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ディズニーランド/シー、食券機導入!?


(画像出典:tokyodisneyresort.jp)


5月末〜6月初めの数日間、TDLのパン・ギャラクティック・ピザ・ポートでセルフレジ(事実上の食券機)が試験的に導入されたことで、ネット上では賛否両論になっているらしい。

試験期間中はクレジット使用不可、外国語対応していない状況だったらしいものの、これは本導入の際には改善されるはず。今回の試験導入は現場オペレーションの確認、という感じだと思う。セルフレジ導入でのメリットは2つ。
外国人観光客へのスムーズなサービス対応と、コスト削減。


パークにとっての最大の(というか多分唯一の…)客足の伸びしろは海外からの観光客。なのにキャストのほとんどは英語も出来ないといった状況。一応、脇に英語の指差し資料みたいのは常備されてはいるものの、大抵はパニックになる。僕は英語が出来たのでやたらと重宝された。英語&中国語対応のセルフレジが導入されれば、そこは解決できるだろう。

で、もう一つがリアルな話になってしまうが、コストカット。
機械を導入する最大の利点は、いつだってコストカットなのだ。
オリエンタルランド社も会社である以上、利益を株主に還元しないといけない。それを継続出来ないと、ディズニーリゾートは根本からボロボロになってしまうのだ。


算数。
4つのレジカウンターのうち、1つをセルフレジに変えれば(実際しばらくはそんな感じだと思う)、人員ポストを1つ削減することができる。
時給1,000円だとする。
パンギャラの営業時間は朝9時〜夜22時。8時半〜22時半まで稼働するポストだとすると、14時間。交通費を往復1,000円とすると、このポストにかかる人件費は1日辺り15,000円だ。
そしてご存知の通り、TDRは365日空いている。すると15,000円×365日で、5,475,000円。
実際には人が減ればそれを管理する手間や採用の手間も省けるのでもっと削減金額は大きいのだけど、どうでしょう。

時短期間を考えても、1ポスト減らせば年間500万円の削減になるのだ。
これをランド/シー、例えばそれぞれ15店舗に1機ずつ導入したら500万×30で年間1億5000万円。導入費用は1年でペイできるはずだ。

長くなってしまったが、要は、想像している以上に大きなコストカットになるということ。そんなのは会社の都合であって、僕らには関係ないのだけど、でもそれが結果としてディズニーの永続につながっていくのだ。


確かに、ディズニーはもともとは対人での接客にかなり拘っていた。
大学の時最初に僕がキャストになった2008年時点ではまだ自販機も無くて、初日の研修で
「ディズニーでは対話を大事にしてます。その証拠に、園内にはあるものがありません!何だか分かりますか?」みたいな質問があった気がする。あそこのくだりは今どうしてるんだろうか。
自販機については熱中症対策が理由となってるが、どちらかと言うとスポンサー(確か、キリンとコカ・コーラ)への宣伝協力の意味合いの方が大きいと思う(熱中症対策もウソではないと思う。オリエンタルランドはめちゃくちゃ熱中症対策に気を配る会社だ)。


会社の使命は利益を上げて株主に還元すること。それが出来なければ、ディズニーリゾートだってダメになってしまうのだ。海外観光客にも対応できる、コストカットにもなるセルフレジの導入は、ディズニーには必要だったのだと僕は思う(とか言って日本語だけ、クレジット不可のまんま導入されたら、それはもうあたしゃ知りません)。