今の中高生はピンとくるのだろうか、その昔めちゃくちゃ流行り、文化祭で「花」を演奏する子供バンドが続出した、あのORANGE RANGE。洋楽メタル好き、陰キャの権化であった中学生の僕は「オランゲランゲ」と揶揄し、くだらない音楽の代表格だとレッテル貼りをしていた。中2病だったからしょうがない。
そのORANGE RANGEが昨年夏にリリースした11枚目のアルバム「Eleven Piece」が、大変素晴らしいロックアルバムなのだ。そして驚くべきことに、捨て曲がない。1曲2曲試しに聴いてみようか、とダウンロードしたつもりが、最後まで通しで聴けてしまった。打ち込みとバンドサウンドの曲を交互に収録した実験的な内容。ジャンルレス、というべきか、ミクスチャーロックはこうあるべきだと僕は感じた。ポップあり、パンクあり、ラップあり、バラードあり、エレクトロあり、沖縄あり。あらゆる音楽を詰め込みながら、それでいてバランスが取れていてキャッチーなので、楽しく聴けてしまう。騙されたと思って、かつてORANGE RANGEをバカにしてた人にも是非聴いてほしい。
テレビにたくさん出たり、ドラマの主題歌を「歌わされたり」してないから「消えた」、と判断するのは誤りだと思う。むしろ逆だ。メジャー事務所から脱退したORANGE RANGEは、好きな音楽を存分制作する自由を手にした。結果、今の彼らは流行っていた頃よりもはるかに良質な音楽を作り、史上最高に輝いている。
