海外メディアが報じる日本

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Prequelle/ Ghost(2018)

多分、今欧米と日本で最も評価の差が著しいバンドがGhostだ。

日本では最近ようやく名前が知られてきた程度だが、欧米ではフェスのヘッドライナークラスの超大物となっている。メタルを背負って立っているといっていいすぎではない。

とはいうものの。

Ghostのアルバムは全て聴いたが、率直なところ、なぜ欧米でここまでGhostの評価が圧倒的なのか、僕にはあまりピンと来ていない。

素晴らしいアルバムを連発する「とてもいいバンド」だと思うが、フェスのヘッドライナー級、とまではちょっとまだ思えない。良さを理解出来ていない、という訳ではないと思うのだけど・・・。


いずれにしても、HR/HM好きなら、いやロック好きなら、今このGhostというバンドのことは知っておくべきだと思う。

昨年リリースされたアルバム「Prequelle」はMetal Hammer誌で2018年のアルバムオブザイヤーに選ばれ、グラミー賞にもノミネート。しかも今どき、メタルなのに全米チャート3位に入った。



「Rats」のMVを見れば、彼らの妖しい世界観に魅了される理由は分かる。
見た目が白塗りヴォーカルと恐めの金属マスクを被ったメンバーなので、デスメタルブラックメタルかと最初は勘違いするけど(ジャケットも暗黒度100%)音楽的にはメロディを重視したメランコリックなハードロック。
と、一言で片付けたくないほど、Ghostのサウンドは古くて新しい。
1970年代ホラー風のダークな世界観にして妙なセクシーなオシャレさ、そして音楽のキャッチーさ。
今作はこれまでで一番ポップ色が強い。
日本のハードロックファンには響くサウンドだと思うのだけど、なぜここまで日本のレーベルがGhostをスルーしてしまってるのかは分からない。


欧米ではアルバムオブザイヤー筆頭候補の1つであるだけに、曲のクオリティは極めて高い。


切れ味鋭いロックンロール調の「Rats」「Dance Macabre」「Witch Image」、妖しくまったりとした「See The light」「Light Image」、プログレ調のインスト曲など、10曲42分があっという間だ。


多分、欧米と比べると収入が見込めないので今回の来日はないと思う。

Ghostが今の世界のメタルシーンの顔であることは間違いない。まだ聴いたことがないのなら、絶対聴いておいた方がいい。