欧米で「最も偉大なメタルバンド」「最も偉大なメタルアルバム」みたいな特集をやると、ほぼ百発百中でブラックサバスがトップに来る。日本だと、あまりそうはならない。理由は良く分からないが、多分リズムを重視するかメロディを重視するか、といったところじゃないかと思う。もちろんそんな単純じゃないだろうけど。
ストーナーロックは、欧米（特にアメリカ）と日本での温度差が最も強いジャンルの一つだ。その特徴はブラックサバス直系のグルーブの強さと激しいブルースロックサウンドで、Monster Magnetはその代表的バンドの一つだ。「モンスターマグネット」ってバンド名が締まり良くて好き。好きなバンド名ベスト5くらいには入る。
11枚目の今作はMonster Magnetの一番カッコいい状態の金太郎飴で、集大成的な作品になっている。集大成っていってもバンドはまだまだ続くんだろうが。タイトルの「Mindfucker」はトランプ大統領のことらしい。いいぞ。
Monster Magnetはグルーヴ感の強さや骨太サウンドの中に、パンク色やポップさが散りばめられているのがとてもいい。いわゆるストーナーロックの中では、もっと根本にある、ロックンロールのノリを大事にしているバンドで、とても聴きやすい。だからブラックサバス系の音楽が苦手な人には最初にオススメしたいバンドなのだ。
30年近い歴史を持ちながら、日本での人気はまだまだ。「明るいブラックサバス」というのは単純化しすぎだけど、それくらいのノリで是非一度聴いてみてほしい。音はもう10個くらい上げていい。
