ヘヴィメタルファンに取っては言葉を失うようなニュースだが、6月17日、Megadethのフロントマン、デイヴ・ムステインが咽頭がんと診断されたことをインスタグラムで発表した。
すでに1.4万件を超える激励コメントが寄せられている。日本のファンのみんなも、是非応援コメントを書きこもう。日本語でもいいと思う(世界中から応援が集まってる感が出る)。
言うまでもないが、Megadethはヘヴィメタルというジャンル全体を代表するバンドの1つであり、その創設者、リーダー、ソングライターであるデイヴ・ムステインはヘヴィメタルシーン最高のフロントマンの1人だ。
デイヴ・ムステインは1981年に新聞での求人を通じてMetallicaに加入するも、問題行動が仇となり1983年にバンドをクビになる。
その後Metallicaを超えるバンドを作るべく、たまたま同じアパートに住んでいたデイヴィッド・エレフソンとMegadethを結成。テクニカルかつ複雑な切れ味鋭いリフ、攻撃的な歌詞で世界的人気を博し、Metallica、Slayer、Anthraxらとともにスラッシュメタルの「Big 4」と呼ばれるようになった。
2nd「Peace Sells…But Who's Buying?」、4th「Rust in Peace」、5th「Countdown to Extinction(破滅へのカウントダウン)」は歴史的名盤とされ、1990年から6年連続でグラミー賞にノミネート。
2016年の最新作「Dystopia」もグラミー賞のベストメタルアルバムを受賞した傑作だ。
※知らない人は居ないと思うが、今お茶の間タレントになっているマーティー・フリードマンはMegadeth全盛期を支えた本物の世界的ギタリストだ。
その攻撃的な音楽性や過去の経緯から、ヤバい奴と思われがちなデイヴ。
確かにMegadethをスタートした当初はMetallicaへの対抗心から音楽活動をしていたのだろうし、インタビューでも若干引いてしまうような発言も少なくなかった。
しかし時代は流れ、Megadethがデビューしてから36年、デイヴは57歳。
当然彼は丸くなったし、富も名声に手に入れた。
今は対抗心などではなく、より自由で幅広い創作意欲から音楽活動を続けているように感じられる。現にMetallicaのメンバーともすでに和解をしている(ラーズにはまだ不満があるようだが…)。
唯一無二の音楽スタイル、コンスタントな創作活動、圧倒的なライブパフォーマンスでヘヴィメタルというジャンルの進化に多大な貢献をしてきたデイヴ・ムステイン。
治療を無事終え元気を取り戻した彼をステージでまた見られる日を心待ちにしたい。その時はどんなパフォーマンスであれ、全力で拍手を送る。
デイヴが居なかった期間のヘヴィメタルシーンには、きっと彼の形をした穴がぽっかりと空いていたに違いないのだから。
それくらい彼はこのジャンルに取って大きな存在だということを、彼の不在は知らしめてくれるはずだ。
ガンは大佐に勝てやしないのだ。
〜私は咽頭がんであると診断された。
真剣に捉え、正面から向き合わなければならないことだが、私はこれまでだって、幾つもの障害と向き合ってきたのだ。
医者と話し合い、90%以上の確率で治癒できる治療プランを編み出した。治療は既に始まっている。
残念だが、今年のコンサートはほぼ全てキャンセルすることになる。「2019メガクルーズ」は実施され、我々は何らかの形で参加する。
Megadethはツアーに戻ってくる。
出来るだけ早く。
それまでの間、キコ、デイヴィッド、ダークと私はスタジオで「Dystopia」に次ぐアルバム作りを行う。聴くのが自分でも待ちきれない気分だ。
家族、メンバー、医療チーム、トレーナー、全員に感謝をする。
近況はこれからも絶えずみんなに伝える。
また会おう。
デイヴ・ムステイン(インスタグラムコメント)