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パーティー野郎の新作。

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血湧き肉踊る激情熱烈パーティーミュージックで知られるアンドリューW.Kだが、あれは本気なのかふざけてるのか、と思っていたロックファンは少なくないんじゃないか。2018年発売のアンドリューW.K9年ぶりのアルバム「You're Not Alone」を聴けばその答えは明らかだ。彼は本気なのである。ぶっ飛んだポジティブさを詰めこんだあの音楽は、彼の人生賛歌なのだ。

このアルバムには音楽ではない、彼の「朗読トラック」が収録されている。

10トラック目の「In Your Darkest Moments」はこうだ。「つらい時は、必ず切り抜けられるということを忘れるな。これまで君が実際に苦難を切り抜けたきたことを思い出すんだ。そしてこれから更なる挑戦が君を待ち受け、同時に更なる報酬があることを認識するんだ。こういったことは、全て人生の一部だ。こういうアップダウンは僕らを傷つけるのではない。人生というジェットコースターをさらに面白く、スペクタクルな物にしてくれるのだ。僕たちは心の奥底で、簡単な人生なんかではなく、圧巻の人生を欲している。人生における暗闇や陰は僕らの敵ではない。昼と夜があるのと同じくらい自然なことだ。陰は悪くない。明かりが陰を作っているだけのことだ。僕らの冒険は、人生の暗闇をやっつけることではない。闇と、手を携えることなのだ。」

ただこれを朗読するだけ。多分、音楽に落とし込め切れなかったメッセージを純粋に言葉で伝えたんだと思う。それはそれでありだ。アーティストは伝えたいことを好きな手段で伝えればいい。収録曲のサウンドはこれまで通り、骨に直接響いてくるようなキャッチーさで、オペラのサントラかと思うほど壮大だ。上記の様なあふれんばかりのメッセージ性を添えられると、もはや宗教歌にすら聴こえてくる。しかしこれは謎の鼻血パーティー野郎と思われていたアンドリューW.Kの、心からのメッセージなのだ。

音が付いてる分、自己啓発本より啓発的である(謎理論)。

めちゃくちゃ再生回数が少ないようなので、奮ってご閲覧下さい。↓