海外メディアが報じる日本

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BonJoviを最後まで見届けたい。

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Bon Joviは今年ロックの殿堂入りを果たした。少し遅すぎる気もするが、ロックの殿堂なんて国民栄誉賞と同じくらい基準が良く分からないものだし、今さら殿堂入りしたからどうということでもないような気もする。でも「歴史的なバンドである」ことがようやく認められた、ということを本人達や支えてきた人達は心から誇りに思うだろう。

「90年代以降のBonJoviなんて聴いてない」とか「リッチーがいなかったらBonJoviじゃないよね」という人は、実は取り残されているのが自分であることに気付いていない。その人は過去を見ているのかもしれないが、BonJoviは今と未来ばかりを見据えている。BonJoviほど、自分の年齢と向き合いながら音楽を作り続けているバンドはいない。

ジョン・ボンジョヴィもリッチー・サンボラも、貴重なパートナーを失ったと同時に、お互いの呪縛から離れることが出来た、とも言える。「This House is Not For Sale」はジョン・ボンジョヴィがほぼ全曲を作成した傑作「Crush」に近い作風であり、またその「Crush」以降最も素晴らしいアルバムだったと思う。

これはその「This House is Not For Sale」のお披露目も兼ねた完全再現ライブを録音したアルバムだ。率直に言えば、ツアーでもそうだった様に、ジョンのヴォーカルはこれまでより細く、心もとない。しかし他の例がいくらでもあるが、ヴォーカリストは何かのきっかけで復活することがあり、ジョンはきっとそのコツをまた見つけてくれるだろう。楽曲が素晴らしいのは前述の通りである。

BonJoviは世界に先駆けて日本で火が付いた、いわゆる「ビッグインジャパン」の代表格だった。それは日本のリスナーがメロディやハーモニーへの感受性に優れていたからだと思う。世界でグランジムーブメントが巻き起こり下火になった時代も、僕ら日本のファンは熱心にBonJoviを支え続けた。来年2019年にもアルバムのリリースを計画しており、BonJoviは年相応に活動を続けていく。彼らが老いていく様を見届けるのも、また日本のファンであって欲しいと、勝手に思っている。