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フィル・コリンズの名曲10選。


5大プログレバンドの1つ、ジェネシスのドラム&ヴォーカルとして活動後、ソロでさらなる成功を収めたフィル・コリンズ。CD売り上げは1億5000万枚以上、80年代〜90年代にかけては世界で1番忙しい男とすら言われた。
ただの80年代ポップスター、と思われがちだが、彼はサウンドプロダクションの革新をもたらした先鋭的なアーティストであった。
フィル・コリンズのソロ時代から、名曲10曲をチョイス。彼の天才性を改めて味わってみよう。


1.Easy Lover(1984
フィル・コリンズと言えばこの曲、という印象も強いが、アルバムとしてはEarth, Wind&Fireのフィリップ・ベイリーの「Chinese Wall」に収録されている。このアルバムのプロデューサーを任されていたフィル・コリンズが、ベイリーと共作した。
適度な緊張感を持続しながら展開していくダンサブルなソウル曲で、曲の素晴らしさを際立ているのが全員の演奏。
シンプルながら思いリフを刻むダリル・スティーマーのギターとネーザン・イーストのベース、適度にオーガニックなフィル・コリンズのドラムが生み出す見事なサウンド
シンプルなメロディなのに、何万回も聴いていられる。


2.Son of Man(1999)
ディズニー映画「ターザン」の挿入曲。
ターザンのサントラは基本的にフィル・コリンズマーク・マンシーナの共作。
その中で一番フィル・コリンズ色が強いのがこの曲じゃないかと思う。
サントラに入ってるのが勿体ないくらい素晴らしい曲。
爽快な疾走感のあるメロディとコーラス、そしてまたフィル・コリンズの見事なドラム。フィル・コリンズが超一流のドラマーであることを改めて実感させられるサウンドだ。


3.Two Hearts(1988)
映画「バスター」のサントラ収録。作曲はフィラモント・ドジャー、作詞がフィル・コリンズが作詞。
アメリカ、カナダ、日本で1位を記録した。
フィル・コリンズの源流の1つと言えるモータウンサウンドなソウルポップ。
フィル・コリンズのドラム、キーボードも完璧。


4.Another Day in Paradise(1989)
ソロ時代のフィル・コリンズを象徴する曲の1つ。
フィル・コリンズは明るく朗らかな曲が多いが、これはホームレスについて歌った社会派の曲。
今君が過ごしているパラダイスの様な1日。
同じ日に、それとは全く異なる1日が存在していることを忘れるな。
よく考えろ。
という歌詞。
曲の軸となる、明るいとは言えないキーボードのフレーズが何と言っても印象的。


5.Against All Odds(Take a Look at Me Now)(1984
フィル・コリンズ最大のヒット曲となったパワーバラード。フィル・コリンズのソングライターとしての実力を知らされる名曲。
映画「カリブの熱い夜」の主題歌だけど、映画よりこの曲の方が有名。のちにマライア・キャリーやウェストライフがカヴァーして、それもヒットした。


6.In The Air Tonight(1981)
フィル・コリンズのソロ活動最初のシングルとなった曲。
メロディは超シンプルだけど、凄いのはサウンド。後半からのドラムブレイクは史上最高と言われている。
何かが始まりそうな、ミステリアスな雰囲気が感じられるサウンドプロダクションは、のちのポップミュージックに大きな影響を与えた。
こういう曲は日本ではあまり受けないのかもしれないけど、音楽好きにとってはきっと味わい深いと思う。


7.Sussudio(1985)
サウンドプロダクションにおいてフィル・コリンズはプリンスに近い感性、天才性を持っているような気がするのだけど、この曲のサウンドはプリンスそっくり。ドラムマシンで遊んでたら思いついたらしい。ホルンの入り方もカッコいい。
ノリが非常によく、いかにも80年代な曲。
PVもいい雰囲気なのだけど、本人がめちゃくちゃハゲている。


8.Don't Lose My Number(1985)
歌詞が外部ライターによるもので、フィル・コリンズはその意味をつかみきれなかった。
そのためPVもどういうテーマにすれば良いか分からず、「どういうPVするかを決める過程と、色んなPVのパロディをフィルが演じる」というPVに仕上がった。結果は最高。
曲も疾走感があり素晴らしい。
シンセサイザーやドラムの多様を批判する評論家も多いが、「天才がそれを何を使うと何が出来るか」をフィル・コリンズは示したと思う。


9.One More Night(1984
全米1位になったAOR風のバラード。
「軟弱だ」と批判されがちだけど、そんなことはない。見事な表現力を持ったフィル・コリンズのヴォーカルと、ソウルフルに入ってくるサックスが素晴らしい。コテコテのドラムマシンのサウンドを味があっていい。


10.You'll Be In My Heart(1999)
映画「ターザン」の主題歌にして、フィル・コリンズの代表曲の1つとなった優しく勇敢なバラード。シンプルな構成とメロディに、かすかにジャングルを感じさせるリズム。フィル・コリンズのソングライティングの結晶のような曲。



80年代〜90年代を通じて、サウンドに革新をもたらしつつ、それをポップミュージックの枠内で成立させた天才フィル・コリンズ。作曲センスはもちろんのこと、彼のドラムの能力やプロデューススキルは見過ごされがち。
曲のメロディは何となく知っていても、改めて音を良く聴いてみよう。
フィル・コリンズの天才性が感じられるはず。


現在療養明けで、体の動きはご覧の状態。しかしインタビューなど見る限り、声には張りがあるし、ジョークをガンガン飛ばしたり、気力はまだまだ健在の様子。