bの最大のスターと言われたリトル・リチャードのバックを務めた。 化粧をして口紅を塗った奇妙なスタイルの男。 ア…

SHARP創業講談

早川徳次はシャープペンシルを発明した。 しかし全く売れなかった。「物を書く道具なのに、温かみが無いよ。こんな金属的な物はダメだね。」営業回りをしても結果は散々。 でも彼はあきらめなかった。「こんなにちゃんと作った物が売れない訳がない。絶対に…

クルト・ゲーデル講談

アインシュタインは言った。 「なあ、ゲーデル君。僕は君の論文を読んでたまげてしまったよ。不完全性の定理。どんな数学の理論にも、証明も反証も出来ない命題が存在する。こんなことを言ったのは君だけだよ。僕は君を尊敬する。」ゲーデルは言った。 「ア…

司馬遼太郎講談

1944年、福田は満州に居た。 大阪外国語大学の生徒だった彼は学徒出陣により学業を中断され、戦車を運転するための訓練をしていた。「おい、ボサボサするな。さっさと戦車を前進させろ。」機械のことなどさっぱり分からない彼は訓練生の中で落ちこぼれだった…

マクドナルド兄弟講談

「兄さん、まだ誰もやってないレストラン、僕らならきっとできるよ。ほら、これが設計図。」弟は自分が書いた店の設計図を兄に見せた。「なるほどな…。カウンターの目の前にキッチンか。これならすぐに料理を提供できるな。ただこれだとさ、作れる料理の数は…

三浦雄一郎講談

青森の高校で、三浦は負けなしだった。 北海道大学に進んでも毎日スキーざんまい。 社会人になったあと、彼の目標は明確になった。 「俺はオリンピック日本代表になる。」しかし彼はそのオリンピック代表を決めるスキー連盟のやり方に疑問を持っていた。 「…

ジェーン・バーキン講談

その女はロンドンで生まれた。 母親は有名な舞台女優、父親は第二次世界大戦で活動したイギリス軍のスパイだった。ワイト島の学校に通っていた彼女は、17才の時にジョン・バリーという男と出会った。 彼は007の楽曲を手がける著名な作曲家。 2人は恋に落ち、…

ガンズ・アンド・ローゼズ新曲「Absurd」リリース

ついに、というべきか、この期に及んで「いきなり」というのもどうかと思うのだが、スラッシュ入りのガンズとしては実に28年振りとなる新曲「Absurd」がリリースされた。 こちらである。勝手に和訳をつけといた。 youtu.be 新曲といっているが、実際にはすで…

デンマークが産んだハードロック/ヘヴィメタルバンド16選。

スウェーデン、フィンランドほどではないが、デンマークもハードロック/メタルの大国の一つだ。Pretty Maids、Royal Huntといったシーンを代表する古参アーティストはじめ、近年はH.E.R.OやVolaなど注目すべき若手も多くいる。デンマークがこれまで産んでき…

肺がんと闘いながらの魂の叫び ロニー・アトキンス「One Shot」

「俺もパニックに陥った。しかし、やがてこの状況に対峙する方法が2 つあることに気がついた。何もせず、ただ自分を哀れむか。それとも気をしっかり持って、ゴールを定め、夢を追って生き続けるか。俺は後者を選択した。」言うまでもなく、デンマークの伝説P…

テイラー・スウィフトの名曲30曲ランキング(2021年時点)。

一度、自分の能力以上のスーパースターにまで祭り上げられてしまうと、アーティストは自分の心、自分の音楽を見失いがちになる。 そこんところ2010年代を少し不安に過ごしていたテイラーファンは少なくないのではないかと思う。 アコースティックベースのフ…

ホワイトスネイクの名曲20曲ランキング。

ハードロックと言えば80年代、特に「サーペンス・アルバス」のホワイトスネイク!というオヤジは結構多いように思う。Bon JoviやDef Leppard、Motley Crueあたりと並んで、ハードロックをメジャーにした功労者なのである。 しかし大衆的なサウンドではあるも…

ボン・ジョヴィ全18作品解説&ランキング完全版(2021年時点)

そうだ、ボン・ジョヴィのアルバムをランキングにしてみよう、と思ったのだが、少し考えるとあまり意味がないことに気がついた。 ボン・ジョヴィのアルバムはほぼ全てが傑作か名作と呼べる出来だからだ。もちろん中でも傑出した作品と、全体的にいいよね、と…

ヨーロッパの名曲20曲ランキング(2021年時点)。

今やハードロック/ヘヴィメタルの中心地となっている北欧だが、その礎を築いたのがヨーロッパだ。 1983年にデビュー、「Seven Doors Hotel」を筆頭としたメロディックメタルと高い演奏力で、まず日本で火がついた。1986年の「The Final Countdown」の世界的…

ブライアン・アダムズ の名曲20曲ランキング(2021年時点)。

ブライアン・アダムズというアーティストの位置付けはちょっと難しい。 「80年代洋楽」という日本的なくくりにおいてはビッグアーティストなのかもしれないが、「ロック」の棚の中心には多分いない。 ハードロックでもパンクでもグラムでもニューウェーブで…

メタル史に残る駄ジャケ34連発。

音楽のデジタル化が進めば無くなってしまうのではないかと危惧されていたアルバム・ジャケットという文化は、物理的なパッケージとしてではなく、画面上で目を引くための重要な要素として無事に生き残った。 ここではヘヴィメタル史に燦然と輝く、邪悪で愛ら…

Babymetalが今さら紅白に出るわけ

今年の紅白にBabymetalが出る、というニュースを耳にして、多くのファンは「今さらなんで紅白?」と思ったんじゃなかろうか。今や欧米でアリーナ公演を行い、世界のメタルフェスのビッグアーティスト枠に収まっている彼女たちは、もはや紅白歌合戦などという…