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ヴァン・ヘイレンの名曲20曲ランキング。

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2020年10月6日、ハードロック史に残るバンドはリーダーの死という結末で事実上の終焉を迎えた。
今80年代〜90年代という時代を改めて俯瞰して見てみると、Van Halenよりも優れた楽曲を多く作っていたバンドはいくつか存在する。それでも当時ハードロックを聴いていた、という世代の人達が真っ先に挙げるバンド名は大抵Van Halenだ。それくらい鮮烈な存在だったのだ。
デイヴ・リー・ロスの強烈なパフォーマンス、当時どうやって弾いているのかすら謎だったエディ・ヴァン・ヘイレンのギタープレイ、そして「Jump」。
QueenAerosmith、Kiss、ツェッペリンやパープルといった70年代のバンド達が作り得なかった華やかさをVan Halenは持ち合わせていた。チャート上でのライバルはハードロックバンドではなく、世界広しと言えどもマイケル・ジャクソンくらいのものだった。
一方、最後の最後まで不協和音の絶えないバンドでもあった。その要因は大抵、エディ・ヴァン・ヘイレンの独裁体制に対するメンバーの反発だった。ヴォーカリストを交代した両方の時代でここまで大成功を収めたバンドは、他にはAC/DCくらいだろう。
史上最高のギターヒーロー、そして1980年代という特異な時代を定義付けたバンドの名曲20曲を振り返る。

20.Can't Stop Lovin' You(1995)
「Balance」収録。産業ロックと言われようが、良いものは良い。爽快なイントロと一度聴けば忘れない(というかどこか他でも聴いたことがあるような)サビが印象的。サミー・ヘイガーでなければ歌いこなせなかったであろう名曲の1つ。

19.Love Walks In(1986)
傑作「5150」収録のバラード。個人的には名曲中の名曲。繊細で美しいシンセサウンドとエモーショナルなギターソロは感涙。

18.And The Cradle Will Rock…(1980)
ギターの様に聞こえるイントロは実はエディがキーボードで出しているサウンドらしい。グルーヴが心地よい骨太ロック曲。

17.Hear About It later(1981)
戒厳令Fair Warning)」収録。重みのあるサウンドながらキャッチーなコーラス。こういう、一聴地味に聴こえる作りの曲を華やかに出来るのがエディの凄さでもある。ハードロックの様式美を敷き詰めたような隠れた名曲。サミー・ヘイガー時代にはこういった深みのある曲はあまり無い。

16.Beautiful Girls(1979)
チープなノリの曲ながら、こんな風にシャカシャカとリフを弾けるギタリストはエディ以外に居ない。大した曲じゃないな、と思わずに良く聴いてみて。

15.Jamie's Cryin'(1978)
デビューアルバム収録。ヒットシングルでは無いもののファンの中では人気の高い名曲。クリーンな声が合うだろうと思ったデイヴ・リー・ロスはこの曲の録音前1週間酒とタバコを絶ったが、ハスキーさが欲しかった周囲に懇願されて直前にタバコを吸わされて録音に挑んだらしい。タバコ1本で声が変わったのかは謎。

14.Romeo Delight(1980)
MotorheadSkid Rowを彷彿とさせる爆走系ロックチューン。ケリー・キング曰く「Van Halen最後の偉大なロックチューン」。それは言い過ぎではないでしょうか。

13.Human's Being(1996)
映画「ツイスター」のサントラ収録。Metallica風ダークな雰囲気の中で、激しいリフとキャッチーなサビが素晴らしくカッコ良い。

12.Cabo Wabo(1988)
これまたデイヴでは歌いこなせないであろう曲。サウンド自体はヘヴィーながらキャッチーで心地よいロックチューン。

11.Dreams(1986)
サミー・ヘイガー時代を代表する名曲中の名曲。鳥肌級のイントロとサビの歌メロの高揚感すさまじ。「Jump」があれだけ売れて、この曲が30位止まりというのが全く解せない。Van Halen産業ロックサイドの最高傑作だと思う。

10.5150(1986)
「5150」のタイトルトラック。同アルバムは「Dreams」のインパクトが強過ぎて隠れがちだが、エディの天才的な閃きを感じさせるイントロのリフ、疾走感のあるメロディなど、アメリカン・ハード・ロックの金字塔的名曲。ギターソロからの流れは天才。とにかく天才。

9.Runnin' With The Devil(1978)
デビューアルバムの1曲目。ミッドテンポのドッシリとしたリフがカッコいい。次に来る「爆発」の序章的な立ち位置でもある。邦題がカッコいい。悪魔のハイウェイ。

8.You Really Got Me(1978)
The Kinksのカヴァー。カヴァーなんだが、完全に原曲を喰っている。エディのギターサウンドの破壊力に世界が衝撃を受けた。

7.Unchained(1981)
疾走感のあるヘヴィでテクニカルなリフとキャッチーなサビ、目が覚めるようなギターソロ。Van Halenサウンドの理想形。

6.Panama(1984
Van Halenと言えば「Jump」とこの曲。シンプルと言えばシンプルなんだが、ノリの勝ち。正直曲単体で見たらRattみたいなんだが、そこらへんのレベルの80sバンドとの違いを生み出しているのは、やはりエディのギターサウンドなのだ。

5.Dance The Night Away(1979)
ポップでシンプルながら、やはりリフは天才的。軽やかなメロディながら深みのあるサウンドやコーラスはVan Halenの真骨頂。イントロのゆるいドラムも最高。

4.Jump(1984
バンドの代名詞であるシンセのフレーズはもちろんのこと、ただのポップチューンで終わらせずに凝ったギターソロをぶち込んでくる辺りがにくい。「Van Halenってこの曲だけだろ?」と言われたことがある。ひっぱたいてやった。

3.Eruption(1978)
ギターシーンに革命をもたらしたインスト。この曲が80年代以降のいわゆる「ギターヒーロー」のイメージを決定付け、世界中のギタリストは一気にテクニカルな方面に舵を切ることになった。直接にせよ間接にせよ、今いるロックギタリストはこの曲の影響をだいたい受けている。

2.Hot For Teacher(1984
デイヴ時代のバンドの良いところを凝縮した名ロックチューン。圧巻のイントロはさることながら、妖しげな雰囲気のあるリフとキャッチーなコーラスが爆走する名曲。女子教師に発情する曲。気持ちは分かる。

1.Ain't Talkin' 'Bout Love(1978)
イントロのリフと、終始ヘヴィーな緊張感あるギターサウンドが耳に残る名曲。単純な構成ながら、バンドの表現力が光る。


80年代のアメリカン・ハードロックサウンドを定義付けた伝説的バンド、Van Halen
「Jump」しか知らない、という人も少なくないだろうが、彼らが8000万枚ものアルバムを売り上げたのは数々の歴史に残る名曲を産んできたからだ。
史上最高のギターヒーロー、エディー・ヴァン・ヘイレンがロック史に刻んだ金字塔の数々を改めて振り返ってみてほしい。