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フランス最大のロックバンド、「Gojira」をオススメしたい理由。

f:id:mottie024:20190109211043j:plainフランスのロックバンドを、1つでも挙げることが出来るだろうか?
多分、ほとんどの人は1つも挙げられないと思う。僕もほとんど分からない。
フランスのロックバンドはそもそもほとんど世界進出をしない。理由は良く分からないけど、多分フランス語に固執する傾向があるからだと思う。
フランスのロックバンドと言えば、アントシーヌ、カオマ、BBブリュンヌなどがいる。
どうだ、知らないだろう。
ちなみにロック以外だとダフトパンクジプシー・キングスはフランス。

そんな中で珍しくインターナショナルな活躍を見せているのが2001年にデビューした「Gojira(ゴジラ)」だ。
もちろんあのゴジラがバンド名の由来。
ジャンル的に扱いにくいからだと思うが、このバンドに対する評価の日本と欧米の温度差はすごい。Gojiraは超大物なのだ。

彼らのジャンルは「プログレッシブメタル」。
洋楽で、イギリスでもアメリカでもないフランスで、しかもメタルで、プログレで、なんて聴くわけねーだろ、と思われそうだが、敢えて数段飛ばしでGojiraを聴いてみてほしいのだ。いきなりGojiraだ。なぜなら彼らの音楽は誰にも似ていないからだ。
強く重いグルーヴ、複雑なリフ構成、超絶リズム。
バンドで楽器を演奏している人は興味がなくても一聴しておいた方が良いと思われる。Gojiraの演奏力は同ジャンルの中でも抜きん出ていて、世界最高レベルだ。
Gojiraのやっている音楽は複雑でこそあるものの、難解ではない。特に2016年の最新アルバム「Magma」は、多くの人に聴いてもらえるように、敢えて曲が短く作られている。
数回聴き流せば、「ああ、こういう構成だったのか」と分かる程度のものだ。
しょせん音楽なのだ。
プログレを聴いたことが無い人にも、プログレは全然分からん・・・という人にも、Gojiraはオススメだ。

死去から10年。マイケル・ジャクソン全アルバムを採点、ランキング化。

f:id:mottie024:20190109194839j:plain時が経つのは早い。
マイケル・ジャクソンが亡くなってから、今年で10年である。あの時小5だった子は今年ハタチ、あの時46才だったおじさんは56才のおじさんに成長したことだろう。
ご存知の通り、マイケル・ジャクソンモータウンを卒業し1979年にエピックに移籍してから本格的にソロキャリアを歩み始め、6枚のスタジオアルバムをリリースした。そして死後、未発表音源をもとに2枚のアルバムが新たにリリースされた。それらを勝手に主観でランク付けしてみた。偉そうに、採点もつけた。


8.Michael(2010)70点
亡くなった1年後にリリースされた、死後アルバム第一弾。曲のクオリティは正規アルバムには遠く及ばない気はするが、「Hollywood Tonight」や「(I Like)The Way You Love Me」はとてもいい曲だと思う。勿論マイケルのヴォーカルは極上。生前はマイケル自身が携わっていたサウンドプロダクションがここでは後づけとなっているので、純粋にマイケルの作品だとは言えないのかもしれないが、加工を加えたこと自体はいいと思う。多分マイケルでもそうしただろう。ただし偽物ヴォーカルはダメだ。「Monster」とか「誰・・・?」レベルになるとさすがに厳しい。


7.Xscape(2014)76点
前作「Michael」と違い、オリジナル音源もまるっと付けてくれているのがありがたい。オリジナルはこれで、これをこうリミックスしました、というスタンスは誠実だと思う。そのリミックス自体も原曲の軸を壊さずに作っていて、とても分かりやすい。楽曲自体は前作同様、正規スタジオアルバムには及ばないもの、ジョニー・マティスへの提供曲のセルフ・カバー「Love Never Felt So Good」をはじめ、マイケル作曲による楽曲がメインとなっている為、マイケルファンなら聴かない理由は無いと思う。「Slave to the Rhythm」もいい曲。


6.HIStory(1995)88点
1枚目がベスト盤、2枚目が新作の2枚組。ベスト盤のおまけではなく、「ベスト盤がおまけに付いている新作」です。どう考えても。数年前にハロウィン絡みで話題になったジャネットとのデュエット「Scream」、後期マイケル・ジャクソンのお手本のような曲「They Don't Care About Us」、名バラード「You are not Alone」、「Earth Song」など名曲も収録。


5.Invincible(2001)89点
生前最後のアルバム。良く考えたらこれをリリースした時マイケルはまだ43才だったのだ。全然若い。このアルバムでは完璧に構築されたサウンドプロダクションでマイケルのヴォーカルの美しさやリズム感を強化できている(その加工感がうっとおしい、という人も中にはいると思う)。突き抜けた天才的ダンスソング「You Rock My World」を収録しているものの、どちらかというとバラード中心。これを最高傑作に挙げる玄人も、たまにいる。マイケルの声を楽しみなら今作かと思います。


4.Dangerous(1991)93点
ここからは押しも押されもせぬ傑作群。今作はクインシー・ジョーンズのプロデュースから卒業し、ある意味マイケルが最もやりたかった音楽が最高の形で凝縮されているアルバム。ヒップホップの要素を取り入れつつも大衆的なサウンドに仕上げる辺り、マイケルがポップの王様である所以の一つ。M.Cハマーに浮かれていた世界に再び衝撃をもたらした。長く録音できるCD普及の影響もあり、若干間延びしているのが玉に傷。「Jam」「Remember The Time」か「Heal The World」「Black or White」「Will You be There」など収録。


3.Bad(1987)95点
ここらへんまで来るともはや順位は「人による」としか言いようがないが、僕はこれが3位、「Off the Wall」が2位。今作からは全米1位のシングルが5枚出た。1位が5枚ってどういう状況なのか良く分からないが、多分順番に1位になったんでしょう。アルバムの曲は全てマイケルが作曲、約60曲書き上げ、33曲レコーディングしたらしい。70年代のスティービーワンダーや80年代のプリンスに匹敵する天才っぷり。楽曲の素晴らしさもさることながら、この頃からダンスも人間離れしていく。「Bad」「The Way You Make Me Feel」「Man in the Mirror」「Smooth Criminal」「Dirty Diana」など収録。


2.Off The Wall(1979)97点
モータウン時代とは変わり、マイケルが作曲に携わりだしたのが今作。名曲「Don't Stop Til' you Get Enough」はマイケルの手による。声や歌詞に少年時代からの成長が見られ、ソウルとR&B、ディスコサウンドを完璧に融合したマイケルのポップサウンドが誕生した。「Thriller」「Bad」ほど目立たないが、アルバムとしての完成度は匹敵する。「Don't Stop Til You Get Enough」「Rock With You」「Working Day and Night」「Off The Wall」「She's Out of My life」など収録。


1.Thriller(1982)99点
言わずと知れた人類史上最も売れたアルバム。6500万枚売れたということになっている。ちなみに82年の世界人口は46億人だ。今が75億人なので、同比率でいくと今なら1億500万枚売った計算になる。売り上げ枚数より世界人口の増え方の方が怖い。「Wanna be Startin' Somethin'」はストーンズの「Start Me Up」と並んで個人的には「最高の1曲目」。このシンセサイザーの音は未だにゾクゾクする。「Billy Jean」「Thriller」「Beat it」の上位打線はあまりにも聴きすぎてしまったこともあり今聴いて「新鮮だ!」とはもはや思えない境地になっているが、ポールとの至高のポップチューン「The Girl is Mine」や「P.Y.T」と言った負けず劣らずの名曲も収録されていて、まさにパーフェクト。9曲というのがちょっと物足りない。


完全に主観でのランク付けとなってしまったが、ポップ史を塗り替えた天才の死から今年で10年。普段はベストやお気に入りの曲だけかもしれないが、たまにはアルバム単位でマイケルの天才ぶりを振り返ってみるのも良いと思われます。

Guns n'rosesは2019年に新作を作りそうな気配。

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まさか実現するなんて思っていなかったスラッシュ、ダフとの再結成ツアーは音楽史上2番目の記録となる630億円の収入を叩き出し、先月終了した。
ツアー最後の公演を終えたあと、ツアーマネージャーのFernando Lebeisは「The End・・・?(おしまい・・・?」と記載したアクセルの後ろ姿の写真を投稿した。

オリジナルメンバーの再結成が、ここまでの成功をおさめるとは誰も予想していなかったと思う。普通に考えれば、メンバーもレコード会社も、このビジネスチャンスを逃しはしないだろう。これでこの再結成はおしまい、とはならない。どう考えてもだ。
もう一度ツアーをすればまた数百億円の収入が見込める。ツアーを成功させるには、言い訳としてでもアルバムを出しておくべきだ。

アルバムの素材はすでに揃っている、との見方が濃厚だ。
アクセルやスラッシュは今のところ「何が起こるかは分からないね」というスタンスの発言しかしていないが、リチャード・フォータスはニューアルバムについて「思ったより早く聴けるんじゃないかな。」とも発言している。

スラッシュには、充分うまく行っているマイルス・ケネディーとのプロジェクトもある。これをないがしろにするつもりはさらさら無いだろうが、しばらくブレイクを取る可能性はあるだろう。ソロプロジェクトのツアーはライブハウスクラスだが、ガンズはスタジアムクラスを埋めることが出来る。相方のマイルス・ケネディーもAlterbridgeや自身のソロ活動があり、スラッシュとのプロジェクトに固執する理由はあまり無い。


それぞれの事情はあるにせよ、
・少し手を加えれば完成させられる状況であること
・アルバムを出せばまた数百億円の収入を見込めるツアーが出来ること
を考慮すると、まだガンズ熱が冷め止まない2019年中に新作を出す、というのが妥当に思える。
もちろんガンズのことなので何があるかは最後まで分からないが、「Chines Democracy」から10年以上が経った今年、彼らの新しい音楽を聞けることを祈るばかり。
56才となったアクセル・ローズ、今年が正念場ではないだろうか。

リジー・ヘイルのお話。

ボヘミアンラプソディーを観てパフォーマンスに鳥肌が立った、泣いた、というのならば、そこで終わるのは絶対にもったいない。正真正銘のロックスターは現在にも存在する。その筆頭に挙げられるのが、リジー・ヘイルだ。

2009年にHalestormとしてデビュー、2012年には楽曲「Love Bites(So do I)」でグラミー賞ベストロック/メタルパフォーマンスを受賞、今年2月に発表される2018年度グラミー賞でもアルバム「Vicious」がベストロックパフォーマンスにノミネートしている。
なにを差し置いても圧倒的なのは、その豪快で巧みなステージパフォーマンスだ。フレディがそうであった様に、リジーは観客を興奮の渦に巻き込む天才だ。基本ギターを演奏しながらなので縦横無尽に踊り回ったりはしない。しかし咆哮の様なシャウトや、リズムに合わせて観客やメンバーを鬼の様に煽りまくる姿に、オーディエンスは我を忘れて熱狂する。ステージの彼女の前では「男勝りな」なんていう表現は陳腐にすぎる。

もちろんその基盤にあるのはグラミー賞を受賞するほどの、確かな楽曲のクオリティだ。これまで出した4枚のアルバムはどれも傑作と呼べる仕上がり。じゃなきゃこんなに売れてない。
確かな楽曲のクオリティ、鬼神のごときステージパフォーマンス、そしてそれとは裏腹な通常時の無邪気な女子っぷり人気が、リジー・ヘイルを現代最高のロックスターに押し上げた。

フレディー・マーキュリーとの最大の違いは、現実にステージを体験することが出来る、という一点だ。

全インスタグラマーはメタルゴッドのインスタを参照すべき。

メタルゴッドことJudas Priestロブ・ハルフォード。彼の人生が闘いの歴史であったことは、ファンなら良く知っていることだろう。
ヘヴィメタルとは何か」その指針を世界に提示した。音楽業界の変化との葛藤があった。PTA団体との裁判があった。ゲイを公表した。時として、敵はヘヴィメタル自身でもあった。でもいつだってヘヴィメタルファンの為、未来の為に彼は闘い続けた。そんな彼の男気や勇気、繊細さに僕らもまた勇気付けられた。

一方、彼が茶目っ気たっぷりなこともまた、ライブを観たことがあるファンなら良く知っていることだろう。昨年11月の公演で、ライトセーバーのおもちゃを振り回していたのは記憶に新しい。

そんなメタルゴッドことロブ・ハルフォードが自分で運営しているインスタがなにやら愛すべき仕上がりになっているのだ。



クリスマス。



新幹線に乗ります。



エクアドルのファン。



インドネシアのファン。



盲導犬



楽屋で暇つぶし



ディズニー来たぜ!



Battle Beastと共演したぜ!



メンバーと。



こんな調子でほとんど毎日写真や映像をアップしているのだ。イカしてるだろうメタルゴッドは。

他人がどんな素敵なとこに行ったか、どんないい物を食べたかになんてほとんどの人は興味がない。人となりがかいま見える投稿の方がずっと魅力的だと僕は思うのだ。インスタグラマーはメタルゴッドをフォローして参考にして頂きたい。

J-Popの良心。

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今のJ-Popシーンは、多くの人が思っているより健全だと僕は思う。それは多分なにより日本のリスナーがアーティストの音楽や、その人となり(実はこっちが重視されてしまいがちだけど)を純粋に受け止めて共感し、応援し続けられるからだと思う。

もしMiwaがアメリカのアーティストだったら、今ごろ露出度の高い服でダンスミュージック(feat.Drake)をやらされてると思う。ホントに。
「次のアルバムでは今までより大人でソウルフルな・・・」みたいなこと言わされて。
見た目がいいというだけで、その手法で才能をぶち壊すのはアメリカ音楽あるあるだ。

テイラー・スウィフトは本来ギター1本で世界に立ち向かえる才能を持っていたけど、ああいう感じになった。日本の音楽業界は、多分これからもMiwaにギターを持たせる(本人の意向が変わればもちろん別だ)。
リスナーはこれからもそれをちゃんと評価する、と信用しているからだ。

Miwaを検索してみると、上位は「かわいい、笑顔がかわいい、努力家、男に媚びない、女優も出来る・・」
いや、それもいいんだけど、音楽の話をしよう。
芸能人が男に媚びる媚びないでなぜか本気でブチ切れてる女の人がたまにいるけど、怖いからやめてほしい。

Miwaの音楽の良さは、勢いやノリまかせじゃない純粋なメロディの軽やかや、そのシンプルさの中での転調の上手さにあると思う。弾き語りではない「We are the Light」の様な曲でも天性のポップセンスが光る。
そして、ライブが素晴らしく上手い。

歌詞に共感する、という声を良く聞くけど、これは正直僕には良く分かりません。
共感する能力が欠如しているのだと思う。
けど誰かが共感できたり感動できたりするのなら、その歌詞には価値がある。

まず曲がいい。これが一番大事だ。

このタイプのアーティストを尊重して、それを評価できる素晴らしいリスナーがいる限り、日本の音楽業界は健全でいられると僕は思う。

その意味でMiwaの存在はJ-Popに取って明るい。

Silvertideはどこに消えたのか。

f:id:mottie024:20190106194119j:plainSilvertideを覚えているだろうか。
2004年にパーフェクト過ぎるデビュー作「Show and Tell」をリリースしロックシーンの注目を浴び、ここ日本でもBurrn誌で95点の評価、来日公演も実現するなど大いに話題をかっさらった。しかしその後彼らは何の音沙汰もなく、消えてしまった。当時20歳そこそこだった彼らはその後どうしているのだろうか。

調べると、Silvertideは2009年に一旦解散、2013年に再結成し、2014年にシングル「Try,Try,Try」をリリースしている。つまり名目上、バンドは2019年現在存在していることになる。活動はしてなさそうだが・・・。

再結成の前年2012年、ヴォーカルのウォルトとギターのニックはSinaiというバンド名義でアルバム「A Pinch of Chaos」をリリースしている。Silvertideよりも少し重いハードロックサウンドのようだ。
またギターのニックは新バンドMount Hollyを結成しアルバムをリリースするが、こちらも2017年に解散。今どのような活動状態にあるのか不明である。Silvertideが音楽活動を再開することはあるのか・・・。

と、思ってたところ。


ヴォーカル「Walt Lafty」名義のYoutubeチャンネルを発見した。
登録者数は2019年1月6日時点で153人と、地獄youtuber並みだが、カメラの前でギターを抱えているのは確かに本人。相変わらず異常なくらい顔が小さい。
自宅と思われ、うしろに1歳くらいの子供がいる映像もある。カメラに向かってレコーディングの仕方を説明したりする動画もあるが、35本の動画のほとんどは、この1年以内にアップされた曲のアイディアの披露だ。

彼はソングライティングを続けていたのだ。
どの映像も再生回数わずか数十回、全く人知れずの状態で、彼は作曲を続けていた。

それぞれの活動が一区切りついた今、Silvertideは再始動するのではないかと僕は思う。
デビューアルバムから15年が経った。メンバーは30代後半になった。中学生だった僕も28歳に大きく成長しました。受験、留年、就職、転職、色々あった。
それでもどこかで、またSilvertideは姿を見せてくれるのではないかと思い続けていたりする。
ロックを聴き始めた最初期に、僕はSilvertideに衝撃を受けて人生を変えられてしまった。

だからまた世に出てくれる日まで、待とうと思う。