海外メディアが報じる日本

海外メディアが日本の出来事をどう報じているか?解説付きで日々お届けします

味わい深い洋楽の邦題トップ10。

f:id:mottie024:20190113192816j:plain

今でも、洋楽や洋画には邦題が付けられることが多い。それは英語が分からない日本人が多い為、作品のイメージを補足する意味で付けられている。
時として、「内容と違うじゃん」と議論を呼ぶことも少なくないが、また一方で作品を象徴する一語であったり、ダジャレ的なおもしろ邦題で注目を集めたり、と秀逸な邦題も存在する。
個人的に気に入っている洋楽の邦題トップ10を挙げてみたい。


10.「吹けよ風、呼べよ嵐」(One of These Days/ Pink Floyd
ピンクフロイドはじめプログレ勢は秀逸な邦題が多い。日本人は深い意味を一言で言い表すのが得意なんだと思う。ただしこれは歌詞とはあまり関係なく、サウンドの雰囲気を表している。なぜかアブドーラ・ザ・ブッチャーの入場曲に採用された。


9.「もう納豆はいらない」(No Not Now/ Frank Zappa
Notを納豆に言い換えたダジャレ系タイトル。ザッパ師匠には他にもおもしろ邦題がたくさんあるが、Google様のブログ評価が著しく下がりそうな物ばかりなのでここでは自粛。よろしければお調べください。


8.「炎〜あなたがここにいてほしい〜」(Wish You Were Here/ Pink Floyd
邦題は「炎」。ジャケットに炎があるからそのままタイトルにしたと思われる。直訳ながら、「あなたがここにいてほしい」というのも日本語的にインパクトがあり秀逸。


7.「虹を翔る覇者」(Rising/ Rainbow)
リッチー・ブラックモアコージー・パウエル
ロニー・ジェイムズ・ディオ三頭政治時代のRainbowの名盤。中2病的なファンタジー感が良い。


6.「素直になれなくて」(Hard to Say I'm Sorry/ Chicago)
原題がHard To Say I'm Sorryなので、意味的には直訳に近いっちゃ近いが、「悪かったってちょっと言いづらくて」を綺麗な感じに意訳したのが偉い。


5.「明日への暴走」(Born to Run/Bruce Springsteen
未来に向かって振り返らないで走る、というニュアンスをピタっと収めた上手い意訳。「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりはしない」みたいな直訳もインパクトはあるけど、ニュアンスを一言二言で表した邦題にはさらに感心する。


4.「白夜のトラジェディ」(Tragedy/ Hanoi Rocks
フィンランド出身のバンドだから付けただけなのだろうが、マイケル・モンローのイメージとも重なりとても独特な印象を持たせる。これが「真夜中の」だと、何の印象も残らない。


3.「酒場で格闘ドンジャラホイ」(Wooden Pints/ Korpiklaani
確かに酒に関する歌だし、PVでもメンバーが青空の下酔っ払って取っくみあったりしてるので、そんなにズレてないのだと思う。多分。他にも「痛快!呑んだくれオヤジ」「ビールの王将」など秀逸な邦題多数。


2.「原子心母」(Atom Heart Mother/Pink Floyd
「原子空母」だと勘違いする人がいるが、目の錯覚です。原始心母だ。Atom=原子、Heart=心、Mother=母と、直訳の造語になっている。担当者は、当時必要に駆られて邦題を無理やり付けただけらしい。直訳なので、もちろんタイトルトラックの歌詞には合っている。タイトルなんてインパクト勝ちだと思うので、アルバムが売れるにあたり大きな役割を果たしたこの邦題は、その時点で誰が何と言おうと優秀。


1.「狂気」(Dark Side of The Moon/ Pink Floyd
「月の暗闇(裏側)」は「人の心の内側」の象徴であり、それが狂気である、という意味。このアルバムの核となる曲「Brain Damage」でそのことが歌われている。ピンクフロイドのミステリー感(実際には別に何のミステリーも無いが)とこのタイトル、ジャケットの意味深感が重なり、日本でも死ぬほど売れた。


結論:ピンクフロイドの邦題は結構良く考えられている。


批判されることもあり、今はあまりチャレンジングな邦題を付けることが難しくなっている。しかし作品の核心を一言で言い表したり、バンドのユーモラスさを強調するような邦題はウェルカムである。自分ならこんな邦題付けるな・・と妄想するのも意外と暇つぶしになる。




酒場で格闘ドンジャラホイ