2002年の「Bounce」(9.11テロと、ニューヨークの復興がテーマだった)以来、ボン・ジョヴィは社会問題への考えを音楽で表現するようになった。戦争、人種差別、ホームレス、権利を奪われた人々…。それはジョン・ボン・ジョヴィが社会に恩返しをしたいと感じ始めたからに他ならない。長年にわたって希望とポジティブなメッセージを広めるための手段としてボン・ジョヴィは音楽を利用してきた。そこに、80年代の様な派手なコーラスやブワーンとしたギターサウンドは不要だった。取り分け2013年の「What About Now」以降はサウンドから派手さや華やかさは徐々に取り除かれていった。
発売延期に伴い、追加されたのは「American Reckoning」「Do What You Can」の2曲。「American Reckoning」は、自分が裕福な白人特権の体現者であることを知っているジョンが、ジョージ・フロイドの殺害にインスパイアされた曲。"I'll never know what it's like to walk a mile in his shoes"「彼の気持ちなど、俺には絶対に分かり得ない」という歌詞は重い。奇妙なほど平易で抒情的、深く険しい声で歌われることで、よりそのメッセージと感情はダイレクトに伝わってくる。敬愛するブルース・スプリングスティーンに影響を受けたと思われるアレンジは見事。
「Do What You Can 」ボーナストラック版では、「Who Says You Can't Go Home」でもデュエットをしたジェニファー・ネットルズが参加している。Covidに正面から向き合い、「Who Says~」以降定番となったカントリーロックスタイルで「ソーシャルディスタンスを保ちつう、今世界はハグを必要としている」と締めくくっている。
緊張感のある "Let It Rain "では、デヴィッド・ブライアンのピアノも冴えわたる。ジョンのソロアルバムと言っていいのだが、オリジナルメンバーのディヴィッドとティコはじめ、フィルX、ヒュー・マクドナルド、エヴェレット・ブラッドリーは長きに渡ってツアーをともにしてきた面々で、この阿吽の呼吸はもはやこのメンバーでしか成り立たないところまで来ている。リッチー・サンボラが戻ってくる穴は、今となっては無いのかもしれないとすら思わせる。
「Lower the Flag 」は2019年8月に起きたオハイオ州での乱射事件について重厚な低温で歌い上げている。名曲「Dry County」のメロディを想起させるバラード「Blood In The Water」はアメリカを取り巻く移民問題を叙事詩に乗せて取り上げている。もちろん、現職大統領を念頭においている。
20.Jailbreak(1976)
ミュージック・ビデオも収録した1976年のシングルながら、1984年まではオーストラリア以外で発売されていなかったらしい。5年後に'Back in Black'が世界的ヒットとなり、その時にレコード会社が慌ててEPを発売。以後ライブの定番に。ヘヴィでシンプルな名曲。
19.Rock n' Roll Train(2008)
2000年の「Stiff Upper Lip」以来8年ぶりとなったアルバム「Black Ice」のオープニングトラック。針を落とした瞬間からAC/DC節全開のこの曲をランクインさせたが、今作は「Big Jack」「War Machine」など超強力な曲が複数あるので、飛ばしていた人は必聴。作った当初は「Runaway Train」という曲名だったようで、実際にそう歌っている。
18.If You Want Blood (You’ve Got It) (1979)
ボン・スコットの遺作となった「Highway To Hell」収録。今作は全体的にポップな仕上がりになっていて、なかでもこの曲や「Girl Got Rhythm」は秀逸。前年のライヴ・アルバムからタイトルを引っ張ってきている。アンガスとマルコムのリフはもちろんのこと、クリフのベースの強力なグルーヴが目立つ名曲。
15.Who Made Who(1986)
映画「Maximum Overdrive」の為に作られた、やや単調で商業的な曲だけど完成度は高いと思う。最初のドラムのサウンドだけで、なぜかAC/DCと分かってしまう辺りはさすが。ドラムとベースから始まり、リズムギター、ボーカル、リードギターの順番でサウンドが完成されていく展開が好き。
12.Shoot To Thrill(1980)
「Back in Black」の2曲目。ノリが良くスピード感あふれる100点満点のロックチューン。「Hells Bells」の、奇妙な荘厳さからの流れがパーフェクト。
11.It's A Long Way To The Top(If You Wanna Rock n' Roll)(1975)
ロック賛歌的な初期の代表曲。バグパイプの演奏は、メンバーのルーツでもあるスコットランドに敬意を表したもの。MVが撮影された通りのすぐそばの道に、ACDCレーンという名前が正式に付けられた。
10.Hells Bells(1980)
5,000万枚のセールスを記録し、マイケル・ジャクソンの「Thriller」に次ぐ歴史上2番目に売れたアルバムとなった「Back in Black」のオープ二ング曲。荘厳な鐘の音に続く荒涼としたギターサウンド、ドラムビートから残りのバンドが入ってくるドラマチックな名曲。
9.You Shook Me All Night Long(1980)
「Back in Black」のリードシングルとなったキャッチーで高揚感あふれる名曲。メロディアスなリフと安定したドラムサウンドのバランスが見事。AC/DCの最大のヒット曲となった。
8.For Those About To Rock(We Salute You)(1981)
今でもライブを締めくくる「For Those About To Rock」タイトル曲。「Back in Black」と比べてしまうとやや地味な印象のアルバムだけど、佳曲多し。この曲の転調からの爆発はアンドリュー.W.Kも真っ青な盛り上がり。
7.Riff Raff(1978)
初期の爆走系の名曲。オープニングの緊張感、痛快な縦ノリのリフ、たたみかけるソロ、ボン・スコットの歌メロ、すべてが熱い。ライブアルバム「If You Want Blood You've Got It(邦題ギター殺人事件)』版は必聴。
5.Highway To Hell(1979)
「Highway To Hell」タイトルトラック、AC/DCを象徴する曲の一つ。超絶シンプルで一度聴いたら忘れないラインを、ロック史に残る名曲にしてしまうのがAC/DCの職人芸。ボン・スコットの集大成とも言える。「地獄へのハイウェイ」は70年代後半のAC/DCの過酷なツアースケジュールのこと。ボン・スコットが亡くなり、若干笑えない感じになっている。ライブ盤の方がおすすめ。
4.Let There Be Rock(1977)
「Let There Be Rock(邦題:ロック魂)」のタイトルトラック。元ネタはもちろん聖書。波のように押し寄せるヘヴィでザクザクなリフ、ヘヴィなベースサウンドにヘドバンせずにはいられない超名曲。長くなるけど、やはりライブ盤がいい。
3.Whole Lotta Rosie(1977)
こちらも「Let There be Rock」収録(このアルバムは実は最高傑作だと個人的には思っている)。AC/DCサウンドというか、ロックンロールという音楽の根源的な魅力がこの曲にはある。つまりこういうことなのだ。この曲の歌詞など誰が気にするだろうか。ノリが良くてカッコ良くて楽しくてライブで盛り上がる曲がロックの到達点なのだ。ガンズが良くカバーする。
2.Thunderstruck(1990)
「Razors Edge」の1曲目。「For Those About To Rock」以降の80年代のAC/DCは、「Blow Up Your Video」「Fly On The Wall」「Flick Of The Switch」と、今一歩なアルバムを出し続けていたが、起死回生の会心作となったのが1990年の「Razor'z Edge」。その1曲目に当たるこの「Thunderstruck」のイントロの衝撃は人類普遍の物。耳にすれば、誰もがこのサウンドに気を取られてしまうはずだ(冒頭で緊急地震速報を例に挙げたのは、この曲を意識しています)。ストーンズの「Start Me Up」と並ぶ、史上最高の1曲目だと思う。ライブ盤がおすすめ(要は全部ライブ盤がおすすめ)。
1.Back in Black(1980)
「Back in Black」タイトルトラック。単純明快であり、だからこそ凄い。華やかなメロディもない、こんなシンプルなぶつ切りの音が、なぜこんなにかっこ良く聴こえるのか?何を加えるかではなく、何を残すか。勢いやノリではごまかせないロックの凄みを感じさせる名曲。
19.Cherish(1989)
「Like a Prayer」収録の、マドンナにしては可愛らしいポップなラブソング。アルバム自体は宗教をテーマにした重厚な雰囲気で、朗らかなのはこの曲くらい。モータウン調の爽快なメロディと歌が非常に魅力的。ビデオでは男のイケメン人魚達に取り囲まれる(その内の一匹とのちにちょっとだけ付き合った)。
18.Drowned World/ Substitute for Love(1998)
名作「Ray of Light」のオープニングトラック。当時マドンナが傾倒していた東洋神学やヨガの影響を大きく受けた神秘的な空気感に包まれたアルバムを象徴する1曲。それでいて聴き手を遠ざけることの無いキャッチーさも兼ね備えている。これまでのマドンナとは一線を画した、地声での歌唱も特徴的。
17.Open Your Heart(1986)
シンプルなポップロックチューン。元々はシンディ・ローパーに提供する為に書かれた曲だが、マドンナが歌うこととなった。独特なパーカッションのリズムと80年代っぽい爽快で分かりやすいコーラスの完成度が高い。「あなたの鍵でこじ開けて」、というのは多分隠喩。
16.What it Feels Like A Girl(2000)
「Music」収録のバラード調エレクトロポップ。静かなメロディの中に憂鬱さや怒りが感じられる。
暴力的と批判されたMVは午後9時以前の放映が禁止された。
この世界が女に取ってどんな場所か分かるか。
20年経った今でもこのメッセージは伝わり切っていない。
14.Frozen(1998)
「Ray of Light」収録。サントラ風のメランコリックなメロディとエレクトロサウンドが見事な傑作。アルバム全体の雰囲気同様、退廃的でスピリチュアルなMVも素晴らしい。
13.Live to Tell(1986)
3rd「True Blue」の第一弾シングル。前作の勢いそのままに出したこのアルバムだが、それまでのちょいエロダンスアイドル風のイメージとは異なる大人風バラードを先行シングルにおいたことで、マドンナはアーティストとして第二段階に入った。神秘性やメッセージ性を押し出したこのアルバムで、マドンナはその影響力をさらに高めることとなった。ヒットしたバラードがあまり多くない中で、この曲をマドンナのキャリア最高のバラードと評するファンは多い。
12.Ray of Light(1998)
「Ray of Light」タイトルトラック。 イギリスのフォークデュオ、Curtiss Maldoonの "Sepheryn "をベースに、疾走感のある見事なダンスチューンに仕上げている。
11.Justify My Love(1990) レニー・クラヴィッツとの共作。SMや同性愛を含むセクシャルな歌詞とビデオが話題になりがちだが、それを差し置いてもいい曲だと思う。重いビートとマドンナのささやくようなヴォーカルが妖しい雰囲気を出している。
9.Crazy For You(1985)
マドンナっぽくないと言えばぽくない、いい意味でThe 80年代の華やかなパワーバラード。カーペンターズの楽曲やマイケル・ジャクソン「Human Nature」の作詞を担当したジョン・ベティスが作曲。ライブ版も最高。MVを見れば分かる通り、どちらかというと体を求めてる内容。
8.Music(2000)
8枚目のアルバム「Music」タイトルトラック。前作「Ray of Light」から作風が大きく変わり、アルバム全体がダンスミュージック路線で構成されている。スティングのライブを観て触発されたマドンナが自身で書き下ろした、音楽に対する賛歌のような内容。賛否あるものの加工されたマドンナのヴォーカルや普遍的なディスコビートが◯。
5.Hung Up(2005)
「Confessions On The Dance Floor」収録。ABBAの「Gimme!Gimme!Gimme!」をサンプリングしたダンスチューン。世界43か国のシングルチャートで1位を獲得し、マドンナ健在を印象付けた。
4.Express Yourself(1989)
「Like A Prayer」収録のダンスアンセム。フェミニズムを全面に打ち出しているという点で最もマドンナらしい曲とも言える。保守的な女性から解放される、という内容のMVも必見。
3.Like A Virgin(1984)
こちらもポップ史に残るアンセム。ビリー・スタインバーグとトム・ケリーが作曲した当初は男性が主人公のバラードだったが、これをナイル・ロジャースが見事にプロデュースし、マドンナの代表曲となった。
2.Material Girl(1984)
「Like A Virgin」収録。タイトルトラックと並んでマドンナを象徴する名曲。軽快で印象的なリズムはジャクソンズの「Can You Feel It」がオリジナル。MVではマリリン・モンローをオマージュ。
1.Like A Prayer(1989)
傑作「Like A Prayer」の力強いタイトル・トラック。マドンナがソングライティングに深く携わり、真の表現者としてキャリアを築き始めたのはこのアルバムから。MVではK.K.Kの十字架や、黒人の牧師にキスをするシーンなどが登場し、バチカンから非難された。そういった経緯を抜きにしても強力なコーラスと、終盤のゴスペルが感動的な名曲。
「Like A Prayer」から30年以上が経った今、世界はマシになったか。いや、それどころか人種差別主義者が世界最高権力者になったり、「黒人の命も大事」という幼児レベルのスローガンを叫ばなければならないほどに、何も変わっていないように思える。
18.And The Cradle Will Rock…(1980)
ギターの様に聞こえるイントロは実はエディがキーボードで出しているサウンドらしい。グルーヴが心地よい骨太ロック曲。
17.Hear About It later(1981)
「戒厳令(Fair Warning)」収録。重みのあるサウンドながらキャッチーなコーラス。こういう、一聴地味に聴こえる作りの曲を華やかに出来るのがエディの凄さでもある。ハードロックの様式美を敷き詰めたような隠れた名曲。サミー・ヘイガー時代にはこういった深みのある曲はあまり無い。
インパクトのある歌声、奇抜なファッション、チャーミングなキャラクター。80年代の洋楽を語る上で避けては通れないのが、シンディ・ローパーだ。「We are The World」でやたら目立っていた女性、として認識している人も多いと思う。あの音楽の神々の中において、10秒足らずのソロパートにも関わらずインパクトを残しているという事実がシンディの存在の特異性を物語っている。
日本とも強い絆で結ばれているシンディ・ローパー。
その全キャリアの名曲20曲をランキング化した。
20.Unconditional Love(1989)
3rdアルバム「A Night to Remember」収録。最初の2枚のコマーシャルなポップミュージックと比べるとこのアルバム以降はシンディの歌のうまさに重きを置いているように感じる。商業的には失敗したものの、良く聴くといい曲が多い。なぜかシングルカットされなかった情熱的なバラード。
19.You Don't Know(1996)
「Sisters of Avalon」のリードトラック。90年代のシンディは迷走期と捉えられがちだが、このアルバムはいい曲が多く、良かった。メロディアスなミッドテンポの曲がで、シンディの歌手としての凄みを感じられる佳作。
18.Hole in My Heart(All The Way to China)(1989)
「A Night to Remember」収録。シンディが主演した映画「Vibes」用に作られた楽曲。キャッチーでスピーディーなポップロックと、まくし立てるようなヴォーカルがインパクト大。多くの人がイメージするシンディのイメージ通りの楽曲。
16.I Don't Want be Your Friend(1989)
「A Night to Remember」収録。この曲はデズモンド・チャイルドのソロアルバム「Discipline」に収録されていて、それがオリジナルだと思っていたのだが、シンディが先だった。劇的で感動的なパワーバラード。
15.I'm Gonna be Strong(1994)
1969年、フランキー・レインが発表した楽曲をシンディの前身バンドBlue Angelがカバー、ソロ独立後の1994年にベストアルバム「Twelve Deadly Cyns」用に再度カバーした楽曲。この1994年版が一番知られていると思う。アカペラ風のアレンジとなっており、シンディの熱い歌声が一番味わえる感動的なナンバー。
14.Sally's Pigeons(1993)
「Hat Full of Stars」収録、シンディ作曲の曲。10代の頃中絶で亡くなった友人について歌っている。静かに穏やかに展開する、サビと呼べるサビが無いように思える内省的な曲だが、メロディは分かりやすい。エルトン・ジョン「Tiny Dancer」のフレーズを含む。
13.When You were Mine(1983)
「She's so Unusual」収録のアップテンポで超分かりやすいポップチューン。1980年のプリンスの曲のカバー。僕はプリンスの大ファンだが、この曲に関してはシンディ・ローパーの方が良くハマっている。
12.Change of Heart(1986)
「True Colors」のオープニングチューン。全体的に緊張感のあるロックサウンドの名曲。バックコーラスはThe Bangles、MVはロンドンのトラファルガー広場で通行人が大勢いる前で撮影された。
11.I Drove All Night(1989)
「A Night to Remember」収録。疾走感のあるサビが印象的なロックチューン。元々はRoy Orbisonの為に作られた曲だったが、彼がリリースする前に亡くなってしまい、結局シンディ版の方が先に世に出た。セリーヌ・ディオンも後に歌ったりしてるのだが、シンディ版が一番サウンドがオーガニックで良い。
9.The Goonies R' Good Enough(1985)
映画「グーニーズ」の音楽ディレクターを任されたシンディがサントラ用に製作した超キャッチーなポップチューン。サウンドは同時代のDuran Duran辺りに通じるものがある。シンディ自身はあまり好きじゃない曲だったらしく、長らくライブでは演奏されなかった。コミカルでカオスなMVは必見。
8.Rain on Me(2008)
「Bring Ya to The Blink」収録。2000年代のシンディはカヴァー集ばかりだったが、この久しぶりのオリジナルアルバムは高評価を得た。全体的に無機質なエレクトロサウンドが占めている中でこの曲はシンディの魅力全開のバラード。
7.She Bop(1983)
「She's So Usual」収録のダンスポップチューン。音は今聴くとだいぶショボいのだけど、バックのシンセやドラムマシーンの音が斬新。女性の自慰行為を連想させる歌詞で、PTA団体PMRCの「最も不快な15曲リスト」に見事選ばれた。
6.Money Changes Everything(1983)
「She's So Unusual」収録、シンディを象徴する曲の一つ。翌年のマドンナの「Material Girl」しかり、「結局男は金よ!」と言ってのける女性がカッコ良いとされた時代だったのかもしれない。今は男なんぞの収入に頼ろうとすること自体がダサいという風潮になってきているので、こういう曲はあまり聴かない。しかもこの曲も実は1979年にThe Brainsというバンドが発表した曲のカバーだ。いずれにせよシンディを、いや80年代を代表するキャッチーなロックチューンの一つ。
5.All Through The Night(1984)
前年ジュレス・シアーが発表した曲のカバーだが、この曲も圧倒的にシンディ版が有名(バックヴォーカルにはジュレス自身が登場している)。シンセサイザーをフィーチャーしたシンプルなサウンドで、シンディの歌の上手さを際立たせている。キャラクターの印象からかシンディを下手ウマだと思っている人が多いが、この人はめちゃくちゃ歌が上手いのだ。
4.Who Let in The Rain(1993)
「Hat Full of Stars」収録のAOR風の感動的なバラード。歌い方は一貫して静かで落ち着いているが、徐々に後ろのサウンドが心地よく華やいでくるのが感動的。素晴らしいメロディを見事にアレンジするとこういうことになる。
3.Girls Just Want to Have Fun(1983)
シンディの代名詞的ナンバーにして、ガールズポップというジャンルを代表するアンセム。ロバート・アザールという歌手が書き、デモ版だけ録音していたのをシンディがカバー。シンセサイザーベースの超キャッチーでややコミカルなサウンド、特徴的な歌声とキャラクターでシンディの名を全米に知らしめた。
1.Time After Time(1983)
ポップス史に残る名曲であり、日本で最も有名な洋楽ナンバーの一つでもあるラブソング。浮遊感のあるシンセサイザーとギター、刻むようなパーカッションサウンドをベースに、感動的なメロディをシンディが歌いあげる。シンプルながら、誰の心にも永遠に刻まれるサビのメロディ。マイルス・デイヴィスもカバーした。
英語が出来れば、少なくとも情報伝達という点においては、もはや国境は存在しなくなる。
ネットや海外メディアでの世界的評判、そしてRed Hot Chili PeppersやGuns n'Rosesと言った巨人達とのツアーを通じて、彼女たちはエンターテイナーとして確固たる評価を手にした。
彼女たちが向かう先に壁は無いのである。
1974年のデビュー以来ヘヴィメタルという音楽ジャンルを牽引し続けてきた鋼鉄神、ジューダス・プリースト。
初期はプログレ寄りのハード・ロックだったが、1978年の「Stained Class」、そして1980年の「British Steel」で、より重厚でスピード感あるヘヴィメタルサウンドを確立。「Defenders of Faith」「Screaming for Vengeance」「Painkiller」等の名作をリリースし、押しも押されもせぬメタルゴッドとして君臨し続けてきた。そのサウンドはデビューから45年経った今も健在。 ヘヴィメタルはどんな音楽か、と聞かれれば、ジューダス・プリーストを聴いてもらえばそれでいい。
我らが鋼鉄神の名曲20曲をランキング化した。
20.Halls of Valhalla(2014)
2014年のアルバム「Redeemer of Souls」は傑作では無いかもしれないが、いい曲が複数収録されている。「Dragonaut」のタイトなロックサウンドも捨てがたいが、このアルバムではやっぱり一番プリーストらしいと思うのはこの曲。2015年の来日公演時、アルバムを聴かずにライブに挑んでしまったのだが、この曲のカッコよさにはブッとんだ。聴いたことがあるような曲、と言えばまあその通り。
18.Judas Rising(2005) ロブ・ハルフォード復活作となった「Angel of Retribution」の幕開けを飾る曲。荘厳なオープニングからの重厚なメロディ展開が感動的。個人的には初めてリアルタイムで聴いたジューダスの曲なので思い入れポイントも加算。「Angel of Retribution」からはこの1曲しかここでは挙げていないが、「Deal with the Devil」「Worth Fighting For」など佳曲多しの良作。あれからさらに14年経ってますます盛んであろうとは、この時知る由なし。
17.Riding on The Wind(1982)
「Screaming for Vengeance」2曲目(トラックリスト上は3曲目だけど事実上は2曲目)。「Electric Eye」から間髪なしで始まる鮮烈なドラムイントロと一気に空気を変えるリフがカッコ良い。ライブ映えもするし、もっと評価されるべき屈指の名曲だと思う。「嵐の出撃」という邦題もパーフェクト。
16.A Touch of Evil(1990)
「Painkiller」収録のバラード。攻撃性全開の同作において、初期ジューダスの叙情性を感じさせる唯一の曲。ヘヴィなリフとギターソロも秀逸。メタルバンドのバラードというと一歩引いてしまう人もいると思うのだけど、この曲はシンプルなメロディで分かりやすい。ライブでも定番曲の一つ。
15.Living After Midnight(1980)
ライブでは終盤に必演のパーティーロック調の佳曲。ひたすらノリの良い曲であり特筆すべき点も別に無いのかもしれないが、こういった曲を大事にする辺りに、彼らがいつの時代もライブの楽しさを重視してきたことが感じられる。ヘヴィメタルもロックンロールの中の1ジャンルに過ぎないことを、メタルゴッド自らが啓蒙してくれてるような気分になる。この曲を批判するメタルオタクがいるとすれば、それはプリーストのライブを体験したことがない人だ。
14.Between The Hammer and The Anvil(1990)
「Painkiller」がプリーストに取って「第2のデビューアルバム」と呼ばれる最大の所以は、ドラマー、スコット・トラヴィスの加入だと思う。彼が加入しなければ、この激烈なサウンドは実現し得なかった。目が覚めるような強烈なリフとリズム、史上最強レベルのロブのシャウト。ギターソロも素晴らしい。この極端なサウンドでありながらも歌心を感じさせるのがロブの本当にすごいところだと思う。徹頭徹尾凄まじい曲ばかりの「Painkiller」の中でも、際立っている曲の一つ。
10.You've Got Another Thing Comin'(1982)
「Screaming for Vengeance」収録のノリの良いハードロックチューン。僕はIron MaidenよりもJudas Priest派なのだけど、それはプリーストがヘヴィメタルの様式美を保ちつつも、あくまでもロックンロールとして格好良いパフォーマンスを大事にし続けていると感じるからだ(メイデンがそうじゃない、ということではないが、この点についてはプリーストに軍配が上がると僕は思う)。ライブで聴くこの曲のカッコ良さは筆舌に尽くしがたい。
9.Hell Bent for Leather(1978)
1978年「Killing Machine」収録の荒々しいスピード感あふれる名曲。ダークな妖しいイントロ、印象的なリフ、ピロピロギターソロと死角なし。ロブがハーレーにまたがったら大抵この曲。
8.Breaking The Law(1980)
「British Steel」収録。重くて速くてカッコ良い、メタル史に残るメインリフが強烈。シュールすぎる迷作MVも必見。
一応貼っておく。
7.Beyond The Realms of Death(1978)
初期の名バラード。哀愁漂う情熱的なヴォーカルメロディ、そしてギターソロが素晴らしく泣ける。徐々にアグレッシブに移行していく展開も見事。
6.Freewheel Burning(1984)
名盤「Defenders of Faith」のオープニングを飾るバンド随一の疾走系アンセム。親しみやすい硬質なリフと爽快なギターソロ、これぞヘヴィメタルの様式美。
5.Jawbreaker(1984)
「Defenders of Faith」の2曲目。他のアルバムでもそうだけど、プリーストは1曲目から2曲目に持っていく流れがうまい。だから本来はアルバムで聴いた方がいい。緊張感を保ちつつドライブするスピーディーかつメロディアスなリフがかっこいい。最後のシャウトも凄まじい。
4.The Hellion〜 Electric Eye(1982)
「Screaming for Vengeance」のオープニングチューン。メタルゴッドにふさわしい、神々しさを感じさせる荘厳なイントロ、キャッチーに刻むリフとどこか機械的な加工がされたロブのヴォーカル。ライブ版の方がかっこいいとは思う。ヘヴィメタル史上最高の1曲目。
3.Victim of Changes(1976)
「Sad Wings of Destiny」収録の初期の名曲。この時はメタル色は薄く、プログレハードなサウンドだった。Black Sabbath風の途轍もなくヘヴィなリフと、見事な曲構成。最初聴いた時は奇妙さが際立っていて意味が分からなかったが、聴いてるうちに、聴き終えたあとの妙な満足感がクセになった。アレンジ力と作曲能力のすごさに驚嘆するばかり。ぜひライブ版で。
1.The Sentinel(1984)
「Defenders of Faith」収録。重々しいイントロから始まるドラマチックな構成は今も全く色あせない。息が詰まるような緊張感と、勇壮なメロディで疾走する曲展開。最後のサビのたたみかけが見事。重く、劇的で、速い。プリースト、いや、ヘヴィメタルの魅力の全てがこの曲に詰まっている。