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メタリカの名曲20曲ランキング(2021年時点)。

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 影響力、売上、存在感という点を考慮すると、メタリカこそが史上最大のヘヴィメタルバンドである。スラッシュメタルの先駆者であり、90年代以降はヘヴィロックがメインストリームに浸透するための門戸を開く原動力となった。メタリカが居なければ今のヘヴィミュージックシーンはどうなっていたか、想像するのはとても難しい。「Kill' Em All」でのデビューから35年以上。ヘヴィミュージックシーンの絶対王者の名曲20曲を挙げる。

20.All Nightmare Long(2008)
「Death Magnetic」収録。前作『St Anger」に対するファンの酷評を受け、今作「Death Magenetic」については原点回帰のアプローチを試み、これが功を奏した。特にこの曲は、気迫あふれるヴォーカルと壮大なリフが特徴的。メタリカが今世紀にリリースした最高の曲の1つではないだろうか。

19.Whiplash(1983)
「Kill 'Em All」収録。荒々しい疾走感とひたすら刻みまくるリフ、スラッシュメタルの教科書的名曲。今でもライブの定番となっている。

18.Harvester Of Sorrow(1988)
「...And Justice For All」の大胆さと野心を集約した、同アルバムの先行シングルとなった曲。ガンズ・アンド・ローゼズのデビューアルバムに魅了されたラーズは、メタリカが新しいアプローチを取る時が来たと感じていた。やや単調な様にも聞こえるが、容赦の無い尖ったリフは鳥肌もの。

17.Moth Into The Flame(2016)
「Hardwired… To Self-Destruct」収録。比較的好意的に受け入れられた前作「Death Magnetic」から8年間のブランクがあったが、2016年夏にこの曲が先行リリースされると、「ブラック・アルバム」以降最高傑作との評価が浸透した。複雑さはないもののキャッチーかつ強力なヘヴィロック。エイミー・ワインハウスと彼女の依存症との闘いにインスピレーションを受けている。

16.Seek And Destroy(1983)
「Kill Em' All」収録の不朽の名曲。録音のクオリティが悪いが、古典的なリフと、何よりもクリフ・バートンの直感的なリズムが魅力的。それこそが当時のメタリカに取って、他のバンドとの違いを生むファクターXだったのだ。

15.Welcome Home(Sanitarium)(1986)
「Master Of Puppets」収録。「Master Of Puppets」は前作「Ride The Lightning」で確立させた黄金律を色んな意味で進化させている(とうか、微調整している)。この名曲は「Fade To Black」で確立されたスローでな陰鬱なムードをさらに強化。

14.Sad But True(1991)
「ブラック・アルバム」収録。ひたすらヘヴィなタメの利いたリズムと、パワフルなヴォーカルがカッコ良い。聴けば聴くほど味が出るグルーヴィーな名曲。「Enter Sandman」と並んでこのアルバムを象徴するような死ぬほど重いサウンド

13.Disaposable Heroes(1986)
「Master Of Puppets」収録。息もつかせないような縦ノリのリフの嵐とドラマチックな構成力。スラッシュメタル史に残る古典の一つ。ソープランドボーイ。

12.Ride The Lightning(1984
「Ride The Lightning」タイトル曲。グルーヴ感あるノコギリリフが死ぬほどカッコ良い。死、逃れられない運命という重厚なテーマ性も魅力。Halestormによるカバーも個人的には必聴。

11.Blackend(1988)
クリフという偉大な才能を失ったものの、80年代後半のメタリカは勢いは誰にも止められなかった。「Battery」を彷彿とさせつつもさらに曲の幅を広げるたこの名曲は、メタリカがクリフ無しで続けられるだけでなく、より大きなステージへステップアップしていくことを世界に証明した。

10.Nothing Else Matters(1991)
ジェィムズがガールフレンドに宛てて書いたラブソング。ジェイムズ自身は当初この曲はメタリカでやるべきじゃないと考えていたが、ラーズとボブ・ロックがアルバムに取り入れるよう説得。パワフルなギターソロに向かうように構成されたこのバラードは大ヒットとなり、バンドの重要な金字塔となった。ファンやメディアが勝手に作っていた境界線を自ら踏み外し、ヘヴィミュージックを表現する方法が多様であることを世界に証明した。

9.Orion(1986)
「The Call Of Ktulu」と並ぶインストの名作。クリフ・バートンのクラシックミュージックへのリスペクトあふれるこの曲は複雑に織り成されたメロディの結晶。美しく温かさを感じられる傑作であり、リリースからわずか6ヶ月後に亡くなった天才の不滅の遺産でもある。残されたメンバーはこの曲をライブで演奏するのに、20年もの期間を要した。ジェイムズはクリフへの追悼として、この曲ベースの音符を左腕に彫っている。

8.Unforgiven(1991)
「ブラック・アルバム」収録。美しくオーケストレーションされた完璧なメタルバラード。ジェイムズの歌のうまさが至極。

7.One(1988)
地雷を踏んだ歩兵が目を覚ますと、腕も足も五感も、心以外のすべてを失っていることに気づくというやや不気味な反戦ソング。哀愁あふれる前半と容赦ないツインリードの後半、という構成が見事な、メタリカ版「天国への階段」的名曲。

6.Fade To Black(1986)
「Ride The Lightning」収録。その後の「Welcome Home(Sanitarium)」や「One」のベースとなるバラードであり、悲しみに満ちたメロディと正義感に満ちた力強さが見事に融合している。Deep Purpleの「Child In Time」やJudas Priestの「Beyond The Realms Of Death」に匹敵する名曲。そういうのももともとバンドのバックグラウンドにはあったのだろうけど、「Kill' Em All」やるタイミングが無かったのだと思う。

5.Enter Sandman(1991)
「ブラックアルバム」1曲目。90年代以降のヘヴィミュージックを定義付けた影響力絶大な名曲。グルーヴィーなリフ、ジェイムズの歌心あふれるヴォーカル、タメの利いた重すぎるリズム隊のサウンドを、大金でプロデュース。複雑さは無いものの、言うまでもなく最高傑作の一つ。「Now I lay me down to sleep...」とつぶやいている子供はプロデューサー、ボブ・ロックの息子。

4.For Whom The Bell Trolls(1986)
「Ride The Lightning」収録。クリフ・バートンのベースリフを中心に構成されたこの名曲は、暴力の無益さと死の必然性がテーマ。シンプルな曲ながら、90年代以降のメタリカサウンドの原型ともいうべきヘヴィさを体感できる。「速さ」と「重さ」は異なることをメタリカは理解していたのだ。

3.Battery(1986)
「Master Of Puppets」オープニング。中世風のアコースティックのイントロから死角無しのスラッシュチューンへと突入していく。実はサンフランシスコのバッテリー・ストリート444番地にあるライブハウス「オールド・ウォルドーフ」へのオマージュらしい。電池ではない。

2.Creeping Death (1984
「Ride The Lightning」収録。雷のようなリフの連続と嵐のようなドラミング、「Die!Die!」コールなど、メタリカを偉大たらしめている全てをこの曲は表している。近年はライブのオープニング定番曲となっている。

1.Master Of Puppets(1986)
「Master~」タイトルトラック。4人全員によって書かれたこの4楽章の壮大な叙事詩はバンドの芸術性の頂点。ハンマーでぶっ叩くようなイントロからスローな中盤に至るまで、8分半にも及ぶ天才なリフで複雑に構成された名曲。この傑作が世界のメタルシーンに与えたインパクトを表現するのは難しい。


世界最大のヘヴィメタルバンド、メタリカ
現代のヘヴィロックシーンで彼らに影響を受けていないバンドなど存在しないといってもいい。ヘヴィメタルとメインストリームを橋渡しした最大の功労者であり、またスラッシュメタルを芸術に域に昇華させた最初のバンドでもある。改めてその進化の歴史を辿ってみよう。