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シンディ・ローパーの名曲20曲ランキング。



インパクトのある歌声、奇抜なファッション、チャーミングなキャラクター。80年代の洋楽を語る上で避けては通れないのが、シンディ・ローパーだ。「We are The World」でやたら目立っていた女性、として認識している人も多いと思う。あの音楽の神々の中において、10秒足らずのソロパートにも関わらずインパクトを残しているという事実がシンディの存在の特異性を物語っている。
日本とも強い絆で結ばれているシンディ・ローパー
その全キャリアの名曲20曲をランキング化した。


20.Unconditional Love(1989)
3rdアルバム「A Night to Remember」収録。最初の2枚のコマーシャルなポップミュージックと比べるとこのアルバム以降はシンディの歌のうまさに重きを置いているように感じる。商業的には失敗したものの、良く聴くといい曲が多い。なぜかシングルカットされなかった情熱的なバラード。


19.You Don't Know(1996)
「Sisters of Avalon」のリードトラック。90年代のシンディは迷走期と捉えられがちだが、このアルバムはいい曲が多く、良かった。メロディアスなミッドテンポの曲がで、シンディの歌手としての凄みを感じられる佳作。


18.Hole in My Heart(All The Way to China)(1989)
「A Night to Remember」収録。シンディが主演した映画「Vibes」用に作られた楽曲。キャッチーでスピーディーなポップロックと、まくし立てるようなヴォーカルがインパクト大。多くの人がイメージするシンディのイメージ通りの楽曲。


17.Boy Blue(1986)
「True Colors」収録。エイズで死んだ少年のことを歌った曲。曲調は爽快感のあるダンスポップだが、サビ部分のシンディの情熱的なシャウトが印象的。シングルの収益はエイズ支援団体に捧げられた。


16.I Don't Want be Your Friend(1989)
「A Night to Remember」収録。この曲はデズモンド・チャイルドのソロアルバム「Discipline」に収録されていて、それがオリジナルだと思っていたのだが、シンディが先だった。劇的で感動的なパワーバラード。


15.I'm Gonna be Strong(1994)
1969年、フランキー・レインが発表した楽曲をシンディの前身バンドBlue Angelがカバー、ソロ独立後の1994年にベストアルバム「Twelve Deadly Cyns」用に再度カバーした楽曲。この1994年版が一番知られていると思う。アカペラ風のアレンジとなっており、シンディの熱い歌声が一番味わえる感動的なナンバー。


14.Sally's Pigeons(1993)
「Hat Full of Stars」収録、シンディ作曲の曲。10代の頃中絶で亡くなった友人について歌っている。静かに穏やかに展開する、サビと呼べるサビが無いように思える内省的な曲だが、メロディは分かりやすい。エルトン・ジョン「Tiny Dancer」のフレーズを含む。


13.When You were Mine(1983)
「She's so Unusual」収録のアップテンポで超分かりやすいポップチューン。1980年のプリンスの曲のカバー。僕はプリンスの大ファンだが、この曲に関してはシンディ・ローパーの方が良くハマっている。


12.Change of Heart(1986)
「True Colors」のオープニングチューン。全体的に緊張感のあるロックサウンドの名曲。バックコーラスはThe Bangles、MVはロンドンのトラファルガー広場で通行人が大勢いる前で撮影された。


11.I Drove All Night(1989)
「A Night to Remember」収録。疾走感のあるサビが印象的なロックチューン。元々はRoy Orbisonの為に作られた曲だったが、彼がリリースする前に亡くなってしまい、結局シンディ版の方が先に世に出た。セリーヌ・ディオンも後に歌ったりしてるのだが、シンディ版が一番サウンドがオーガニックで良い。


10.The Faraway Nearby(1986)
「True Colors」収録の天才的ポップチューン。シングルカットこそされなかったものの、個人的にはシンディの最高傑作の一つだと思っている。シンプルなフレーズメロディの繰り返しではあるが、シンディの声や歌唱法がこの曲を名作たらしめている。


9.The Goonies R' Good Enough(1985)
映画「グーニーズ」の音楽ディレクターを任されたシンディがサントラ用に製作した超キャッチーなポップチューン。サウンドは同時代のDuran Duran辺りに通じるものがある。シンディ自身はあまり好きじゃない曲だったらしく、長らくライブでは演奏されなかった。コミカルでカオスなMVは必見。


8.Rain on Me(2008)
「Bring Ya to The Blink」収録。2000年代のシンディはカヴァー集ばかりだったが、この久しぶりのオリジナルアルバムは高評価を得た。全体的に無機質なエレクトロサウンドが占めている中でこの曲はシンディの魅力全開のバラード。


7.She Bop(1983)
「She's So Usual」収録のダンスポップチューン。音は今聴くとだいぶショボいのだけど、バックのシンセやドラムマシーンの音が斬新。女性の自慰行為を連想させる歌詞で、PTA団体PMRCの「最も不快な15曲リスト」に見事選ばれた。


6.Money Changes Everything(1983)
「She's So Unusual」収録、シンディを象徴する曲の一つ。翌年のマドンナの「Material Girl」しかり、「結局男は金よ!」と言ってのける女性がカッコ良いとされた時代だったのかもしれない。今は男なんぞの収入に頼ろうとすること自体がダサいという風潮になってきているので、こういう曲はあまり聴かない。しかもこの曲も実は1979年にThe Brainsというバンドが発表した曲のカバーだ。いずれにせよシンディを、いや80年代を代表するキャッチーなロックチューンの一つ。


5.All Through The Night(1984
前年ジュレス・シアーが発表した曲のカバーだが、この曲も圧倒的にシンディ版が有名(バックヴォーカルにはジュレス自身が登場している)。シンセサイザーをフィーチャーしたシンプルなサウンドで、シンディの歌の上手さを際立たせている。キャラクターの印象からかシンディを下手ウマだと思っている人が多いが、この人はめちゃくちゃ歌が上手いのだ。


4.Who Let in The Rain(1993)
「Hat Full of Stars」収録のAOR風の感動的なバラード。歌い方は一貫して静かで落ち着いているが、徐々に後ろのサウンドが心地よく華やいでくるのが感動的。素晴らしいメロディを見事にアレンジするとこういうことになる。


3.Girls Just Want to Have Fun(1983)
シンディの代名詞的ナンバーにして、ガールズポップというジャンルを代表するアンセム。ロバート・アザールという歌手が書き、デモ版だけ録音していたのをシンディがカバー。シンセサイザーベースの超キャッチーでややコミカルなサウンド、特徴的な歌声とキャラクターでシンディの名を全米に知らしめた。


2.True Colors(1986)
フィル・コリンズのカバーも知られる名曲中の名曲。静かなメロディとシンディの感情的な歌声がサウンドに幅を持たせている。歌詞は色々な意味で読み取れるが、今ではゲイコミュニティの賛歌の一つにもなっている。


1.Time After Time(1983)
ポップス史に残る名曲であり、日本で最も有名な洋楽ナンバーの一つでもあるラブソング。浮遊感のあるシンセサイザーとギター、刻むようなパーカッションサウンドをベースに、感動的なメロディをシンディが歌いあげる。シンプルながら、誰の心にも永遠に刻まれるサビのメロディ。マイルス・デイヴィスもカバーした。


東日本大震災が発生した直後の3月16日、シンディは横田基地から日本に入り、節電をしながらのコンサートと募金活動を決行した。福島の原発はすでに危機的状況で、海外アーティストが次々と日本公演をキャンセルしていた中での公演だった。急遽チャリティーコンサートとなったこの公演に、日本のファンは涙を流しながら感謝をした。
その1年後にまた来日公演を行い、コンサートは被災地のいくつかの映画館で無料上映され、コンサートの収益も被災地に捧げた。この出来事は多くのテレビでも取り上げられた。
またある日、アルゼンチンの空港で全ての飛行機がストップしてしまい、人々が怒り出す現場に彼女は居合わせた。あろうことかシンディはアナウンス用のマイクを借り、アカペラで歌い出して怒っていた人々を楽しませたのだ。
情熱的な歌声と特徴的なファッションは言わずもがな、ヤンチャさや過激さの裏にかいま見える人間性こそがシンディ・ローパーを愛すべきポップアイコンたらしめているのだ。


マイクスタンドをなぎ倒し、ポリバケツをボコボコに蹴り飛ばし、乱入した客を抱きしめ、のライブパフォーマンス。乱入客はヤラセ風。