ビートルズ、ローリングストーンズ、レッド・ツェッペリン、ザ・フー、クイーン、ピンク・フロイド、デヴィッド・ボウイ。
戦後のロック文化はイギリスを中心に形作られたと言っていいだろう。
ハードロックにおいてはレッド・ツェッペリン、ブラック・サバスの誕生、そしてアイアン・メイデン、デフ・レパードを筆頭とするNWOBHMムーブメント。
ハードロック/ヘヴィメタルという音楽を先導したのはいつもイギリスのバンド達だった。
今回は誇り高きロックの聖地、イギリスが産んだ偉大なハードロック/ヘヴィメタルバンドを27リストアップする。
Iron Maiden（アイアン・メイデン）
Judas Priestと並ぶ、ヘヴィメタルというジャンルを象徴する最重要バンド。1980年デビュー以来シーンを牽引し絶大な影響を与えてきた。最新作「The Book of Souls」も傑作。
Def Leppard（デフ・レパード）
Iron Maidenと同じ1980年にデビューしたNWOBHMムーブメントの筆頭。「Pyromania」で80年代ハードロックサウンドの方向を決定付けた。「Hysteria」はロック史に残る名盤。2019年ロックの殿堂入り。
Black Sabbath（ブラック・サバス）
60年代のサイケデリックロックの影響を受けつつも、ダークでヘヴィなリフで革新をもたらした、ヘヴィメタルの始祖的存在。欧米の「偉大なメタルバンドランキング」的なリストではほぼ1位になる。
Deep Purple（ディープ・パープル）
リッチー・ブラックモア擁する70年代を代表するハードロックバンド。「Smoke on The Water」「Highway Star」など誰もが知るリフがなにより有名。日本での人気がとりわけ高い。
Led Zeppelin（レッド・ツェッペリン）
1968年デビュー、ロックに革命的な芸術性をもたらした、ロック史上最も影響力があるバンドの1つ。後のヘヴィメタルの形成にも多大な影響を与えた。2007年に一夜限りの再結成を行った。
Rainbow（レインボー）
リッチー・ブラックモアが1975年にディープ・パープルを脱退し結成。ブラックモア、ロニー・ジェイムズ・ディオ、コージー・パウエルの「三頭政治」、およびジョー・リン・ターナー期が特に知られる。
Ozzy Osbourne（オジー・オズボーン）
「ヘヴィメタルの帝王」。1978年ブラックサバスを脱退しソロ活動に転向。ソロとしても数々の名盤をリリース。ランディ・ローズ、ザック・ワイルドといった天才ギタリスト達を発掘した。「オズボーンズ」はじめテレビ番組にも多く出演し、お茶の間の人気者に。
Judas Priest（ジューダス・プリースト）
Iron Maidenと並びヘヴィメタルシーンを牽引し絶対的な影響を与えてきた「メタルゴッド」。2018年の最新作「Firepower」も大傑作。
Whitesnake（ホワイトスネイク）
1976年、Deep Purpleを脱退したデイヴィッド・カバーデイルが結成。当初はブルーズを基盤としたハードロックを展開していたが、1987年「サーペンス・アルバス」の大成功以降はよりモダンなスタイルに移行。2019年5月に8年ぶりの新作をリリース。
Thin Lizzy（シン・リジイ）
フィル・ライノット率いるアイルランドの伝説的ハードロックバンド。アイルランド音楽を取り入れた独特なツインギターサウンドは後の多くのバンドにも影響を与えた。
Gary Moore（ゲイリー・ムーア）
1974年にThin Lizzyに参加して知名度を上げ、80年代にソロアーティストとして人気を確立した。泣きのギターは「人間国宝」と形容される。
UFO
マイケル・シェンカーを輩出した70年代を代表するハードロックバンドの1つ。ライブ盤「Strangers in The Night」は超名盤。現在結成50周年ツアーを行なっている。
Wishbone Ash（ウィッシュボーン・アッシュ）
後のハードロック/ヘヴィメタル勢に大きな影響を与えたツインギターサウンドで知られる70年代のハードロックバンド。「百眼の巨人アーガス」は歴史的名盤。
Uriah Heep（ユーライア・ヒープ）
70年代にはLed Zeppelin、Deep Purpleと並び称された伝説的バンド。メンバーチェンジを繰り返しながら現在も活動、2018年には新作アルバムをリリースした。
Saxon（サクソン）
Iron Maiden、Def Leppardと並び、1980年代初頭のNWOBHMムーブメントを代表するバンドの1つ。離脱したメンバーがOliver/Dawson Saxonを始動させ、Saxonが2つある状態になってしまっている。
Motorhead（モーターヘッド）
レミー・キルミスター率いる爆走ロックンロールバンド。ヘヴィメタルのみならずロックシーン全体に大きな影響を与えた。2015年レミーの死去により解散。
Praying Mantis（プレイング・マンティス）
NWOBHM代表格。他のバンドとは異なる、叙情的なメロディを押し出したロックサウンドで、日本でも非常に人気が高い。
Venom（ヴェノム）
1981年デビュー。ブラックメタル、エクストリームメタルの始祖的存在。悪魔崇拝や反キリスト教などの歌詞が多いが、サウンド自体は結構聴きやすい。
Cathedral（カテドラル）
リー・ドリアン率いるドゥームメタルバンド。デビュー時は異様に重くて遅いサウンドだったが、徐々にストーナーロック風に移行。2013年解散。
Thunder（サンダー）
英国ハードロックの良心と呼ばれるベテランバンド。今も2年に1枚ペースでアルバムをリリースし、来日公演回数も非常に多い。
Carcass（カーカス）
1993年の名盤「Heartwork」でメロディックデスメタルの基礎を築いたエクストリームメタルバンド。現Arch Enemyのマイケル・アモットが在籍していた。
The Wildhearts（ワイルドハーツ）
天才メロディメーカー、ジンジャー率いるハードロックバンド。爆走風のサウンドにポップなメロディを融合した独特のロックサウンドで日本でも高い人気。
Cradle of Filth（クレイドル・オブ・フィルス）
ダニ・フィルス率いるエクストリームメタルバンド。桁外れな高音ヴォイスと悪魔崇拝などをテーマにした歌詞が多い為ブラックメタルとジャンル分けされることが多いが、「思想は伴っていない」としてダニはこれを否定。
The Darkness（ザ・ダークネス）
2003年に突如現れた、クイーンやAC/DCに影響を受けたクラシックスタイルのハードロックバンド。作品の完成度の高さに加えハイトーンボイスやコミカルなパフォーマンスで世界的人気となった。
The Answer（ジ・アンサー）
2007年デビュー。ブルージーなクラシックロックスタイルで人気のハードロックバンド。
Bullet for My Valentine（ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン）
2005年デビュー。Avenged Sevenfoldらとともに21世紀新世代メタルを代表する存在としてシーンを牽引する。
Dragonforce（ドラゴンフォース）
世界的成功を収めたメロディックスピードメタルバンド。長いギターソロ、極端な音数で独自の領域を切り拓いている。
The Struts（ザ・ストラッツ）
70年代〜80年代の華やかなレトロロックサウンドと現代的なビートの融合。Queen、AC/DC、Def Lepppardを想起させ、それでいてオリジナル。ロック史に名を残すであろうヴォーカリスト、ルーク・スピラー率いるザ・ストラッツは2014年のデビューから3枚のアルバムで、その立場を不動の物にした。21世紀のイギリスが産んだ今のところ最高のハードロック・バンドだ。
Led Zeppelin、Black Sabbathの登場から現在に至るまでハードロック/ヘヴィメタルシーンを形作り、牽引してきたイギリスのバンド達。
彼らの歴史無くして、この音楽を語ることは出来ないのである。
