海外メディアが報じる日本

海外メディアが日本の出来事をどう報じているか?解説付きで日々お届けします

AC/DCの名曲20曲ランキング(2021年時点)。

f:id:mottie024:20201011012122j:plain

スターウォーズのオープニングテーマを聴けば、誰でも高揚する。
緊急地震速報のアラーム音を聴けば、誰でも身構える。
極論を言うと、AC/DCの音楽はそれに近い物だと僕は思う。
どこの国、どの時代の人間でも、このサウンドに体は反応するのではないかと。AC/DCを聴きながら静かに鎮座している方が、人類として不自然なのだ。
頭で聴かなくても、歌詞が分からなくても、骨で感じ取ることができる。
君の人種が何か、ゲイかレズか、障害があるか無いか、鬱か良好か、金持ちか万事金欠か、右翼か左翼か、デブかスリムか、前科ありか無しか、SNSの友達が多いか少ないか、そんな違いはAC/DCのロックサウンドの前では何の意味も無い。AC/DCの音楽は誰にでも平等に一撃を食らわせる。
オーストラリアが産んだ生きる伝説、AC/DCの名曲20曲をランキング化した。


20.Jailbreak(1976)
ミュージック・ビデオも収録した1976年のシングルながら、1984年まではオーストラリア以外で発売されていなかったらしい。5年後に'Back in Black'が世界的ヒットとなり、その時にレコード会社が慌ててEPを発売。以後ライブの定番に。ヘヴィでシンプルな名曲。

19.Rock n' Roll Train(2008)
2000年の「Stiff Upper Lip」以来8年ぶりとなったアルバム「Black Ice」のオープニングトラック。針を落とした瞬間からAC/DC節全開のこの曲をランクインさせたが、今作は「Big Jack」「War Machine」など超強力な曲が複数あるので、飛ばしていた人は必聴。作った当初は「Runaway Train」という曲名だったようで、実際にそう歌っている。

18.If You Want Blood (You’ve Got It) (1979)
ボン・スコットの遺作となった「Highway To Hell」収録。今作は全体的にポップな仕上がりになっていて、なかでもこの曲や「Girl Got Rhythm」は秀逸。前年のライヴ・アルバムからタイトルを引っ張ってきている。アンガスとマルコムのリフはもちろんのこと、クリフのベースの強力なグルーヴが目立つ名曲。

17.Moneytalks(1990)
名作「Razor's Edge」の第一弾シングル。ここ数作、各アルバム1〜2曲収録されがちなキャッチー系の曲。売れ線に走っている訳ではなく、メロディと骨太なリフが心地よく融合している。コーラスのメロディの完成度はバンド随一。

16.Live Wire(1975)
生々しく迫力がある、AC/DCの真骨頂とも言える名曲。ボン・スコット時代は多くのショーのオープニングを飾った。ブライアン加入後はライブで披露されることは無くなった。マルコム・ヤングのリズムが見事。

15.Who Made Who(1986)
映画「Maximum Overdrive」の為に作られた、やや単調で商業的な曲だけど完成度は高いと思う。最初のドラムのサウンドだけで、なぜかAC/DCと分かってしまう辺りはさすが。ドラムとベースから始まり、リズムギター、ボーカル、リードギターの順番でサウンドが完成されていく展開が好き。

14.Sin City(1978)
AC/DCヘヴィメタルと呼ぶかどうかは人によるが、この曲はなかなかヘヴィ。アンガスのソロ、クリフがベースで弾くリフが至極。多分ラスベガス的な街をテーマにしている。

13.Dirty Deeds Done Dirt Cheap(1976)
全体的にはシンプルなAC/DCの曲だが、盛り上がるサビの後の、地を這うような歌声が最高。ライブ映えも〇。ジョーン・ジェットがカバーした。

12.Shoot To Thrill(1980)
「Back in Black」の2曲目。ノリが良くスピード感あふれる100点満点のロックチューン。「Hells Bells」の、奇妙な荘厳さからの流れがパーフェクト。

11.It's A Long Way To The Top(If You Wanna Rock n' Roll)(1975)
ロック賛歌的な初期の代表曲。バグパイプの演奏は、メンバーのルーツでもあるスコットランドに敬意を表したもの。MVが撮影された通りのすぐそばの道に、ACDCレーンという名前が正式に付けられた。

10.Hells Bells(1980)
5,000万枚のセールスを記録し、マイケル・ジャクソンの「Thriller」に次ぐ歴史上2番目に売れたアルバムとなった「Back in Black」のオープ二ング曲。荘厳な鐘の音に続く荒涼としたギターサウンド、ドラムビートから残りのバンドが入ってくるドラマチックな名曲。

9.You Shook Me All Night Long(1980)
「Back in Black」のリードシングルとなったキャッチーで高揚感あふれる名曲。メロディアスなリフと安定したドラムサウンドのバランスが見事。AC/DCの最大のヒット曲となった。

8.For Those About To Rock(We Salute You)(1981)
今でもライブを締めくくる「For Those About To Rock」タイトル曲。「Back in Black」と比べてしまうとやや地味な印象のアルバムだけど、佳曲多し。この曲の転調からの爆発はアンドリュー.W.Kも真っ青な盛り上がり。

7.Riff Raff(1978)
初期の爆走系の名曲。オープニングの緊張感、痛快な縦ノリのリフ、たたみかけるソロ、ボン・スコットの歌メロ、すべてが熱い。ライブアルバム「If You Want Blood You've Got It(邦題ギター殺人事件)』版は必聴。

6.T.N.T.(1975)
「オイ!オイ!オイ!」の名曲。最初聴いた時はこの掛け声がめちゃくちゃダサいと感じたが、今はオモシロに感じている(かっこいいとは思っていない)。抑揚をあえて抑えてズリズリと進んでいく曲の進行は最高にカッコよい。ライブ盤がおすすめ。

5.Highway To Hell(1979)
「Highway To Hell」タイトルトラック、AC/DCを象徴する曲の一つ。超絶シンプルで一度聴いたら忘れないラインを、ロック史に残る名曲にしてしまうのがAC/DCの職人芸。ボン・スコットの集大成とも言える。「地獄へのハイウェイ」は70年代後半のAC/DCの過酷なツアースケジュールのこと。ボン・スコットが亡くなり、若干笑えない感じになっている。ライブ盤の方がおすすめ。

4.Let There Be Rock(1977)
「Let There Be Rock(邦題:ロック魂)」のタイトルトラック。元ネタはもちろん聖書。波のように押し寄せるヘヴィでザクザクなリフ、ヘヴィなベースサウンドにヘドバンせずにはいられない超名曲。長くなるけど、やはりライブ盤がいい。

3.Whole Lotta Rosie(1977)
こちらも「Let There be Rock」収録(このアルバムは実は最高傑作だと個人的には思っている)。AC/DCサウンドというか、ロックンロールという音楽の根源的な魅力がこの曲にはある。つまりこういうことなのだ。この曲の歌詞など誰が気にするだろうか。ノリが良くてカッコ良くて楽しくてライブで盛り上がる曲がロックの到達点なのだ。ガンズが良くカバーする。

2.Thunderstruck(1990)
「Razors Edge」の1曲目。「For Those About To Rock」以降の80年代のAC/DCは、「Blow Up Your Video」「Fly On The Wall」「Flick Of The Switch」と、今一歩なアルバムを出し続けていたが、起死回生の会心作となったのが1990年の「Razor'z Edge」。その1曲目に当たるこの「Thunderstruck」のイントロの衝撃は人類普遍の物。耳にすれば、誰もがこのサウンドに気を取られてしまうはずだ(冒頭で緊急地震速報を例に挙げたのは、この曲を意識しています)。ストーンズの「Start Me Up」と並ぶ、史上最高の1曲目だと思う。ライブ盤がおすすめ(要は全部ライブ盤がおすすめ)。

1.Back in Black(1980)
「Back in Black」タイトルトラック。単純明快であり、だからこそ凄い。華やかなメロディもない、こんなシンプルなぶつ切りの音が、なぜこんなにかっこ良く聴こえるのか?何を加えるかではなく、何を残すか。勢いやノリではごまかせないロックの凄みを感じさせる名曲。


間もなく新作「Power Up」が発売される。
年齢と近年のリリーススパンを考えると、これがラストアルバムとなる可能性は少なくない。マルコム・ヤングはもういないものの、ブライアン・ジョンソンがマイクを取り、アンガスがギターを弾き、ベースにクリフがいて、フィル・ラッドがドラムを叩く。これが大事なことだと思う。
昔からとはいえ、欧米でのそれと比べると、AC/DCの日本での知名度は極端に低い。ジャンルを問わず、音楽を好きだと自認するのならば、AC/DCは聴いておくべきだと思う。ここでいう音楽というのは、洋楽だとかジャズだとか、そんな細かいくくりじゃない。音に反応をする脳を持っているのであれば、という意味だ。
AC/DCは流行とは別次元に存在しているバンドであり、何も革新的なことはしない。
ただ半世紀近く、ロックンロールをやり続けてきただけ。
AC/DCはいつだってAC/DCなのだ。