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死去から10年。マイケル・ジャクソン全アルバムを採点、ランキング化。

f:id:mottie024:20190109194839j:plain時が経つのは早い。
マイケル・ジャクソンが亡くなってから、今年で10年である。あの時小5だった子は今年ハタチ、あの時46才だったおじさんは56才のおじさんに成長したことだろう。
ご存知の通り、マイケル・ジャクソンモータウンを卒業し1979年にエピックに移籍してから本格的にソロキャリアを歩み始め、6枚のスタジオアルバムをリリースした。そして死後、未発表音源をもとに2枚のアルバムが新たにリリースされた。それらを勝手に主観でランク付けしてみた。偉そうに、採点もつけた。


8.Michael(2010)70点
亡くなった1年後にリリースされた、死後アルバム第一弾。曲のクオリティは正規アルバムには遠く及ばない気はするが、「Hollywood Tonight」や「(I Like)The Way You Love Me」はとてもいい曲だと思う。勿論マイケルのヴォーカルは極上。生前はマイケル自身が携わっていたサウンドプロダクションがここでは後づけとなっているので、純粋にマイケルの作品だとは言えないのかもしれないが、加工を加えたこと自体はいいと思う。多分マイケルでもそうしただろう。ただし偽物ヴォーカルはダメだ。「Monster」とか「誰・・・?」レベルになるとさすがに厳しい。


7.Xscape(2014)76点
前作「Michael」と違い、オリジナル音源もまるっと付けてくれているのがありがたい。オリジナルはこれで、これをこうリミックスしました、というスタンスは誠実だと思う。そのリミックス自体も原曲の軸を壊さずに作っていて、とても分かりやすい。楽曲自体は前作同様、正規スタジオアルバムには及ばないもの、ジョニー・マティスへの提供曲のセルフ・カバー「Love Never Felt So Good」をはじめ、マイケル作曲による楽曲がメインとなっている為、マイケルファンなら聴かない理由は無いと思う。「Slave to the Rhythm」もいい曲。


6.HIStory(1995)88点
1枚目がベスト盤、2枚目が新作の2枚組。ベスト盤のおまけではなく、「ベスト盤がおまけに付いている新作」です。どう考えても。数年前にハロウィン絡みで話題になったジャネットとのデュエット「Scream」、後期マイケル・ジャクソンのお手本のような曲「They Don't Care About Us」、名バラード「You are not Alone」、「Earth Song」など名曲も収録。


5.Invincible(2001)89点
生前最後のアルバム。良く考えたらこれをリリースした時マイケルはまだ43才だったのだ。全然若い。このアルバムでは完璧に構築されたサウンドプロダクションでマイケルのヴォーカルの美しさやリズム感を強化できている(その加工感がうっとおしい、という人も中にはいると思う)。突き抜けた天才的ダンスソング「You Rock My World」を収録しているものの、どちらかというとバラード中心。これを最高傑作に挙げる玄人も、たまにいる。マイケルの声を楽しみなら今作かと思います。


4.Dangerous(1991)93点
ここからは押しも押されもせぬ傑作群。今作はクインシー・ジョーンズのプロデュースから卒業し、ある意味マイケルが最もやりたかった音楽が最高の形で凝縮されているアルバム。ヒップホップの要素を取り入れつつも大衆的なサウンドに仕上げる辺り、マイケルがポップの王様である所以の一つ。M.Cハマーに浮かれていた世界に再び衝撃をもたらした。長く録音できるCD普及の影響もあり、若干間延びしているのが玉に傷。「Jam」「Remember The Time」か「Heal The World」「Black or White」「Will You be There」など収録。


3.Bad(1987)95点
ここらへんまで来るともはや順位は「人による」としか言いようがないが、僕はこれが3位、「Off the Wall」が2位。今作からは全米1位のシングルが5枚出た。1位が5枚ってどういう状況なのか良く分からないが、多分順番に1位になったんでしょう。アルバムの曲は全てマイケルが作曲、約60曲書き上げ、33曲レコーディングしたらしい。70年代のスティービーワンダーや80年代のプリンスに匹敵する天才っぷり。楽曲の素晴らしさもさることながら、この頃からダンスも人間離れしていく。「Bad」「The Way You Make Me Feel」「Man in the Mirror」「Smooth Criminal」「Dirty Diana」など収録。


2.Off The Wall(1979)97点
モータウン時代とは変わり、マイケルが作曲に携わりだしたのが今作。名曲「Don't Stop Til' you Get Enough」はマイケルの手による。声や歌詞に少年時代からの成長が見られ、ソウルとR&B、ディスコサウンドを完璧に融合したマイケルのポップサウンドが誕生した。「Thriller」「Bad」ほど目立たないが、アルバムとしての完成度は匹敵する。「Don't Stop Til You Get Enough」「Rock With You」「Working Day and Night」「Off The Wall」「She's Out of My life」など収録。


1.Thriller(1982)99点
言わずと知れた人類史上最も売れたアルバム。6500万枚売れたということになっている。ちなみに82年の世界人口は46億人だ。今が75億人なので、同比率でいくと今なら1億500万枚売った計算になる。売り上げ枚数より世界人口の増え方の方が怖い。「Wanna be Startin' Somethin'」はストーンズの「Start Me Up」と並んで個人的には「最高の1曲目」。このシンセサイザーの音は未だにゾクゾクする。「Billy Jean」「Thriller」「Beat it」の上位打線はあまりにも聴きすぎてしまったこともあり今聴いて「新鮮だ!」とはもはや思えない境地になっているが、ポールとの至高のポップチューン「The Girl is Mine」や「P.Y.T」と言った負けず劣らずの名曲も収録されていて、まさにパーフェクト。9曲というのがちょっと物足りない。


完全に主観でのランク付けとなってしまったが、ポップ史を塗り替えた天才の死から今年で10年。普段はベストやお気に入りの曲だけかもしれないが、たまにはアルバム単位でマイケルの天才ぶりを振り返ってみるのも良いと思われます。