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ボン・ジョヴィ全18作品解説&ランキング完全版(2021年時点)

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そうだ、ボン・ジョヴィのアルバムをランキングにしてみよう、と思ったのだが、少し考えるとあまり意味がないことに気がついた。
ボン・ジョヴィのアルバムはほぼ全てが傑作か名作と呼べる出来だからだ。もちろん中でも傑出した作品と、全体的にいいよね、という作品くらいの差はあるのだが、これは聴いてもしょうがないよ、というアルバムはほぼ無い。
なので、好きなら全部聴く価値はある、という結論にしかならないのだが、聴く順番の参考程度に、ランキングにしてみた。バンドとしてのオリジナルアルバム以外にもジョンのソロアルバム、未発表曲集も含んでいる。勢いあまって「完全版」と書いてみたものの、何が完全なのかはよく分からない。


18.Burning Bridges(2015)
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代表曲「Saturday Nights Gave Me Sunday Morning」「We Don't Run」「I'm Your Man」「Fingerprints」
2015年、ほとんど何のプロモーションもなしに発売されたアルバム。ギタリストのリッチー・サンボラ脱退後初の作品だ。
最初これを聴いた時はなんだか混乱した。このクオリティのものをジョンが商品として出すはずなど無いのだ。「これって…?」と多くのファンは思ったはずだ。
しかし状況が分かると、「そんなことか」と思う。これはバンドが所属してきたマーキュリー・レコードに対する怒り、そして別れの置き手紙のようなものだったのだ。何の装飾もない茶封筒のようなジャケット、ブックレットも無し。「これで契約上最後のアルバムね。さいなら。」ということなのだ。
「これはファンアルバムだ」とジョンは言っていたが、つまるところ「ファン(なら事情は分かってくれるであろう)アルバム」なのだ。
いくつかの新曲と、「The Circle」時代のボツ曲で構成されている。Nickelback風アンセムの「Saturday Night Gave Me Sunday Morning」、ヘヴィでキャッチーな「We Don't Run」、「We All Fall Down」、「I'm Your Man」、哀愁ある「Fingerprints」などは他のアルバムに入っていても大丈夫な曲。
ただ、強いて「これは飛ばしてもかまわんよ」と言えるアルバムがあるとすればこれだ。
一応れっきとしたオリジナルアルバムという位置付けになっているが、ちょっと微妙なところ。


17. Blaze Of Glory(1990)
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代表曲「Billy Get Your Guns」「Miracle」「Blaze Of Glory」「Never Say Die」
映画「ヤング・ガンズ2」のサントラおよびインスパイアされた楽曲を収録したジョンのソロ作品。前作「New Jersey」に伴う巨大なツアーを終えたバンドは燃え尽き症候群におちいり、解散の危機を迎えていた。いったん全員バンドを離れ、一息入れる必要があったのだ。
映画監督から「西部劇だからWanted Dead Or Aliveを使わせてくれしん」と言われたジョンは気合いを入れ、それ風の新曲を書き下ろして「これを使ってくれ!」と提供。
「Wanted Dead Or Aliveで良かったんだけど…」と監督が思ったかどうかは定かではない。
だからアルバム全体がカウボーイな感じである。しかしやはり西部縛りだと限界があったのか、素晴らしい曲とそこそこの曲が混在している。
ストレートで明るいロックソングの「Billy Get Your Guns」、完璧なメロディアスハードの「Miracle」、大ヒットのタイトル曲、疾走感ある「Never Say Die」などは見事。随所にボン・ジョヴィ節が光りながらも全編ウエスタン調で仕上げるのはさすがの技術。


16.7800° Fahrenheit(1985)
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代表曲「In And Out Of Love」「Only Lonely」「Silent Night」「Tokyo Road」
前年のデビュー作のサウンドを継承しつつ、アンセム調の「In And Out Of Love」やうっとりバラードの「Silent Night」などやや商業路線のサウンドを目指すも、小粒感は否めず。
全体の完成度ではデビュー作の方が高かったと思われる。
まだブレイク前で、一番売れてたのが日本だったこともあり、日本のファンへの感謝の気持ちとして「Tokyo Road」を収録。他には疾走するハードロックチューン「Price Of Love」、キャッチーかつ憂いのある「Only Lonely」、「Hardest Part Is The Night」などは佳曲。
ソングライティング能力の高さは見せるが、やや消化不良なアルバム。


15.100000000 Bon Jovi Fans Can't Be Wrong…(2004)
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代表曲「Edge Of A Broken Heart」「Radio Saved My Life Tonight」「Miss Fourth Of July」「Open All Night」「I Get A Rush」など
驚愕の未発表曲50曲入り5枚組ボックスセット。ゼロの数は合ってるだろうか。「1億人のボンジョヴィファンが間違ってるはずがあるだろうか、いや、ない」という商品だ。アルバム売り上げ1億枚突破を記念して発売された。確か8000円くらいして、当時中3だった僕は1ヶ月分のお小遣いをほぼこれに全振りした記憶がある。
これを聴くとボン・ジョヴィの作曲能力がいかにすさまじいかを思い知る。普通のバンドならアルバムに収録するクオリティの曲ばかり、いや、普通のバンドならベストアルバムに入るであろうクオリティの曲も15曲くらいはある。ここから選抜チームを組めば傑作が一つできる。やってみよう。

〜おれが考えたさいきょうの曲順〜
1.Starting All Over Again
2.Radio Saved My Life Tonight
3.Garageland
4.Edge Of A Broken Heart
5.Miss Fourth Of July
6.Last Chance Train
7.These Arms Are Open All Night
8.Theif Of Hearts
9.I Get A Rush
10.Crazy Love
11.River Runs Dry
12.Every Beat Of My Heart
13.Love Ain't Nothing But A Four Letter Word
14.Open All Night

すごい、すごすぎる。
異論は認めるが、とんでもない傑作が完成した。先行シングルは「Radio Saved My Life Toniht」かな。捨て曲なし、中だるみもなし。
50曲全部聴くのはしんどいわ、という人はよろしければ参考にしてみてください。そんなにおかしくないチョイスと自負しております。


14.What About Now(2013)
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代表曲「Because We Can」「What About Now」「Pictures Of You」「That's What The Water Made Me」「Beautiful World」
14位だから駄作なのかと言えば、そんなことはない。はっきし言ってここからはもう全部名作だ。
このアルバムは古参ファンからはあまり評判が良くないのだけど、それはずばりハードロック色が薄いからだ。だからなんだよ、と僕は思ってしまうのだが、確かにリッチーのギターソロなどは影を潜めていてやや寂しさはある。そしてリッチー最後のアルバムだ。
久しぶりにきたアンセム風アンセムの「Because We Can」、前向き元気印のタイトルトラックや「That's What The Water Made Me」、メロディが美しすぎる「Pictures Of You」や「Who's Left Of Me」、イントロから胸をえぐられる名曲「Beautiful World」、さらにはボーナストラックの「With These Hands」など、目白押しである。


13.Lost Highway(2006)
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代表曲「Lost Highway」「(You Want To)Make A Memory」「We Got It Going On」「Any Other Day」「Till We Ain't Strangers Anymore」など
前作「Have A Nice Day」に収録された「Who Says You Can't Go Home」がカントリーチャートで1位を記録したこともあり、カントリーロックのミニアルバムの製作に着手。するとあれよあれよと曲が書け、もうフルアルバムでいいだろこれ、これが新作です。という流れで作られた。
だから、全体的にオーガニックでカントリーロックサウンドが占めている。
「Lost Highway」「Summertime」「Whole lot Of Leavin'」「Any Other Day」「The Last Night」「I Love This Town」あたりがカントリーロックの佳曲。
「(You Want To) Make A Memory」、Till We Ain't Strangers Anymore」はグッドバラード、「We Got It Going On」は「I'll Sleep When I'm Dead」系のヘヴィでノリの良いパーティーロック。気づいたらライブの定番になってる。
一曲挙げるとしたら、んー、「Any Other Day」。

12.2020(2020)
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代表曲「Do What You Can」「American Reckoning」「Let It Rain」「Blood In The Water」など
昨年発売された今のところ最新作。
もともとはアメリカ大統領選挙が行われる大きな年、という意味で「2020」とタイトルが付けられ、2020年2月頃に発売予定だった。
が、始まってみると2020年というのは思ったよりとんでもない年になってしまい、急遽加筆のため発売を延期、10月に改めて発売された。
これまでのボン・ジョヴィのアルバムとは大きく異なる社会的かつシリアスな作風で、キャッチーさという点を取れば「そこそこ」。
ただ曲に込められたメッセージ性は強烈で、ボブ・ディランマーヴィン・ゲイのそれすら想起させる。
60手前になったジョン・ボン・ジョヴィの進化と挑戦だ。「Do What You Can」「Beautiful Drug」「Let It Rain」などアップビートな曲もちゃんと入っている。


11.This House Is Not For Sale(2016)
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代表曲「This House Is Not For Sale」「Knockout」「Rollercoaster」「God Bless This Mess」「Come On Up To Our House」など
「Burning Bridges」を別にすればリッチー脱退後初となるアルバム。ギタリストにはフィルXが加入。ハードロックなタイトル曲や「Knockout」、キャッチーな「Rollercoaster」「Reunion」「God Bless This Mess」などバラエティに富んだ作品となった。
いい作品なのだが、ジョンのヴォーカルはじめ全体的に加工された感じが残るサウンドが少し気になる。ファンとして率直に言うと、この2016年頃からジョンは高音がほぼ出なくなっている。彼が思い描く楽曲のテイストと、彼の喉の能力との間に少し差が出て苦しそうな印象。
だからこそ、この次のアルバムとなった「2020」の無理をしない歌い方が一つの答えであり、ファンに期待に無理に答えずにその領域に足を踏み込んだジョンの姿に一安心なのである。ずっと絶唱し続けるのはムリよ。
デラックス版には「When We Were Us」「Walls」が収録されているのでそちらがおすすめ。


11.The Circle(2009)
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代表曲「We Weren't Born To Follow」「When We Were Beautiful」「Superman Tonight」「Love's The Only Rule」「Happy Now」など
前作「Lost Highway」とは打って変わりヘヴィさを兼ね備えたハードロック作品。最高傑作の一つとすら言える「We Weren't Born To Follow」、硬派なハードロックの「Work For The Working Man」「Thorn In My Side」、超キャッチーな「Superman Tonight」、「Love's The Only Rule」「Fast Cars」、メロディが美しい「When We Were Beautiful」「Live Before You Die」「Learn To Love」など、ほぼ捨て曲無しの傑作に仕上がっている。


9.These Days(1995)
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代表曲「Something For The Pain」「This Ain't A Love Song」「These Days」「Hearts Breaking Even」「Something To Believe In」など
90年代のボン・ジョヴィは地味でダーク、と言われがちだが、実際にはダークというよりは30代相応に成熟したイメージ。派手さは確かにあまりない。
「You Give Love A Bad Name」や「Bad Medicine」のような過剰な音作りから卒業し、よりオーガニックで曲そのものに焦点を合わせたサウンドで構成されている。いわゆるロックチューンは「Hey God」「Something For The Pain」「Damned」くらいだが、他にも名曲中の名曲「These Days」をはじめ「Hearts Breaking Even」「If Thats What It Takes」「This Ain't A Love Song」「Lie To Me」など名曲が目白押し。全体的に静かめなのに後半に入っててもいい曲ばかりというのがやはりすごい。


8.Destination Anywhere(1997)
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代表曲「Janie Don't You Take Your Love To Town」「Midnight In Chelsea」「Staring At Your Window With A Suitcase In My Hand」「August 7,4,15」
2枚目のソロアルバム。もしボン・ジョヴィ好きで聴いていない人がいたら、必聴の名作。ジョン・ボン・ジョヴィの作曲能力の高さを一番実感できるアルバムではないかと思う。ドラムマシーンの起用などバンドよりも洗練されたサウンドで淡々と進んでいくが、全ていい曲。
グランジ風でありながらキャッチーな「Queen Of New Orleans」「Ugly」、哀愁のメロディが際立つ名曲「Janie Don't You Take Your Love To Town」「Staring At Your Window With A Suitcase In My Hand」、緊張感あるロックソング「August 7, 4 15」などバラエティにも富む。バンドとしてあまりにビッグなのでソロアルバムが目立たないが、圧巻の名盤。


7.Bounce(2002)
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代表曲「Undivided」「Everyday」「Misunderstood」「All About Lovin' You」「Bounce」など
前作「Crush」からわずか2年後、ツアーもしてたのにいつ曲書いたの?と不思議になる早技で作られたアルバム。しかも異様に完成度が高く、Burrn!誌ではこの年のアルバム・オブ・イヤーになった。一応言っておくと、Burrn!誌というのは日本のハードロック/ヘヴィメタル文化とコミュニティを牽引してきた雑誌のことである。ネットがあまり普及していなかった時代、日本のハードロック/メタルファンの多くはこの雑誌を指針としてきたのだ。
2001年の米同時多発テロからの復興がテーマとなっているアルバム。バンドが社会的なメッセージを発信するようになったのはこのころからだ。象徴的なアンセム「Undivided」「Everyday」「Bounce」、名バラード「Joey」「All About Lovin' You」「Right Side Of Wrong」、グラミー賞を獲得した「Misunderstood」、ビールのcmソングになった「The Distance」など捨て曲無しの名盤。
一方、がっつりヒットしたシングルはなく、公式のベストアルバムにはこれまで一曲も収録されていない。でも名盤。


6.Runaway(1984
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記念すべきデビューアルバム。
サウンドは同時代先に売れていたMotley CrueやRattDef Leppardらに近いハードロックそのものなのだが、ほぼ捨て曲なしという辺りすでに才能の高さを見せつけている。
日本では伊藤政則氏が早い段階で発掘しラジオやクラブでプッシュしていったこともあり、Burrn!誌では1984年のブライテスト・ホープになった。また同年西武球場で行われたフェスでバンドは初めてのスタジアム公演を行った。等々、ボン・ジョヴィアメリカ本国より先に日本で先に火がついたバンドだったのだ。
イントロが鮮烈なタイトル曲「夜明けのランナウェイ」はじめ、キャッチーな「Roulette」「She Don't Know Me」「Get Ready」、美メロかつ攻撃敵な名曲「Shot Through The Heart」など目白押しで、ハードロック史に残るデビュー作。


5.Have A Nice Day(2005)
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代表曲「Have A Nice Day」「Welcome To Wherever You Are」「Who Says You Can't Go Home」「Last Man Standing」「Story Of My Life」など
アンセム、元気印のロックチューン、バラードなどバランスの取れた「Bounce」路線を継ぎながら、より暖かみと深みを増した印象がある傑作。日本でもアルバムチャート1位と大ヒットした。新たなアンセム「Have A Nice Day」をはじめ、今やバンド史を代表する名曲の一つとなった「Who Says You Can't Go Home」、暖かみのあるバラード「Welcome To Wherever You Are」「Bells Of Freedom」「Wildflower」、哀愁あるロックチューン「Last Cigarette」「Novocaine」「Story Of My Life」、必殺メロディの「I Am」など、またしても捨て曲無しの名盤。


4.Keep The Faith(1992)
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代表曲「I Believe」「Keep The Faith」「I'll Sleep When I'm Dead」「In These Arms」「Bed Of Roses」「Dry County」など
前作「New Jersey」のツアーが終わり燃え尽きたバンドが、ソロ活動などを経た復活作。
捨て曲無しなのかと言えば、個人的には「普通」の曲も何曲かあるのだけど、それを補ってあまりある名曲たちの素晴らしさがあるのでこの順位になっている。某誌編集長はじめ、これが最高傑作だ、という人も結構いる。
なかでも「In These Arms」「Bed Of Roses」「Dry County」は名曲中の名曲。「In These Arms」は実はデイヴィッド・ブライアン作である。バンドは民主主義体制よりも独裁体制の方がうまくいく、と良く言われるのだが、もう少しデイヴィッドのソングライティング能力を活かせば良かったのにな、と個人的には感じる。デイヴィッドはミュージカルで曲を書きまくっています。「Dry County」は長尺だからかベストアルバムには入らないけど、どう考えても最高傑作の一つです。


3.Slipppery When Wet(1986)
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代表曲「You Give Love A Bad Name」「Livin' On A Prayer」「Wanted Dead Or Alive」「Never Say Goodbye」「Wild In The Streets」など
世間一般的には、「ボンジョヴィの最高傑作」というとこのアルバムを指す。
日本の古参ロックファンは、多分別のジャケットで記憶している人も多いと思うが、一応今流通しているのがこのつまらないジャケットです↑
日本では「ワイルド・イン・ザ・ストリーツ」というタイトルで売られてる。お姉さんのお胸に「滑りやすいから注意!」じゃちょっと妄想はかどるなあ、ということだったんだろう。同感です。うむ↓
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ボン・ジョヴィがブレイクするきっかけになったアルバムであり、3曲の全米1位シングルが入っていて、2000万枚売れたのだから、ボン・ジョヴィを代表するアルバムであることには違いない。そしてもちろん捨て曲なし。
期待されていた若手実力派イケメンバンドが最高の時代に期待通りのアルバム、期待通りのシングル、期待通りのビデオを出した、という運も時代も味方につけた時代の寵児的ヒット作。
今これをオジさんメロハーバンドが出しても、そうはならない。
「Livin' On A Prayer」「You Give Love A Bad Name」「Wanted Dead Or Alive」はじめ、「Let It Rock」「Raise Your Hands」「Never Say Goodbye」「Wild In The Streets」などライブ定番曲めじろ押しの名盤。


2.Crush(2000)
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代表曲「It's My Life」「Thank You For Loving Me」「Just Older」「Captain Crash And The Beauty Queen From Mars」「Mystery Train」「One Wild Night」など
前作「These Days」から5年。ソロ活動を経てリリースされたこの「Crush」はハードロック界全体を覆っていた90年代全体のもやもやした空気を吹き飛ばす会心作。本当は2枚組でも作れたんじゃないかと思うような、才能の風圧すら感じさせるようなソングライティングっぷり。
反射神経で書いたようなアルバム、という感じ。上記代表曲以外もバラエティに富んだ名曲揃いだ。
とりわけ、「It's My Life」のインパクトは数字以上に大きく、ボンジョヴィの大復活を印象付けた。


1.New Jersey(1988)
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代表曲「Lay Your Hands On Me」「Bad Medicine」「Born To Be My Baby」「Blood On Blood」「I'll Be There For You」など
作風的には「Slippey When Wet」の続編、という印象もあるが、一曲一曲の平均点はこちらの方が高いと思う。
当初は2枚組にする予定だったのだが、結局1枚に詰め込むことになったため、曲順はややアンバランスな感じ。メッシとロナウドネイマールレヴァンドフスキとエムバペとケインを揃えてみました、という感じがある。だったら2チーム作れば良かったのに。
この本来あるべきだった2枚組版はのちに発売されています。
要するに、どれがベストアルバムに入っても遜色無いクオリティの名曲揃い、ということだ。
全米1位となった「Bad Medicine「I'll Be There For You」はじめ名曲中の名曲「Born To Be My Baby」「Wild Is The Wind」「Blood On Blood」、名バラードの「Living In Sin」「Stick To Your Guns」など、ボンジョヴィ節の金太郎アメ的アルバムである。


ボン・ジョヴィの何が凄いかと言えば、それはもうシンプルに「いい曲が多い」ことにつきる。
さすがに洋楽好きでボンジョヴィを「イッツマイライフ」の一発屋と思っている人はそんなにいないと思うが、日本人の84%はボンジョヴィを知らない、18%はイッツマイライフしか知らない、というのが僕の感覚値だ。計算が合わないけど。
別にそれでも知ったこっちゃないのだが、せっかくいい曲を理解できる耳を持った人が、「洋楽だから」「流行ってないから」というだけの理由で、これだけの名曲を聞き逃してるのもったいないよなあ、とは思う。
イッツマイライフだけ知ってる、ベストは聴いたことがある、という人にはまず「Crush」か「New Jersy」を推したい。