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伝説的プロデューサー ナイル・ロジャースが手掛けた曲12選。


音楽プロデューサーというのはあまり表には出てこないが、世界にはスタープロデューサーが数多く存在する。その頂点に立つ一人がナイル・ロジャースだ。1970年代にディスコグループ、Chic(シック)でヒットを連発、80年代以降はマドンナ、デイヴィッド・ボウイ、ダイアナ・ロスジョージ・マイケルそしてアヴィーチーなど、時代を象徴するアーティストの楽曲を数多く手掛けてきた。
音楽史に名を残すプロデューサー、ナイル・ロジャースの代表曲12曲をチョイスした。



Le Freak/ Chic(1978)
邦題「おしゃれフリーク」。全米1位になったディスコアンセム
ナイル・ロジャースの真骨頂、ビートの隙間を縫うようなチャラチャラとした色気のあるギター・サウンドが爆発。


Good Times/Chic(1979)
全米1位。音楽史上最もサンプリングされた曲の1つであり、このバージョンを知らなかったとしても誰でも聴いたことがあるディスコの名曲。この曲と「Le Freak」はのちの音楽界に絶大な影響を与えた(そしてその影響力は明らかに過小評価されている)。「1度聴いたら忘れない」がロジャースの信条の1つであり、このコーラスはそれを地で行っている。だからこそ、誰の頭にも刻まれている曲なのだ。


We are Family/Sister Sledge(1979)
誰でも聴いたことがあるディスコの名曲②。ロジャースはこの曲が収録されたアルバムを「自身の最高傑作」と呼んでいる。コーラスが象徴的ながら、イントロから始まるギターとキーボードのお洒落なフレーズだけでも曲として充分すぎるくらい成立する。すごすぎる。


Upside Down/ Diana Ross(1980)
全米1位。ナイル・ロジャースが最初にプロデュースした世界的大物の曲。僕が大好きなロジャースのギターサウンドはやや鳴りを潜めてるが、洗練されたファンクサウンド。当時としては先進的で、今聴いてもすごくカッコ良い曲なのだけど、このスタイルがダイアナ・ロスに合っているのかというと、個人的には正直疑問だったりする。


Let's Dance/ David Bowie(1983)
ボウイ最大のヒット曲の一つ。グラムロック、ソウル路線から脱却した80年代のボウイのイメージを作り上げたのはナイル・ロジャース。ボウイは彼の家に行き、リトル・リチャードの写真を見せて「次のレコードはこんな感じにしたいんだ」と言ったそう。ダンサブルなロックンロール、という意味だろう。時代を読んだボウイとロジャースが作り上げた傑作。


Like a Virgin/ Madonna1984
全米1位、マドンナを象徴する曲。当初ロジャースはこの曲に自信が無かったが、「4日経っても頭に残っていたので」いける、と踏んだらしい。元々はバラードとして書かれた曲だったが、歌詞やマドンナのイメージに合わせて「Material Girl」と同様、ポップ調のダンスチューンに仕上げた。結果は見事。マドンナのイメージを世界に知らしめることになった。


Material Girl/ Madonna1984
マドンナ代表曲の1つ。おそらくマドンナ史上一番キャッチーなポップチューン。ジャクソンズの「Can You Feel it」のベースラインを用いた。


The Reflex/ Duran Duran1984
全米1位。「Ordinary World」と並んでデュラン・デュランの最高傑作と言っていいだろう。
ニューロマンティック」と呼ばれるジャンルの特性が僕にはイマイチ良く分からないのだけど、都会的なダンスロック。


Original Sin/ INXS(1984
バンド名の読み方はインエクセス。疾走感とメロディアスなサビが印象的なThe80年代サウンドのダンスロックチューン。PVの撮影は日本で行われた。


Roam/ The B-52s(1989)
超キャッチーなポップロックチューン。いつ聴いてもいい曲ながら、ナイル・ロジャース色はそこまで強くないと思う。


Get Lucky/ Daft Punk(2013)
ダフト・パンクが憧れの存在だったロジャースに数曲のデモテープを持っていくと、この曲が気になったロジャースはすぐにギターで色気を追加。ヴォーカルにファレル・ウィリアムズを起用し、従来のダフト・パンクサウンドとは異なりながらもヒット曲となった。



Lay me Down/Avicii(2013)
アルバム「True」収録。ヴォーカルはアダム・ランバート、ギターをロジャースが演奏している。グルーヴが強くてノリの良いディスコ風のEDMチューン。




ディスコサウンドの神であり、「80年代っぽい」と呼ばれるサウンドを生み出した伝説的プロデューサー、ナイル・ロジャース。今も健在であり、2018年にはシックとして25年振りのアルバムを発表した。彼が居なければ、今の音楽シーンは少し違う物になっていたはず。
プロデューサーという切り口で音楽を聴く、ということはあまり無いかもしれないが、プロデューサーにはそれぞれ色がある。
ナイル・ロジャースがプロデュースしたのは名曲ばかり。彼が手掛けた曲、という軸でいくつか聴いてみると面白いと思う。