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キッスの名曲20曲ランキング。


現在解散ツアーを行っているKiss。
これまで何度か「最後のツアー」と銘打ったツアーをやってきたが、ここ数年のポール・スタンレーの言葉を見ると、今回は本当に最後だと考えた方が良さそうだ。

Kissというバンドは、「過大評価されている」と思われがちだが、僕はむしろ過小評価されていると思っている。
なんであんなパーティーロックバンドがQueenAerosmithと同列に語られてるんだろう、と思っている人は少なくないのではないか。
余りにも多くのベスト盤、ライブ盤をリリースしてきたが故、ほとんどの洋楽ファンはそこに収録されている代表曲15曲くらいで止まってしまっていると思う。
確かに70年代の代表曲は大体それでカバーできるのだが、Kissの快進撃はその後も続いていた。
特に、スルーされがちな80年代のアンマスクド(ノーメイク)時代、彼らは音楽的に最も充実した時を過ごしていた。

ここではキッスの全時代を通じた個人的ベスト20曲をランキング化した。


20.Hell or Hallelujah(2012)
名盤と呼ぶにふさわしい「Hell or Hallelujah」のスピーディーなオープニングトラック。重いリフながらキャッチーなコーラスが、これぞKissなロックチューン。


19.Beth(1976)
名盤「Destroyer(地獄の軍団)」収録のピアノバラード。ドラムのピーター・クリスがヴォーカルを務めている。チャート上ではKiss最大のヒットとなった。


18.Tears are Falling(1985)
1985年の「Asylum」収録。アンマスクド時代の代表曲の一つとなった。


17.Do You Love Me(1976)
「地獄の軍団」収録のシンプルでキャッチーなロックンロールチューン。一辺倒でなく、途中からポップに転調するあたりが、大衆性を意識した優れたソングライティング能力を示している。歌いやすく、ライブ定番曲の一つ。


16.Heaven's on Fire(1984
「Animalize」収録のアンセム風ロックチューン。聴く人が聴けば何となく分かると思うが、デズモンド・チャイルドとの共作曲。Alice Cooperの「House of Fire」やBon Joviの「Lay Your Hands on Me」と同路線。


15.Love Gun(1977)
「Love Gun」のタイトル・トラックにして彼らの代表曲の一つ。ストレートな展開と綺麗なコーラスが印象的だが、哀愁も感じられる。これぞKissな名曲。


14.Rise to it(1989)
「Hot in the Shade」のオープニングトラック。ブルージーなアコースティックのイントロからドライブ感溢れるロックチューンに入っていく感じは、当時ヒットしていたCinderellaからヒントを得たらしい。


13.Reason to Live(1987)
個人的には最高傑作だと思っている「Crazy Nights」収録のパワーバラード。どこかで聴いたことがある…と思うのは、やはりデズモンド・チャイルドが絡んでいる為。ポール・スタンレーのヴォーカルが素晴らしい。


12.Domino(1992)
「Revenge」収録の、AC/DC風の重くて痛快なリフが印象的なロックチューン。ジーン・シモンズ作。MVが痺れるほどかっこ良い。


11.My Way(1987)
「Crazy Nights」収録のポップロックチューン。80年代風のキーボードの華やかなサウンドとキャッチーなコーラスが見事。シングルカットはされなかったが、隠れた名曲。


10.Let Me Go, Rock n' roll(1974)
「Hotter Than Hell(地獄の叫び)」収録。神懸かり的にキャッチーでノリが良いリフが何より印象的。最もライブ映えする曲の一つ。


9.Crazy Crazy Nights(1987)
「Crazy Nights」のオープニングトラック。それまでのソリッドなキッスサウンドに80年代風の華やかなキャッチーさを加えたアルバム全体を印象付ける一曲。


8.Turn on The Night(1987)
「Crazy Nights」収録のThe 80年代サウンドのキャッチーなロックチューン。ポップさではバンド史上No.1かもしれない。昔ながらのKissファンから賛否両論が巻き起こったのは分からなくも無いが、これを出来が悪いといえるリスナーは居ないだろう。


7.Forever(1989)
「Hot in The Shade」収録のパワーバラード。マイケル・ボルトンとの共作。80年代Kissの最高傑作の一つ。


6.Hard Luck Woman(1976)
伸び伸びとしたアコースティックメロディーが心地よい「Rock and Roll Over(地獄のロックファイヤー)」収録のミッドテンポバラード。実はポール・スタンレーがロッド・スチュワートに提供しようと思って書いた曲なのだが、「Beth」がヒットしたのを見て自分たちでやることにした。そう言われてみると、70年代のロッド・スチュワートが歌っていても1mmも違和感がないサウンド。ポール・スタンレーは天才。


5.Hold Me, Touch Me(1978)
実際にはポール・スタンレーのソロアルバムに収録された曲なので入れるかどうか迷ったのだけど、Kissのベストにも収録されたりしているので入れた。穏やかなメロディの美しいバラード。


4.Shout it Out Loud(1976)
邦題「狂気の叫び」。Kissの代表曲の一つ。ここからの4曲はほぼ全てのライブで演奏される曲で、そこまで説明は不要な気もする。「Rock n' roll All Night」が成功し、もう1曲アンセムを、ということでこの曲を書いたらしい。


3.I Was Made For Lovin' You(1979)
アルバム「Dynasty」収録。デズモンド・チャイルドとの共作。70年代後半にブームとなっていたディスコサウンドを大胆に取り入れた、やや異色な曲。というより、そもそもディスコチューンを作ろうとしていたのを「ロック風」に仕上げたらしい。


2.Rock n' roll All Night(1975)
「Dressed to Kill(地獄への接吻)」収録。Kissの代名詞的なアンセム。Sladeの「Cum on Feel The Noize」にインスパイアされた。


1.Detroit Rock City(1976)
「地獄の軍団」収録。当時のチャートでは振るわなかったものの、後のハードロック/ヘヴィメタルシーンに大きな影響を与えることとなった名曲。もちろん「デトロイト・メタル・シティ」の元ネタ。


Kissがメイクをして演奏を始めたのには理由があった。
彼らがデビューした当時、ごく一部の例外を除けば、ロックスターは白人でなければならなかったのだ。ロックスターにのし上がっていくうえで、「ユダヤ系である」ことが大きな障害になると考えたジーン・シモンズはこの策を取った。それは結果としてKissを、サウンドのみならず、ファッションやグッズ展開など、ロックビジネスの先駆者としても位置付けることとなった。
結成から46年、ついにKissが解散するようだ。
ベストアルバムしか聴いた事がなければ、是非80年代以降の作品も聴いて見てほしい。ポール・スタンレーとジーン・シモンズの才能の凄さを感じることができるはずだ。




Forever