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ジョージ・ハリスン、ソロ時代の名曲10選。


ビートルズが解散して一番活き活きしていたのは他でもない、ジョージ・ハリスンだった。ビートルズ時代から実力は認められていたが、2人の世紀の天才の影にはどうしても隠れてしまっていた。エリック・クラプトンボブ・ディランローリング・ストーンズなど交友関係が広く、また新たな楽器や機械の導入を試みるなど創作意欲にあふれた存在だった。
多くのロックアーティストとファンに愛されたジョージ・ハリスンの、ソロ時代の楽曲から10曲をチョイスした。


My Sweet Lord(1970)
ロック史に残る名盤「All Things Must Pass」のリードシングルにして、ソロ時代の最も有名な曲。世界各国で大ヒットを記録した。当時ジョージが傾倒していたヒンドゥー教の神への信仰が歌詞となっている。が、盗作として訴えられ、結局ジョージは賠償金を払っている。

Jody Millerの「He's So Fine」。まあ盗作と言われるのは妥当…。


Isn't it a Pity(1970)
「All Things Must Pass」収録の名曲。
ビートルズ在籍時代に書いていたものの、ビートルズとしては録音を見送ったらしい。結果としてそれは正解だったと思われる。独特の浮遊感と静かなメロディの美しさが、同じフレーズの繰り返しを飽きさせないものにしている。


What is Life(1970)
「All Things Must Pass」収録の高揚感ある名曲。これを聴くと、ジョージに取っては本当にビートルズが解散したのは良かったんだな、と感じる。ビートルズ時代に彼がこの曲を書いても、恐らく収録されなかっただろう(というより、完成までこぎつけなかったのではないかと思う)。


All Things Must Pass(1970)
「All Things Must Pass」今聴いても古くささを感じさせない、感動的なバラード。哀愁漂うジョージの軽いしゃがれ声、後半からのサックスの参加が見事。


Got My Mind Set on You(1987)
ジョージの完全復活を印象付けた名盤「Cloud Nine」からのノリの良いキャッチーなロックチューン。ナイル・ロジャースプロデュース。


Blow Away(1979)
突然異世界に連れていかれるような美しいイントロから、朗らかなサビ。終始哀愁を感じさせるポップな名曲。ジョージのソロの中では、非常にビートルズっぽい曲。


Give Me Love(Give Me Peace on Earth)
イントロのスライドギターはジョージの真骨頂。ポップでありながら哀愁を感じさせるメロディとヴォーカル、美しいピアノ。少しボブ・ディランの曲作りからも影響を受けているように感じる。素晴らしい名曲。


All Those Years Ago(1981)
邦題「過ぎ去りし日々」。もともと、リンゴ・スターのソロに提供しようと曲を準備していたところ、ジョン・レノンが死去。ジョージは歌詞を書き換え、ジョンへのトリビュートを兼ねた歌としてこの曲を発表する。ドラムはリンゴ、バックボーカルにポールが登場している。優しいメロディのロックンロール調の曲。


This Song(1976)
自身の盗作問題をパロディにした歌。明るいグラムロック風のピアノと楽しげなメロディが愉快さを際立たせている。ジョージ自身が監督したPVも楽しくて傑作。


Crackerbox Palace(1977)
邦題「人生の夜明け」。ジョージが尊敬していた俳優のロード・バックリーに捧げた曲。シンプルなポップロックサウンドにこれまたスライドギターでジョージ色を追加。PVはモンティ・パイソンの監督が担当。




「All Things Must Pass」はロック史に残る名盤として知られているが、その後も2001年に亡くなるまで積極的に作曲、ライブ活動を続け、多くの名曲を発表してきたジョージ・ハリスン。彼が本当にその真価を発揮したのは、ビートルズ解散後だったと言っていいだろう。
その才能と明るさで、多くのロックアーティストにリスペクトされ続けた「静かなビートル」のソロ活動の音楽に是非触れてみよう。


「Crackerbox Palace」コメディ風のPV。ジョージの家で撮影された。家というか宮殿…。