ロックは死んだ、と思っているだろうか。
だとしたら、殺り損ねたようだ。
2010年代にも多くの素晴らしいロックバンド達、本物の音楽を追求するロックバンド達が誕生した。
2020年になる前に、2010年代に登場した未来を担うロックバンド達を一旦おさらいしておこう。
日本語の詳しい紹介ページが無いバンドが多いので、気になるバンドが居たらまずはyoutubeで観てみるなりダウンロードしてみるなりしてみていただきたい。ベタベタとリンクは貼らない。
Starcrawler(スタークローラー)
2018年デビュー、アメリカのパンクロックバンド。
ブラックサバス系統の重みのあるグルーヴィーなリフと、性急なパンクロックサウンドの融合、そして女性ヴォーカルのアロウ・デ・ワイルドのライブパフォーマンスにも定評あり。デ・ワイルドの存在感もあって、個人的にはプリテンダーズを少し彷彿とさせる。00年代のギターロック風でもある。来日公演はソールドアウトとなった、注目株。
個人的おすすめ曲
・She Get's Around
・I Love LA
The Struts(ザ・ストラッツ)
2016年デビュー。
劇的かつポップなメロディ展開、フレディー・マーキュリー、スティーブン・タイラーとも形容されるルーク・スピルの圧倒的な存在感。
2枚のアルバムはいずれも非常に完成度が高い。
シングル化されていないが絶賛される「Fire」などは現代版の「Don't Stop Me Now」と言っていいほどの疾走感とドラマチックさ。
ただ、やや似たような曲調のポップロック曲が多く、もう少しバラエティが出ればより良いと思う。
個人的おすすめ曲
・Fire
・Could Have Been Me
Bishop Gunn(ビショップ・ガン)
2018年デビュー。
ブルースをベースにしたクラシックスタイルのロックバンド。
クラシックスタイル、以上にスライドギターとピアノをフィーチャーしたり、意図的にアメリカの郷愁を感じさせる音作りをしているように感じる。
と思ったらもろにツェッペリン風のサウンドだったりゴスペル風のサウンドだったりと結構バラエティに富んでいる。
強いて言えばRival Sonsと同系統かな、と思う。
個人的おすすめ曲
・Bank of The River
・Devil is a Woman
Dorothy(ドロシー)
2016年デビュー。
あくまでもドロシー・マーティンのヴォーカルにフィーチャーしつつも骨太なサウンド、ブルーズを基盤としつつも分かりやすいアンセム風のメロディ。
もっと重いサウンドだけど、シェリル・クロウに近いものを個人的には感じる。
個人的おすすめ曲
・Flawless
・Raise Hell
Tyler Bryant& The Shakedown(タイラー・ブライアント&ザ・シェイクダウン)
2013年デビュー。こちらもブルーズとカントリーをベースにしたルーツロックバンド。ギタリストのグラハム・ウィットフォードはエアロスミスのブラッド・ウィットフォードの息子。キャッチーで則の良い曲も多い。サウンドはオーガニックで、ライブで見るべき、ライブを見てほしくてやってるバンドなのだと感じる。
個人的おすすめ曲
・Heartland
・Lipstick Wonder Woman
The Damn Truth(ザ・ダム・トゥルース)
2010年デビュー。
グルーヴ強めのリフとリズムを軸に展開するロックンロールバンド。キャッチーでありつつも骨太なサウンドに、表現力豊かな女性ヴォーカルというのが新鮮。ノリの良さを前面に押し出している辺りが、ライブバンドとしてのプライドを感じさせる。
個人的オススメ曲
・Broken Blues
・Get With You
Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)
2017年デビュー。
2010年代最大の新人バンドと言っていいだろう。統一感のあるロックンロールサウンドでキャッチーなリフ、美しいバラード、アンセム風の曲など20才ちょっととは思えないソングライディングセンスとパフォーマンスで、すでにアメリカではアリーナクラスを満杯にするほどの人気を誇っている。
個人的オススメ曲
・When The Curtain Falls
・Flower Power
Deafheaven(デフヘブン)
デフヘブンの登場は革新的だった。ヴォーカルの特性からブラックメタル、と最初は位置づけられたが、実際には「ブラックメタルからも影響を受けたロックンロールバンド」だった。スラッシュメタル風の曲、オルタナ風、美メロなど曲調は多彩だが、いずれも聴きやすいということが共通項。新たなクロスオーバーにより誕生した、まさに新時代のロックサウンドだ。
個人的オススメ曲
・You Without End
・Dreamhouse
Scorpion Child(スコーピオン・チャイルド)
2013年デビュー。
Thin lizzyやIron Maiden譲り、と良く形容されるが、個人的にはRainbowに凄く近い音だと思う。レトロかつ重いリフに、プログレッシブさも少しあり、聴いているうちにクセになるスルメサウンド。
個人的オススメ曲
・My Woman in Black
・Polygon of Eyes
Royal Blood(ロイヤル・ブラッド)
2014年デビュー。
2010年代イギリスでデビューしたバンドとして一番大きな成功を収めたのはこのRoyal Bloodだろう。WeezerやMuseを彷彿とさせる知的なリズム感が魅力的。
個人的オススメ曲
・Figure it Out
・Little Monster
Joyous Wolf(ジョイアス・ウルフ)
2019年デビュー。
全ロックファンにオススメできるバンドの1つ。説明不要のキャッチーで豪快なリフとリズム、存在感のあるヴォーカル。10年後に聴いても間違いなくカッコいいと思える普遍的なビッグロックサウンドだ。
個人的オススメ曲
・Had Enough
・Quiet Heart
Sheer Mag(シアー・マグ)
2016年デビュー。
これは最高だ。HeartやRamonesなど、70年代のロックンロールやパンクを彷彿とさせるギターサウンドと、シンディ・ローパー風の一癖ある女性ヴォーカル。ギターメロディに少し哀愁が漂っているのもツボ。ビデオも面白い。
個人的オススメ曲
・Suffer Me
・Just Can't Get Enough
The Shelters(ザ・シェルターズ)
このバンドもエゲツないくらいカッコいい。2016年デビュー。
クラシックなロックンロールスタイルで、トム・ペティやビートルズを思わせるギターサウンドとメロディ。日本受けするサウンドだと思うのだけど、どうだろう。聴いてみてほしい。
個人的オススメ
・Birdwatching
・Rebel Heart
時流はたしかにロックではないが、2010年代は決してロックに取って暗黒の時代ではなかった。
というより、今までとほぼ同じペースでバンドが現れ、同時に消えていった。
所詮ロックンロール。
流行りとは別次元のところで、いつの時代も誰かがガチャガチャと演奏し、誰かが聴くのだ。