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「最高傑作は2ndだったね」なんてことにはきっとならない。

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The Struts/ Young and Dangerous

 

すごいバンド、すごいアルバムだ。しかしちょっと不安なのである。

大衆的かつグラマラスな質の高いロックミュージック、そしてフレディー・マーキュリーともスティーブン・タイラーとも形容されるルーク・スピルの圧倒的なヴォーカルパフォーマンス。スターになるべくして誕生したバンド、という印象がある。

強烈なインパクトを与えたデビューアルバムから3年間、The Who、Guns n' Roses、Foo Fightersといったロックの巨人達のサポートを務め、The Strutsが帰ってきた。

今作には数曲の突出したキラーチューンが存在し、それらはThe Strutsをロックシーンのトップにすら押し上げる原動力になるかもしれない。「Primadonna Like Me」や「In Love With The Camera」の突き抜けたポップさ、「Ashes(part2)」の劇的過ぎる展開、風圧すら感じる様な「Fire(part1)」のテンションの高さ・・・。

期待のバンドが期待通りのアルバムを作ったとも言える。間違いなく今年最高のロックアルバムの一つに挙げられるだろう。

でもちょっとだけ不安なのが。

業界の食い物にされてしまわないか、という点である。具体的に言えば、周囲の人間が彼らによりダンスミュージック的なアプローチを迫ったりしないだろうか、ということである。

The Strutsがダンスミュージックに、などあり得なさそうな話だが(そして僕も6割はそう思っている)、The Strutsに非常に良く似た音楽をやっていたMikaと被って見えてしまうのである。今作に収録されている「In Love With A Camera」などは「Mikaの新曲か」と思うくらい作風が似ている。そのMikaは3rdアルバムで突如オートチューン音楽に移行した(その後現在は従来のポップロック路線にカムバック)。

ポップなアーティストは、売れると得てしてダンスミュージックや現代風R&Bに移行しがちだ(本人がそれを望む望まないに関わらず)。それでうまくいく曲もあったりするのだが、軸を持っていかれてしまうと、ロックファンとしてはとても寂しい。考え過ぎですか。考え過ぎですね。

The Strutsはロックの未来を担うバンドの一つだ。21世紀を代表するモンスターバンドくらいになってほしい。

まずは、来日してほしい。