海外メディアが報じる日本

海外メディアが日本の出来事をどう報じているか?解説付きで日々お届けします

U2のジャケットの少年は今何をしているのか。

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この真っ直ぐな目つきは、こっちの汚れた心を見透かされそうな気がしてちょっと怖い。多分店頭に飾ったら、万引き防止のポスターとして機能すると思う。
僕もスマホの待ち受けにしてみようか。
スタートボタンを押すたびに「スマホ見てる場合なのか?WAR。」と問われ続ける毎日。
心が折れそうだ。

洋楽好きじゃなくても、この眼光鋭い少年の顔を一度は見たことがあるのではないだろうか。U2の名作「Boy」、「War」、ベストアルバムと3度に渡りジャケットを飾ったこの少年。この少年は今どこで何をしているのだろうか。ふと気になったので調べてみた。

少年の名前はピーター・ローウェン。ボノの友達の弟だったことから、当時モデルに抜躍されたそうだ。ボノは「ピーターとおおかみ」という絵本を2003年に出しているが、内容を読んでみた限り、これは関係無さそう。

調べると、いくつか記事が出てくる。
ピーター君は現在44歳、アイルランドでフリーの写真家として活躍していた。いくつかのインタビュー記事を見つけることができ、どうやらU2との繋がりは過去のもの」と割り切っている様子。
しかも某タブロイド紙では、中絶を容認する姿勢を見せるボノやバンドメンバーを批判する2018年の記事も。公式webサイトのクライアント欄にはひっそり「U2」と書かれていて、写真家としてバンドを撮ることはあるみたいだ。公式インスタグラムにも、ステージで歌うボノの写真を確認することができた。
現在は主に人物像の写真家として活躍しているピーター・ローウェン。かつて世界にインパクトを与えた写真の少年は、今度は撮る側に回って世界に影響を与えようとしているようだ。


結婚式の写真集も本人によりアップされていました。

60年代のロンドンにタイムスリップ!「マイ・ジェネレーション〜ロンドンをぶっとばせ〜」

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ロック好き、ファッション好きなら、その文化が産声を上げた当時の映像資料を観るのは興奮できる体験なのではないだろうか。1/5からBunkamuraで上映されている「MyGeneration〜ロンドンをぶっとばせ〜」は最適な映画だ。

名優マイケル・ケインが、当時の自分の映像やミック・ジャガーポール・マッカートニー、マリアンヌ・フェイスフル、ツイッギーなどのインタビュー映像をふまえながら、60年代のスウィンギンロンドンを追う。当時のロンドンの若者の、時代を変えるのだ、自由と権利を勝ち取るのだ、というただならぬ熱量を感じることができる。
僕は子供の頃90年代のロンドンに3年程住んでいたので、さらにそれより30年前とはいえ、ややノスタルジックな感傷にも浸ることができた。ロック史、ファッション史のドキュメンタリーであると同時に、「夢を大きく持て」という、現代の人々に向けてのメッセージでもあると感じる。
懐かしい空気に浸りつつ(いや経験してないけど)、当時の若者たちから勇気とパワーを貰おう。ロック好き、ファッション好きには絶対的圧倒的にオススメ。

「ヘラクレス」の音楽の底力。

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ディズニー・オン・クラシックス2018のライブアルバム。
ヘラクレス」にフィーチャーしたのは、とても面白いアイディアだと思う。ここ数年ハデスだけハロウィンイベントで大活躍中だけど、映画自体はあまり日本での知名度が高くない気がする。ストーリーは面白いし、音楽も名曲の宝庫だ。
ヘラクレス、ムーラン、ターザン辺りのディズニー映画っていいよね。全部面白い。

ヘラクレスの音楽は、基本アラン・メンケン作だ。一番知られてるのは「Go The Distance」だけど(日本語版は藤井フミヤが歌ってた)、他にも「I won't Say I'm in Love(恋してるなんて言えない)」「Shooting Star」「A Star is born」など、アカデミー楽曲賞級の名曲がズラリ。「Shooting Star」はホント名曲だと思う。オリジナル版を歌っていたBoyzoneStephen Gatelyは亡くなりましたが、これは断然オリジナル版を推奨します。

またパーク好きとしては、「アクアスフィア(昼)」が入ってるのがかなり嬉しいところ。シーに入場した瞬間の高揚感をライブで再現するというのはなかなか巧妙な手口だ。
1曲目は35周年テーマ曲の「Brand New Day」だけど、これは少しライブだとキレ味が悪く、のっぺりした感じ。

前半の名曲群はいつも通り、「アクアスフィア」以降のヘラクレス楽曲群がやはり聴きどころです。


Stephen Gately版を貼っておく。わずか33才で亡くなりました。

過小評価されているクイーンの曲ベスト10を発表したい。

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映画「ボヘミアン・ラプソディー」のヒットにより、新たにクイーンの音楽に触れたリスナーが増えた。また映画でフレディーが弾き語りをした「Love of My Life」のように、あまりベスト盤では取り上げられなかった曲も知ることが出来たのではないだろうか。

サントラやベスト盤では漏れがちなクイーンの名曲ベスト10を勝手にランク付けした。


10.Seven Seas of Rhyme
初期Queenサウンドを結晶化したような曲。ややプログレッシブで複雑だが、いいメロディが1曲の中に敷き詰められている。ファンには馴染み深い曲だけど、ベスト盤には入っていない。名曲。


9.The Millionare waltz
本物のワルツのリズム、ピアノのイントロ、フレディーの伸びやかなヴォーカル、中盤からのギターオーケストレーションと、クイーンでしか作り得ないサウンドだ。名曲。


8.Play The Game
ひねりが無さそうな曲に聴こえるが、ドラマチックなメロディ、ダイナミックな展開が素晴らしい。ギターソロも感涙もの。名曲。


7.Good Old Fashioned Lover Boy
ピアノを主軸にした明るくて可愛らしいメロディに、途中からギターが絡んでくる。ビートルズテイストの曲なのに、最初から最後までクイーンワールド。名曲。


6.You Take My Breath Away
20世紀を代表する名盤「オペラ座の夜」の次のアルバムということで、名曲だらけにも関わらず「華麗なるレース」は見落とされがちならアルバムだと思う。これも、芸術性が高いフレディーとコーラス隊のバラード。美しいメロディに、どこか無機質さを感じさせる失恋ソング。名曲。


5.I'm Going Slightly Mad
邦題「狂気への序曲」。狙ってる訳ではないのだろうけど、ダークで荘厳な雰囲気が当時のフレディーと被って見えてしまう。しかしメロディは秀逸で、コーラスワークへのこだわりぶりもすごい。PVも芸術的。名曲。


4.Headlong
「Innuendo」は全体的にダークな仕上がりだが、その中では最も明るいストレートなロックチューン。サビは分厚いコーラス。なぜベストアルバムに入らないのかは良く分からない。名曲。


3.39
名曲づくしの「オペラ座の夜」において埋もれがちなブライアン作の優しく軽やかなカントリー風の曲。歌ってるのもブライアン。ヘヴィメタルバンドPretty Maidsもカバーしてました。名曲。


2.Spread Your Wings
ジョン・ディーコン作の傑作バラード。聴き手を勇気付けるような歌詞もメロディも素晴らしい。最後のギターソロも鳥肌。名曲。


1.March of the Black Queen
ダークながらも、起承転結ありの劇的な展開、圧倒的なコーラス・・・クイーンの真骨頂とも言える名曲。ベストアルバムに入らないのは、ボヘミアンラプソディーとかぶることが唯一の理由じゃないだろうか。というかボヘミアンラプソディーはこの曲を分かりやすくした結果のように思える。凄すぎる。名曲。


結論:全部名曲。


クイーンはデビューから終わりまで、挙げきれないほどの名曲を制作してきた。サントラやベストアルバムはあくまでもサンプルの様なもの。隠れた名曲を探しながらスタジオアルバムごとにじっくりと聴くのがやっぱり一番味わい深いのだ。

機関車トーマスのテーマ曲にラップが合う理由を考えてみた。

f:id:mottie024:20190110132921j:plain(出典:youtube

Youtubeなどで、機関車トーマスのテーマ曲とラップミュージックを合わせた音を聴いたことがあるだろうか?もともとそのサウンドだったかと思えるほど自然にフィットしているのである。

↓こんな感じだ。


なぜ、トーマスのテーマ曲なのだろうか。理由を考えてみた。

①音がゴチャゴチャにならない

ラップにはそもそもメロディがあまり無い。だから他の曲と合わせても、音が混同せずに自然なサウンドとなる。また機関車トーマスのテーマ曲にはもちろん歌詞がない。つまり、機関車トーマスとラップミュージックは、音がぶつからないのだ。

②トーマスのテーマ曲の絶妙なリズム感。
機関車トーマスのテーマ曲は4分の4拍子だ。そして、多くのラップミュージックも4分の4拍子。機関車トーマスの秀逸なリズム感がサウンドの融合をもたらしているのだ。また99BPMというスピード感も多くのラップミュージックと重なるそうだ。

ちなみに洋楽と違い、日本の音楽はほぼ全てが4拍子だ。ポップスはもちろんのこと、「三三七拍子」も「五七五」も何もかも4拍子と言われている。つまり理論上、日本の音楽はほぼ全て機関車トーマスのテーマ曲と融合可能ということになるのではないだろうか。試してみる価値はありそうだ(ない)。

フランス最大のロックバンド、「Gojira」をオススメしたい理由。

f:id:mottie024:20190109211043j:plainフランスのロックバンドを、1つでも挙げることが出来るだろうか?
多分、ほとんどの人は1つも挙げられないと思う。僕もほとんど分からない。
フランスのロックバンドはそもそもほとんど世界進出をしない。理由は良く分からないけど、多分フランス語に固執する傾向があるからだと思う。
フランスのロックバンドと言えば、アントシーヌ、カオマ、BBブリュンヌなどがいる。
どうだ、知らないだろう。
ちなみにロック以外だとダフトパンクジプシー・キングスはフランス。

そんな中で珍しくインターナショナルな活躍を見せているのが2001年にデビューした「Gojira(ゴジラ)」だ。
もちろんあのゴジラがバンド名の由来。
ジャンル的に扱いにくいからだと思うが、このバンドに対する評価の日本と欧米の温度差はすごい。Gojiraは超大物なのだ。

彼らのジャンルは「プログレッシブメタル」。
洋楽で、イギリスでもアメリカでもないフランスで、しかもメタルで、プログレで、なんて聴くわけねーだろ、と思われそうだが、敢えて数段飛ばしでGojiraを聴いてみてほしいのだ。いきなりGojiraだ。なぜなら彼らの音楽は誰にも似ていないからだ。
強く重いグルーヴ、複雑なリフ構成、超絶リズム。
バンドで楽器を演奏している人は興味がなくても一聴しておいた方が良いと思われる。Gojiraの演奏力は同ジャンルの中でも抜きん出ていて、世界最高レベルだ。
Gojiraのやっている音楽は複雑でこそあるものの、難解ではない。特に2016年の最新アルバム「Magma」は、多くの人に聴いてもらえるように、敢えて曲が短く作られている。
数回聴き流せば、「ああ、こういう構成だったのか」と分かる程度のものだ。
しょせん音楽なのだ。
プログレを聴いたことが無い人にも、プログレは全然分からん・・・という人にも、Gojiraはオススメだ。

死去から10年。マイケル・ジャクソン全アルバムを採点、ランキング化。

f:id:mottie024:20190109194839j:plain時が経つのは早い。
マイケル・ジャクソンが亡くなってから、今年で10年である。あの時小5だった子は今年ハタチ、あの時46才だったおじさんは56才のおじさんに成長したことだろう。
ご存知の通り、マイケル・ジャクソンモータウンを卒業し1979年にエピックに移籍してから本格的にソロキャリアを歩み始め、6枚のスタジオアルバムをリリースした。そして死後、未発表音源をもとに2枚のアルバムが新たにリリースされた。それらを勝手に主観でランク付けしてみた。偉そうに、採点もつけた。


8.Michael(2010)70点
亡くなった1年後にリリースされた、死後アルバム第一弾。曲のクオリティは正規アルバムには遠く及ばない気はするが、「Hollywood Tonight」や「(I Like)The Way You Love Me」はとてもいい曲だと思う。勿論マイケルのヴォーカルは極上。生前はマイケル自身が携わっていたサウンドプロダクションがここでは後づけとなっているので、純粋にマイケルの作品だとは言えないのかもしれないが、加工を加えたこと自体はいいと思う。多分マイケルでもそうしただろう。ただし偽物ヴォーカルはダメだ。「Monster」とか「誰・・・?」レベルになるとさすがに厳しい。


7.Xscape(2014)76点
前作「Michael」と違い、オリジナル音源もまるっと付けてくれているのがありがたい。オリジナルはこれで、これをこうリミックスしました、というスタンスは誠実だと思う。そのリミックス自体も原曲の軸を壊さずに作っていて、とても分かりやすい。楽曲自体は前作同様、正規スタジオアルバムには及ばないもの、ジョニー・マティスへの提供曲のセルフ・カバー「Love Never Felt So Good」をはじめ、マイケル作曲による楽曲がメインとなっている為、マイケルファンなら聴かない理由は無いと思う。「Slave to the Rhythm」もいい曲。


6.HIStory(1995)88点
1枚目がベスト盤、2枚目が新作の2枚組。ベスト盤のおまけではなく、「ベスト盤がおまけに付いている新作」です。どう考えても。数年前にハロウィン絡みで話題になったジャネットとのデュエット「Scream」、後期マイケル・ジャクソンのお手本のような曲「They Don't Care About Us」、名バラード「You are not Alone」、「Earth Song」など名曲も収録。


5.Invincible(2001)89点
生前最後のアルバム。良く考えたらこれをリリースした時マイケルはまだ43才だったのだ。全然若い。このアルバムでは完璧に構築されたサウンドプロダクションでマイケルのヴォーカルの美しさやリズム感を強化できている(その加工感がうっとおしい、という人も中にはいると思う)。突き抜けた天才的ダンスソング「You Rock My World」を収録しているものの、どちらかというとバラード中心。これを最高傑作に挙げる玄人も、たまにいる。マイケルの声を楽しみなら今作かと思います。


4.Dangerous(1991)93点
ここからは押しも押されもせぬ傑作群。今作はクインシー・ジョーンズのプロデュースから卒業し、ある意味マイケルが最もやりたかった音楽が最高の形で凝縮されているアルバム。ヒップホップの要素を取り入れつつも大衆的なサウンドに仕上げる辺り、マイケルがポップの王様である所以の一つ。M.Cハマーに浮かれていた世界に再び衝撃をもたらした。長く録音できるCD普及の影響もあり、若干間延びしているのが玉に傷。「Jam」「Remember The Time」か「Heal The World」「Black or White」「Will You be There」など収録。


3.Bad(1987)95点
ここらへんまで来るともはや順位は「人による」としか言いようがないが、僕はこれが3位、「Off the Wall」が2位。今作からは全米1位のシングルが5枚出た。1位が5枚ってどういう状況なのか良く分からないが、多分順番に1位になったんでしょう。アルバムの曲は全てマイケルが作曲、約60曲書き上げ、33曲レコーディングしたらしい。70年代のスティービーワンダーや80年代のプリンスに匹敵する天才っぷり。楽曲の素晴らしさもさることながら、この頃からダンスも人間離れしていく。「Bad」「The Way You Make Me Feel」「Man in the Mirror」「Smooth Criminal」「Dirty Diana」など収録。


2.Off The Wall(1979)97点
モータウン時代とは変わり、マイケルが作曲に携わりだしたのが今作。名曲「Don't Stop Til' you Get Enough」はマイケルの手による。声や歌詞に少年時代からの成長が見られ、ソウルとR&B、ディスコサウンドを完璧に融合したマイケルのポップサウンドが誕生した。「Thriller」「Bad」ほど目立たないが、アルバムとしての完成度は匹敵する。「Don't Stop Til You Get Enough」「Rock With You」「Working Day and Night」「Off The Wall」「She's Out of My life」など収録。


1.Thriller(1982)99点
言わずと知れた人類史上最も売れたアルバム。6500万枚売れたということになっている。ちなみに82年の世界人口は46億人だ。今が75億人なので、同比率でいくと今なら1億500万枚売った計算になる。売り上げ枚数より世界人口の増え方の方が怖い。「Wanna be Startin' Somethin'」はストーンズの「Start Me Up」と並んで個人的には「最高の1曲目」。このシンセサイザーの音は未だにゾクゾクする。「Billy Jean」「Thriller」「Beat it」の上位打線はあまりにも聴きすぎてしまったこともあり今聴いて「新鮮だ!」とはもはや思えない境地になっているが、ポールとの至高のポップチューン「The Girl is Mine」や「P.Y.T」と言った負けず劣らずの名曲も収録されていて、まさにパーフェクト。9曲というのがちょっと物足りない。


完全に主観でのランク付けとなってしまったが、ポップ史を塗り替えた天才の死から今年で10年。普段はベストやお気に入りの曲だけかもしれないが、たまにはアルバム単位でマイケルの天才ぶりを振り返ってみるのも良いと思われます。