海外メディアが報じる日本

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闇との決別。

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詳細を書かないが、とにかくLostprophetsロストプロフェッツ)は解散し、現在ヴォーカルのイアン・ワトキンスは29年間の懲役に服している。「音楽活動を再開すべきなのか分からない。世間が僕らに目を合わせてくれるのかどうかすら・・・」と、ベーシストのスチュワートは言った。彼らの新しい音楽を聴きたいと思う人が果たしているのかどうか、と疑心暗鬼になりながらも、残されたメンバーはLostprophetsを葬り去り、No Devotionを結成、新たなスタートを切った。

2015年に発表したこのデビューアルバムでは、Lostprophetsとの音楽的共通項はほとんどない。Lostprophetsのメインライターがワトキンスだったのだから当然っちゃ当然だが。かつてのバンドはポップなラウドロックアンセムを叩き出していたが、No DevotionはThe Cure当たりに影響を受けた、暗い中にも明るく浮遊感のメロディが見え隠れするような90年代風のUKロックだ。インストの「Death Rattle」をはじめ、退廃的で芸術性の高い曲がアルバムを占めるが、各曲がキャッチーなのが特徴的だ。Museを彷彿とさせるディスコサウンドを優しいヴォーカルが包む「Stay」、Coldplay風の「10000Summers」など、陰鬱さを前面に押し出さない辺りがさすがというか、やはり「売れる」ことを心得ていると感じる。

2ndアルバムの動向は不明である。しかしかつての闇と袂を分かち、新たなスタートを切ることに成功したメンバー達が、このNo Devotionで再び世界を席巻する日が来ることを祈っている。