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ヨーロッパの名曲20曲ランキング(2021年時点)。

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今やハードロック/ヘヴィメタルの中心地となっている北欧だが、その礎を築いたのがヨーロッパだ。
1983年にデビュー、「Seven Doors Hotel」を筆頭としたメロディックメタルと高い演奏力で、まず日本で火がついた。1986年の「The Final Countdown」の世界的ヒットでビッグバンドの仲間入り。その後一度休止するも、2003年に復活して以降はプログレ路線も開拓しつつコンスタントに活動を継続。
というのがだいたいの流れなのだが、要はこのバンドは北欧のメタルゴッドなのである。
緻密に構成されたドラマチックな曲展開、独特の陰りを帯びたメロディアスで叙情的なサウンド、北欧メタルといって人がイメージするサウンドの代表格だ。
北欧メタルの始祖、ヨーロッパの名曲20曲をランキング化した。

20.Always The Pretenders(2006)
復活2作目「Secret Society」収録。ロック好きな人だと、このアルバムジャケットを見れば聞かずとも「お、プログレか」と思うに違いないのだが、今作は哀愁を帯びた大人なメロディックロックで、プログレではない。先行シングルとなったこの曲はヘヴィかつスピード感あるロックチューン。80年代とは全然違うサウンドだが、これはこれでカッコ良い。ジョン・ノーラムのギターは健在。


19.Girl From Lebanon(1991)
「Prisoners In Paradise」収録。初期を彷彿とさせる叙情的なイントロ、哀愁たっぷりギターソロ、ジョーイの表現力と、バンドの魅力が詰まった名曲。バックで静かに流れるキーボードも効果的。


18.War Of Kings(2015)
「War Of Kings」タイトル曲。評価は中程度だと思うが、個人的に全体的にヘヴィでかなり好きなアルバム。こちらはベースのリフを軸に展開されるメロディアスかつグルーヴの強いヘヴィロック。


17.In The Future To Come(1983)
記念すべきデビューアルバムの1曲目。今聴くともろもろショボいところがあるのだが、何よりこの独創性がすごい。哀愁漂う透明感あふれるメロディが荒々しく疾走する、才能を感じさせる曲。ビデオはなかなか香ばしいので貼っておく。よっこらせ、と…


16.Carrie(1986)
「The Final Countdown」収録。古参ハードロックファンからすればこのアルバムは産業ロックなのかもしれないが、それも才能のうち。全米3位の名バラード。


15.Bag Of Bones(2012)
「Bag Of Bones」タイトルトラック。童謡のようなオープニングから、ヘヴィなコーラスへのサビが爽快。スライドギターを弾くのはジョー・ボナマッサ。


14.Superstisious(1988)
「Out Of This World」収録。前作「The Final Countdown」の大衆路線をさらに加速させたという点で賛否両論あったアルバムではあるが、(当時Burrn!誌では点数が「?」となり、数字が付かなかった)、悪いのかと言えばそんなことはなく、むしろいい曲が多い。アルバムの顔となる1曲目にこういうポップな曲を持ってくるという、ハードロック保守層からすればあるまじき行為が反発を呼んだのだと思われる。当時若かった彼らが、レコード会社の意向を跳ね除けることが難しかったのは仕方ないことで、その中でも才能を見せつけられる彼らの才能を
褒めた方がいい。美しいメロディとアカペラ風のコーラス、感涙のギターソロと、名曲です。


13.Hero(2014)
復活作「Start From The Dark」収録。Thin Lizzyのフィル・ライノットに捧げた曲。「Prisoners In Paradise」路線を継承した叙情的なバラードで、シンプルではあるもののなかなか泣ける。


12.Scream Of Anger(1984
「Wings Of Tomorrow」収録。ヨーロッパの最もヘヴィで攻撃的な曲だと思う。Arch Enemyもカヴァーした。ザクザクとしたリフ、シャキッとした(?)リズム隊の疾走もかっこ良い元祖パワーメタル。


11.Let The Good Times Rock(1988)
「Out Of This World」収録。「Superstitious」同様、北欧らしさはなくアメリカ向けなポップチューンなのだが、いいものはいい。耳に残るメロディと爽快なギターが心地よい佳曲。


10.Walk The Earth(2017)
「Walk The Earth」タイトル曲。復活後のヨーロッパのアルバムはほとんど知らない、という人は結構いると思うのだが、聴くならまずはこのアルバムをおすすめしたい。80年代ヨーロッパのサウンドではもちろん無いが、モダンなサウンドと70年代のディープ・パープル風のアイディアが随所に見られ、なかなか胸熱なハードロック作品になっている。こちらはグルーヴ重視のミッドテンポ曲。


9.Halfway To Heaven(1991)
「Prisoners In Paradise」収録。ポップなリフでヨーロッパらしさはあまり無いのだけど、「この曲が一番好きだ」という人を結構知っている。朗らかで北欧ポップロックらしさあふれる佳曲。Last Autumn's Dreamが死ぬほど書いてそうな曲です。


8.Rock The Night(1986)
「The Final Countdown」収録のL.Aメタル風アンセム。何となく、「こういう曲が1曲くらい欲しかったから書いた」感があるのだけど、完成度は高い。


7.Cherokee(1986)
「The Final Countdown」収録。個人的にはこのアルバムで一番好きな曲。なにか意外な展開があったりする訳じゃないが、透明感のあるキーボードとジョーイの歌のうまさが際立つ。ギターソロ〜キーボードソロの流れが鳥肌。


6.On Broken Wings(1984
なぜかアルバムには収録されずシングル「The Final Countdown」のB面として発表された曲。爽快でメロディアスな疾走チューンです。何かのミスで入れ忘れたんじゃないかと思うほどの佳曲。


5.The Final Countdown(1986)
曲としての面白みはそこまで無いと思うのだけど、このインパクトのあるイントロフレーズを思いついた時点で勝ち。ひれ伏すべし。25か国で1位となった。なにより、この曲のヒットによって北欧メタルという存在を世界が認識するようになったことが大きい。世の中にはヨーロッパというのはこの曲だけの一発屋だと思ってる人が結構いるのが恐ろしい。中盤のギターソロは気品があっていい。


4.Dreamer(1984
「Wings Of Tomorrow」収録のピアノバラード。穏やかで温かみのあるメロディが印象的。ギターソロもむせび泣いております。


3.Prisoners In Paradise(1991)
「Prisoners In Paradise」タイトル曲のバラード。誰が何と言おうと圧巻の名曲だと思う。ベスト版だと愚かにも壮大なイントロ部分をガッツリカットしたりしているので、圧倒的絶対的にアルバムバージョンをおすすめしたい。キー・マルセロの温かみのあるギター・プレイ、ジョーイのヴォーカルも絶好調。


2.Stormwind(1984
「Wings Of Tomorrow」収録。ギラギラとしたギターサウンドとリズム感がカッコいい名曲。透明感と哀愁あふれりメロディ、泣かせるギターソロと、北欧メタル真骨頂。


1.Seven Doors Hotel(1983)
デビューアルバム収録。いやでも耳を引く衝撃的なオープニングからカタルシスのサビ部分まで目が覚めるようなメロディ構成がお見事。哀愁、メロディの強力さ、疾走感と100点満点です。IKEAの店内で流すべき。


日本人はどこかのタイミングからか北欧崇拝民族と化したが(アメリカ、イギリス、フランスがベタだと感じ始めた辺りからだと思う)、たいていの人はムーミンIKEAと金髪碧眼、幸福度ランキングしか思い浮かべていない気がする。
北欧が好きだと宣言するのなら、スウェーデンフィンランドの区別くらいはつけてほしい。デンマークは多分あなたがイメージしてる場所には無いということも知っといてほしい。
そして北欧が産んだ偉大なるバンド、ヨーロッパくらいは聴いといてほしい。北欧好きなら教養として知っておくべきだ。
北欧はムーミンとイケア、そしてヘヴィメタルの聖地なのだ。