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デヴィッド・ボウイの名曲20曲ランキング。

ハンサムなルックスや奇抜なメイクなどでポップアイコンとして名高いデヴィッド・ボウイ。しかし彼の一番の偉大さは、やはりその音楽の素晴らしさにある。
ジギー・スターダストからベルリン三部作、そして80年代半ばの華やかさまで、世界で最もリスペクトされ、才能あふれるアーティストの一人だった。
グラム・ロックからジャズ・ファンクエレクトロニカまで、様々なジャンルの音楽を作り上げロックシーンに革新をもたらし続けたデヴィッド・ボウイの名曲20曲をランキング化した。

20.Modern Love(1983)
大ヒットアルバム「Let's Dance」のオープニングチューン。作詞作曲はボウイによるものだが、プロデューサー、ナイル・ロジャーズの力により非常にモダンなサウンドに。70年代の変遷と苦悩を吹く飛ばすかのような、80年代ポップソング。スティービー・レイ・ヴォーンによるギターイントロも良い。


19.Young Americans(1975)
アルバム「Young Americans」タイトルトラック。この作品でボウイはグラムロックと決別し、ソウルミュージックに移行した。賛否両論の時代ではあるものの、この曲を含めいい曲はとても多い。1970年代のアメリカに漂っていた閉塞感を反映した静かで心揺さぶる名曲。


18.Diamond Dogs(1974)
元々はミュージカルの為に書き下ろされたコンセプトアルバムのタイトル曲。グラムロックの良い意味でチープかつ無機質なサウンドが魅力。


17.Station to Station (1976)
「Station To Station」タイトル・トラック。ボウイの実験主義の時代の到来を告げた。鮮やかなギター・ワークと豪華なプロダクションが特徴的な記念碑的楽曲。


16.Fame(1975)
「Young Americans」収録のジョン・レノンとの共作曲。黒人音楽を取り入れ、ファンクサウンドで1位になった。ジョンもバックコーラスで参加。モヤモヤしたサウンドにシンプルなコーラスがカッコいい。


15.Rock n' roll Suicide(1972)
邦題「ロックンロールの自殺者」。ジギーの物語の悲劇的なフィナーレを飾る、シャンソンと50年代のポップ・ミュージックの影響を受けた叙事詩的名曲。


14.Rebel Rebel(1974)
「Diamod Dogs」の先行シングル。シンプルなリフのグラム・ロックチューン。この時ボウイはローリング・ストーンズのメンバーと仲良くなっていて、キース・リチャーズの影響を受けた曲と思われる。


13.Sound and Vision(1977)
「Low」収録。ギターとシンセサイザーによる高揚感のあるインストは70年代という時代に縛られず、時代を超越した魅力を放っている。途中までずっとインストという大胆さも見事で、その実験性こそがボウイの魅力を要約しているのである。


12.Oh You Pretty Things(1971)
「Hunky Dory」収録。こちらもピアノからの静かなオープ二ングがとても良い。サビ以上に、個人的にはブリッジの「All the strangers came today, and they look as though their here to stay」が秀逸。


11.Life on Mars?(1971)
「Hunky Dory」収録。ミック・ロンソンの幻想的なストリングスアレンジに支えられた傑作.。叙情的で力強いメロディーが、鮮やかで詩的なイメージと綺麗に組み合わさっている。「Space Oddity」と並ぶSFアンセム


10.Drive in Saturday(1973)
「Alladin Sane」収録。曲調とタイトルからゆったりした内容の曲と思われがちだが「滅亡後の世界の人類が昔のAVを見て愛する方法を知る」というストーリーのこれまたSF曲。ボウイのシンセサイザーとサックスをフィーチャーしており、歌詞ではミック・ジャガー(「人々がジャガーの目を見つめて得点したとき」)、モデルのツィギー(「彼女はツイッグ・ザ・ワンダー・キッドのようにため息をついた」)、カール・ユング(「技師のユングは仕事中に祈っていた」)の名前も出てくる。


9.Lady Stardust(1972)
「ジギースターダスト」収録。ミック・ロンソンのピアノに後押しされる静かで美しい名曲。大仰なプロダクションにしないところが粋。


8.Ashes to Ashes(1980)
「Scary Monsters (and Super Creeps)」収録。「Space Oddity」の登場人物「トム少佐」が主人公。繊細で内省的なギター・シンセ・ストリングスのサウンドと多層的なヴォーカルが特徴的。


7.Let's Dance(1983)
「Let's Dance」タイトル曲。ボウイとナイル・ロジャースの見事なコンビネーションで仕上げたファンク・ロックの傑作。良い意味であからさまに商業的でもあり、80年代のボウイを代表する大ヒット曲となった。


6.Space Oddity(1969)
David Bowie」収録のボウイの代表曲の一つ。映画『2001年宇宙の旅』にインスパイアされたSF曲。この当時は宇宙がブームだったのだ。この曲が発表された5日後にアポロ11号が打ち上げられ、その5日後に人類は初めて月面着陸。2013年、クリス・ハドフィールド宇宙飛行士が宇宙ステーションでこの曲を歌い、宇宙で撮影された初のMVとなった。


5.Changes(1971)
「Hunky Dory」収録。1971年とは思えないモダンなサウンドの名曲。ケン・スコットのプロデュースとミック・ロンソンの優れたストリングスアレンジ、そしてボウイのサックスとヴォーカルは言うまでもなく、演奏のすべてが見事。ロック・ミュージシャンが伝統や既存のスタンダードに目を向けていた時代に、ボウイは根本的に異なる存在として自分自身を何度も再発明し、新しいスタンダードを生み出していた。メロディックで、嬉々として商業的なポップソング。


4.The Man Who Sold The World(1970)
「The Man Who Sold The World」タイトルトラック。ミック・ロンソンの不気味なリフがベースになっていて、ボウイのヴォーカルは重く心に響く。


3.Heroes(1977)
Heroes」タイトルトラック。東ベルリンと西ベルリンの2人の恋人の物語を描いている。70年代にしてロックとエレクトロを融合させた名曲。メロディーはやや平坦だが、浮遊するような世界観はボウイを象徴するサウンドとも言える。


2.Starman(1972)
「ジギー・スターダスト」収録。ボウイが一気にスターになるきっかけとなった名曲。サビのコーラスは映画「オズの魔法使い」の「Over the Rainbow」をベースにしており、「Starman」の地球外(虹の向こう)を暗示している。ロンソンによるストリングスアレンジも特徴的。


1.Ziggy Stardust(1972)
優しげなヴォーカルやサビもいいのだけど、何と言ってもロンソンのリフとそのひずみ具合。ロンソンのギターの下でボウイはアコースティックを弾いていて、そのことがこの見事なサウンドを形成している。案外サクッと終わってしまうのも心惹かれる。


アーティストとして創作意欲を捨てなかった偉大なるデヴィッド・ボウイ
彼が凄かったのは、どんなに成功しても、リスクを気にせずにそれを捨て去って常に新しい価値を追求し続けたことだ。
デビューしたばかりの頃、彼はインタビューでこう話した。
「ヒット曲が無ければ成り立たないようなキャリアの歌手に、なるつもりはない。」